英語のAssortに由来するアソートは、日本語としても定着している言葉です。
しかし物流やアパレルなど業界によっては、英語本来の意味では違った使われ方をすることがあるので注意が必要です。
そこでこの記事では、アソートやアソート商品の意味を業界ごとに詳しく解説します。
併せてゲートアソートシステムなど物流におけるアソートの生産性を上げるシステムを紹介するので、物流業の経営者は必見です。
この記事を書いた人:受発注ライフ編集部
『受発注ライフ』は、2024年3月22日に誕生した、株式会社カンナートのWebメディアです。
株式会社カンナートは西新宿にある創業20年目のシステム開発会社です。
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アソートとは
アソートとは、さまざまな種類の商品や食品の詰め合わせること。
複数種類のお菓子やおもちゃなどを組み合わせて一つの商品にしたものを、アソート商品と呼ばれます。
また物流業界におけるアソートとは、商品を指示通りに仕分けることを意味します。
アソートは英語のAssortに由来し、組み合わせる、分類する、調和するなどの意味で使われることも。
業界別に異なるアソートの意味
アソートの意味は物流、アパレルなど業界により違います。
ここでは業界ごとに、アソートやアソート商品の意味を紹介。
物流業界
物流業界で使われるアソートとは、入荷や出荷の際に行う商品の仕分け作業です。
まず入荷時点で行うアソートは、商品を指定された保管場所に仕分けること。
出荷時点で行うアソートとは、注文ごとに商品を仕分けたり同梱したりする作業を指します。
アパレル業界
アパレル業界でいうアソートとは、商品の品揃えを意味します。
アパレルのアソートを構成する要素はサイズや色、柄、価格、アパレルブランドなど様々です。
アパレル業界ではトレンドや季節、顧客からのニーズなどを考慮してアソートを決定しています。
菓子・チョコ業界
菓子やチョコ業界のアソートには詰め合わせの意味があり、詰め合わせた商品はアソート商品と呼ばれます。
例えば違う味や種類のお菓子がセットになったものは、アソート商品です。
アソート商品は他社商品を詰め合わせているものもあれば、自社製品の複数種類の菓子が詰め合わされていることもあります。
スノーボード
スノーボードの商品詳細に、「ソールはアソートとなります」と表示されるこがあります。
このような記載がある場合は、ソールの色が見本とは違うものが届く可能性があるという意味です。
ネット注文で「ソールはアソートとなります」と表示されていたら、基本的にソールの色は届くまでわかりません。
色
インテリアやファッション、景観などをデザインする際には、ベースカラーの次にアソートカラーが重視されます。
ベースカラーとはデザインする対象物の中で1番大きな面積を占める色のこと。
ベースカラーの次に、大きな面積を占める色をアソートカラーと呼びます。
アソートピッキングとは?
アソートピッキングとは、出荷作業において欠かせない商品のピッキング作業と仕分け作業(アソート)を組み合わせた言葉です。
アソートピッキングには、主に以下2種類があります。
摘み取り方式
摘み取り方式とは、1つ注文が入ったらその都度ピッキングを行う方法。
出荷数が少ない場合や突然の注文に対応する必要がある状況では、摘み取り方式が採用されることが多いです。
注文が入る度に商品の管理場所を行き来する必要があるため、次に紹介する方法と比較すると非効率なやり方。
種まき方式
種まき方式とは注文が複数あった場合に商品をまとめてピッキングして、その後、発送先ごとに商品を仕分ける方法です。
例えばAとBの2つの注文先から同じ商品が1つずつ入ったとします。
この場合種まき方式では、同一商品を2つピッキングして、出荷の際にA,Bに分配します。
デジタルアソートシステム(DAS)とは?
デジタルアソートシステムは物流業界で広く採用されている仕組みです。
ここではデジタルアソートシステムの意味やメリット、デメリットを紹介します。
デジタルアソートシステムとは何?
デジタルアソートシステムとは、デジタル表示器によりアソートピッキングをサポートする仕組み。
デジタル表示器とは信号のように点滅する表示機で、そこに点滅する色や数字に合わせて作業者は商品を投入していきます。
デジタル表示器に反映される情報は、倉庫管理システムなどの上位システムと紐づいています。
デジタルアソートシステムのメリット
アソートピッキングには経験や知識が必要なため、経験値の高いベテランの作業員と経験値の低い新人作業員では、業務の品質が大きく異なります。
しかし、デジタルアソートシステムにより作業を標準化することで、一定以上の品質を確保できます。
またデジタルアソートシステムを活用することで作業が簡単化するため、作業効率アップも期待できるでしょう。
デジタルアソートシステムのデメリット
デジタル表示器を倉庫などに設置する際には、どうしても工事費や維持費、その他費用など、高額な費用がかかるのがデメリット。
またシステムを導入した後にロケーションを変えるのは困難です。
さらにデジタルアソートシステムでは作業エリアごとに担当者を固定する必要があります。
そのため複数商品のアソートを同時に行う場合、倉庫内が渋滞しやすい点もデメリットです。
ゲートアソートシステム(GAS)とは?
ゲートアソートシステムはデジタルアソートシステムと並んで、物流業界で活用されている仕組みです。
ここではゲートアソートシステムの意味や、メリット、デメリットを紹介します。
ゲートアソートシステムとは何?
ゲートアソートシステムは、ミスを無くすことを前提としたゲート式の仕分けシステム。
ピッキングした商品のバーコードを読み取るといくつも並んでいるボックスのゲートが空き、そこに商品を仕分けるといった仕組み。
仕分けが済んだら、足元のスイッチでゲートを閉めれば作業完了です。
ゲートアソートシステムのメリット
ゲートアソートシステムの最大のメリットは、1回の投入で開くゲートは1つなので仕分けミスを防げること。
商品の投入が済むと完了したことを音で通知してくれる機器もあるため、視覚だけでなく聴覚も使ったミス防止が可能です。
また物量に合わせて増設を簡単に行えるうえ設置に大きな工事が必要ないため、多くの倉庫に取り入れやすいでしょう。
ゲートアソートシステムのデメリット
システムを導入する際、設置場所確保のためにレイアウトを見直す必要があります。
オペレーションそのものも変わるため、混雑しない動きやすい導線へレイアウトを変えなければなりません。
また1コンテナごとのボックス投入となるため、ピッキング規模が大きい場合には向いていません。
複数の人による同時進行が不可能なため、生産性に限りがあるのもデメリットです。
DASとの違いはゲートがあるかないか
デジタルアソートシステム(DAS)とゲートアソートシステム(GAS)の大きな違いはゲートの有無です。
DASにはゲートがないため、上下左右のゲートに商品の誤投入が発生してしまう可能性が高いです。
そのような誤投入を発生させない目的から、GASが開発されました。
SASとは?
SAS(シャッターアソートシステム)とは、GAS同様に商品を投入するボックスが開く仕組みです。
GASとの違いは、SASでは複数のシャッターが同時に開くこと。
また作業者が実施する作業を、簡単な画面表示や光、音声によりサポートしてくれます。
まとめ
アソートとはものを詰め合わせることで、アソートにより完成した商品はアソート商品といいます。
またアソート派物流やアパレルなど業界によって意味に違いがあるので、混同しないように注意しましょう。
アソートのミスを減らすためには、ゲートアソートシステムやDAS、SASが有効です。
物流業務の改善を検討している人は、ぜひ導入を検討してみてください。