報連相は時代遅れなの? 基本の意味や古いと言われる理由、重要性について解説

新人研修で必ずといっていいほど教わることの一つが、報連相。
情報伝達の方法としてビジネスシーンで重視されてきましたが、昨今では時代遅れとして見直す動きもあります。
この記事では報連相の意味や重要性を再確認し、報連相が古いと言われている理由を解説。
併せて報連相に代わるフレームワークも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。


この記事を書いた人:受発注ライフ編集部

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報連相とは

報連相とは、報告・連絡・相談の略。
それぞれ「報告」は業務の進捗や結果を上司に伝えること、「連絡」は情報を関係者と共有すること。
さらに「相談」は問題や課題について助言を求めることを意味します。
報連相は仕事の基本とも言い換えられるほど、日本のビジネスにおいて重視されてきました。
報連相を効果的に行うことで、情報共有の円滑化、チームの連携が強化すると言われています。

報連相のやり方

報告、連絡、相談の意味とともに、それぞれのやり方を紹介します。
知っている人も、この機会にぜひおさらいしておきましょう。

報告

報告とは言い換えれば、業務の状況や結果を伝えること。
やり方としては、簡単な内容は口頭、込み入ったことや重要性の高いことは文書で伝えます。
報告において肝心なのが、タイミングです。
急ぎでないことはまとめて報告してもいいですが、トラブル発生時など急を要する際は早めの報告が求められます。

連絡

連絡とは、自分の持っている情報を関係者に伝えることの意味。
例えば自分のスケジュールを朝礼で伝えたり、仕事で知り得た情報を部署内で共有したりするのは連絡です。
連絡はそこまで急がないことが多いですが、関係者全員に伝えることが重要。
メールやチャットなどを活用すると効率的に連絡を行えます。

相談

相談とは、業務の中で困ったことや自分で判断できないことがあった時に、上司や同僚に意見や助けを求めることです。
相談は、その仕事の指示を出した人にするのが基本。
聞く際は、上司に「どうすればいいですか?」と丸投げするのではなく、「私は○○するのがいいと思うのですが」と伝えると円滑に話が進みます。

報連相の重要性

報連相には業務の円滑化や人間関係の改善など、様々なメリットがあります。
報連相は時代遅れ、古いという意見もありますが、改めてその重要性を確認しましょう。

情報の透明化

報連相の重要性の一つは情報の透明化、言い換えれば、関係者全員が同じ状況を把握できるようになることです。
これにより認識のズレが生じにくくなり、正確な意思決定が可能になるだけでなく、組織内の信頼関係も強化されます。

重大なトラブル回避

報連相は重大なトラブル回避においても極めて重要です。
一人では気づけないミスも、報連相の過程で上司や同僚がキャッチできることがあります。
ミスを防ぐ点においては、報連相はダブルチェックすることと同じくらい意義があるのです。

社内のコミュニケーション活性化

報連相は、社内コミュニケーションの活性化においても重要性が高いです。
社内に報連相の文化があることで部下は上司に話しかけやすくなり、自然とコミュニケーションが生まれます。
特に相談では部下と上司双方が意見を交換しあえるため、お互いの価値観や仕事への姿勢を理解する良い機会になるでしょう。

報連相が広まった歴史的背景

報連相の始まりは、一説には1982年頃に山種証券の山崎富治社長が部下に対し、「報告・連絡・相談」の重要性を説いたことと言われています。
山種証券(現・SMBCフレンド証券)は当時、中堅企業でしたが、組織が大きくなるにつれ社員の声が社長まで届きにくくなっていました。
そこで社内で「ほうれんそう運動」を始め、立場に関係なく社員が声を上げられる風通しの良い職場を目指したのです。

報連相はもう古い? 時代遅れと言われる理由

報連相の重要性が叫ばれる一方で、もう古い、時代遅れという意見もあります。
現代において、報連相にはどのような弊害があるのか解説します。

非効率だから

報連相が時代遅れと言われる理由は、現代のビジネスにおいて非効率なやり方だからです。
生産性が求められる現代、細かい報告や逐一の連絡、相談が作業の手間となり、スピード感を損ねる場合があります。
またデジタルツールが普及した今、リアルタイムで情報共有や意思決定が行えるため、従来の「報連相」は無駄が多いと感じる人も増えています。

社内の風通しを悪くするから

本来、報連相は社内の風通しを良くすることを目的に考案されました。
しかし現代では形式的な報連相が重視されすぎて、そのようなやり方はもう古いと言われています。
例えば分刻みで書く日報、形式的な上司へのスケジュール連絡などは、社内の風通しを悪くしかねません。
このような過剰な報連相により、部下は全ての行動を上司に監視されているような息苦しさを感じ、自由な意見を言いにくくなるのです。

主体性、個性が重視されるようになったから

主体性や個性が重視されるようになった現代に、報連相は古いという意見もあります。
特に相談のしすぎは、部下が自主的に問題解決する機会を奪いかねません。
何か迷った時に上司に聞くのは簡単ですが、部下自身が自分で考えて行動することも重要です。
仕事には答えが一つではないことも多く、言い換えれば上司の意見が全てではありません。
部下の発想力や個性を潰すような、行きすぎた報連相のやり方は見直すべきなのです。

もう古いと言わせない! 現代に合った報連相のやり方

もう古いとは言わせない、現代に合った報連相のやり方を紹介。
形式的な報連相は廃止し効率化することが、現代のビジネスに求められています。

適切な連絡手段を取る

報連相は従来、口頭や日報などの文書で行うことが一般的でした。
しかし効率が重視される現代では、メールやSlack、チャットワークなどのビジネスチャットツールも活用するべきです。
チャットツールのメリットは好きな時間に記入、閲覧できるため、お互いの時間を奪わないこと。
またリアルタイムで全体に情報を共有できるため、口頭のコミュニケーションに比べ格段に効率的です。

頻度、タイミングを考慮

報連相のやりすぎは、仕事の効率を下げるだけでなく社内の風通しまで悪くすることもあります。
そうならないよう、例えば仕事の進歩報告の回数を見直す、会議の回数を減らすなど、無駄な報連相は削減していきましょう。
また急ぎではない報連相は関係者が忙しくないタイミングを見計らってすることも、仕事の効率化において重要です。

簡潔に伝える

相手の時間を無駄に奪わないよう、報連相は簡潔に伝えることが重要です。
上司に声を掛ける時は、「○○について報告がありますが、今お時間よろしいでしょうか」というように伝えたい内容を簡潔に述べます。
その際、話すこと、上司に確認したいことを事前に整理しておくことで、話が早く進みます。
報連相が苦手な人は、結論→理由→事例→結論の流れで話を構成する、PREP法を心掛けてみてください。

報連相を受ける側に求められる「おひたし」とは?

おひたしとは、報連相を受ける側に求められる姿勢で、「怒らない」「否定しない」「助ける」「指示する」の略です。
ミスなど報告の内容によっては、部下を叱りつけたくなることもあるでしょう。
しかし部下が伝えてくれたことをまずは評価し、上司から適切な指示を出すことが重要です。
また部下から相談を受けた際は、指示を出すのではなく、部下の自立を促す「助ける」姿勢が求められます。

報連相に代わる情報伝達方法を紹介

非効率、部下の主体性を奪うなどの理由で、報連相は時代遅れとも言われています。
そのような報連相の欠点をカバーする、新たな情報伝達手段、思考法を紹介します。

確連報(かくれんぼう)

確認、連絡、報告の略で、かくれんぼうと読みます。
「相談」の代わりに「確認」が加わっているのが、報連相との違い。
確連報における確認とは、相手から指示されたことを再確認することを意味します。
具体的には、指示内容を自分の言葉で言い換えて上司から承認を得るプロセスです。
確連報では相談ではなく確認をすることで、部下の主体性を尊重しながら、部下が重大なトラブルを起こすリスクを防ぎます。

ソラ・アメ・カサ

ソラ・アメ・カサは大手コンサル企業、マッキンゼージャパンが考案したビジネスの思考法です。
それぞれ、「ソラ」は空が曇っているという「事実」。
「アメ」は、空が曇っているから、雨が降りそうだという「解釈」。
「カサ」は雨が降りそうだから、傘を持って行こうという「判断」を意味します。
このように事実に基づいて予想を立て、判断を下す習慣を付けることで、自立性や論理的な思考法を育むことができます。

雑談・相談(ざっそう)

雑談と相談の頭文字を取った、「ざっそう」というフレームワークです。
従来の報連相においては、「上司が怖くて話しかけにくい」と感じる人が多くいました。
そこで日ごろから上司と部下が雑談し合える職場を作ることで、仕事の相談もしやすい環境を作ろうという目的で、ざっそうが生まれました。
従来の報連相よりもフランクなコミュニケーション法として、昨今、注目されています。

まとめ

仕事の基本とも言い換えられる報連相。
今回は報連相の意味やその重要性、時代遅れと言われている理由などを解説しました。
報連相は多くの日本企業に定着していますが、効率を重視する現代では時代遅れ、もう古いとも言われています。
報連相を効果的に行うためには、口頭にこだわらずチャットツールを活用したり、頻度を減らしたりといった工夫が求められるでしょう。

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