再配達の有料化はいつから始まる? なぜしないのかやデメリットなどを解説

近年、宅配便の再配達の増加が社会的な問題となっています。
その対策として現在議論が続けられているのが、再配達の有料化です。
この記事では再配達有料化はいつから始まるのかや、そのメリットとデメリット、なぜしないのかなどについて紹介します。
併せて議論の背景にある2024年問題など、物流業界が抱える深刻な問題についても触れているので参考にしてください。


この記事を書いた人:受発注ライフ編集部

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再配達の有料化はいつから?

再配達の有料化がいつから始まるかは、現在のところ決定されていません。
そもそも再配達に関する議論の背景には、オンラインショッピングの利用増加による、深刻なドライバー不足などの諸問題があります。
2024年4月からは「働き方改革関連法」に基づく時間外労働の上限規制が適用されました。
これにより労働力供給が低下するため、国や物流企業は再配達の有料化を検討しています。
いつから有料化が始まるかは分かりませんが、今後、再配達の有料化が具体的に議論される可能性は十分にあります。

再配達有料化が検討される理由

再配達の有料化が検討されている背景には、2024年問題やCO2排出量の増加など物流業界を取り巻く様々な問題があります。

物流業界の2024年問題

再配達が有料化が検討されている理由の一つが、2024年問題です。
2024年問題とは、働き方改革関連法によりトラックドライバーの年間時間外労働が960時間に制限されることで発生する物流業界の諸問題です。
時間外労働の規制には残業を減らす効果がある反面、物流業界においては輸送力の減少に繋がることが懸念されています。
そのような2024年問題への対応策として、再配達の有料化が議論されているのです。

配達個数が増加しドライバーの負担増

EC市場の拡大やスマートフォンの普及により、消費者は気軽にオンラインショッピングを楽しむようになりました。
それに伴い宅配便の配達個数が増加し、ドライバーの負担がますます高まっている現状があります。
国土交通省の発表によれば、2020年までの5年間で宅配便取扱数は+約29.1%増加。
また2022年の全国の再配達率は11.7%で、2021年の11.2%、2020年の8.5%と比べて高い水準です。

CO2排出量の増加

CO2排出量の増加も、再配達の有料化が検討されている背景にあります。
再配達が増えればトラックの走行距離も長くなるため、CO2排出量は増える一方です。
環境省によれば、再配達で排出されるCO2は年間で約42万トンにも及びます。
これらのCO2排出量を削減する一手として、再配達の有料化が議論されています。

再配達有料化をなぜしない? デメリットとは

ヤマトや佐川など大手の運送業者は、再配達の有料化をなぜしないのでしょうか。
それは再配達の有料化には以下のようなデメリットがあるからです。

顧客満足度への影響

再配達の有料化により、宅配業者に対する顧客満足度が低下する可能性があります。
再配達が有料化されれば、消費者は送料に加え再配達料金まで負担しなければなりません。
再配達の料金を気にして、宅配便が届くまで家で待機するのは多くの消費者にとってストレスになるでしょう。
特に宅配便を頻繁に利用する人や忙しい人は、有料化に対して否定的な印象を持つかもしれません。

運送業界全体でルール作りをする必要がある

運送業者により再配達の金額やサービス内容が異なると、顧客が他社へ流出する可能性があります。
そのため再配達の有料化を行う場合、大手のヤマトや佐川から中小の運送会社まで業界全体で足並みを揃える必要があります。
運送業者全体でルールを統一するとなると、合意までには時間がかかるでしょう。
さらに政府や関連組織のガイドラインも考慮する必要もあるため、ますます議論は複雑化します。

配達員がインターホンを鳴らさず不在票を入れる可能性

一部のケースでは、配達員が仕事の負担を減らすため、インターホンを押さずに不在票を入れるという悪質な行為が報告されています。
もし再配達が有料化した場合にこのような行為をされれば、消費者にとっては大きなデメリットに。
業者がインターホンを押したか、押していないか証拠を見付けるのは難しいため、業者と消費者間のトラブルに発展する可能性があります。

返品が増加する恐れも

再配達の追加料金を払うことを避けるため、「受け取り拒否」という選択肢を取る消費者が増えるかもしれません。
返品のたびに、運送業者は依頼主のもとへ商品を返送しなくてはなりません。
返品の増加により運送業者の負担が増えれば、再配達の有料化はデメリットにもなります。
また返品のコスト分の費用が運送料金に上乗せされる恐れもあります。

現在ヤマトや佐川の再配達料金はいくら?

ヤマト、佐川、郵便局の大手宅配業者3社では、再配達の料金は今のところ無料です。
しかし一部の業者では、既に再配達の有料化を開始しています。
例えば楽天西友ネットスーパーでは、再配達料金が440円(税込)かかります。
ヤマト、佐川などの宅配業者がいつから再配達の有料化を始めるかは分かりませんが、西友ネットスーパーなどを参考にするかもしれません。

再配達を少なくする工夫とは?

宅配ボックスの設置など、再配達を減らすための方法を紹介します。
再配達の有料化はいつから始まるかまだ分かりませんが、今後に備えて対策を取っておきましょう。

宅配ボックスを利用

宅配ボックスの利用は、再配達の問題を減らす効果的な方法です。
宅配ボックスがあれば受取人は不在の時でも荷物を受け取れるようになり、荷物が届くまで家で待つストレスから解放されます。
一方運送業者は、再配達せず一度に荷物を届けることが可能に。
宅配ボックスは、受取人、運送業者双方にメリットのある仕組みです。

コンビニや宅配ロッカーを受取場所にする

賃貸などで宅配ボックスが設置できない場合、コンビニや宅配ロッカーを受け取り場所に設定する方法もあります。
24時間荷物を受け取れるコンビニや宅配ロッカーも多く、忙しい人にとっては非常に便利なシステムです。
家の近くや通勤経路の途中にあるスポットを受け取り場所にすれば、宅配ボックスと変わらないくらいスムーズに荷物を受け取れるでしょう。

配達状況のお知らせや日時変更サービスを利用

配達状況のお知らせサービスは、荷物の配達予定日時をメールやアプリで通知し、受取人が都合の良い日時や場所に変更できる便利な機能です。
例えばヤマト運輸では、メールや公式アプリ、LINEなどで通知を受け取り、受け取り日時や場所の変更が可能です。
配達状況のお知らせサービスを活用すれば、急な荷物にも柔軟に対応できます。

まとめ

再配達の有料化はいつから始まるのか、なぜしないのかなどの疑問に答えました。
現在は再配達の有料化がいつから始まるかはまだ決まっていませんが、2024年問題などを受けて政府や業界が検討を続けています。
ヤマトや佐川などが有料化をなぜしないのかといえば、顧客満足度の低下やトラブル増加など様々なデメリットがあるためです。
再配達の有料化に備えて、今から宅配ボックスの導入などの対策を取っておきましょう。

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