【落ち度がない・非がない場合も】クレーム対応の例文集 電話・メール別に解説

ビジネスの場において、多くの人が受ける可能性のあるクレーム。
適切な対処が求められますが、具体的にどうするべきか分からず、頭を悩ませている人も多いでしょう。
今回は自社に落ち度がある場合や自社に落ち度がない・非がない場合に分けて、メールの書き方と例文を紹介。
電話対応のコツなどについても、順を追って詳しく解説を加えるので、参考にしてください。


この記事を書いた人:受発注ライフ編集部

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【電話メール共通】クレーム対応の手順をチェック

まずは、クレーム対応の具体的な手順を押さえましょう。
電話・メール共に、クレーム対応は「挨拶」から始まります。
自身の部署名・名前に丁寧な挨拶を添え、責任を持って対応する姿勢を示してください。
続いて「お詫び」の気持ちを伝え、クレームの原因が分からない段階では全面的に非を認めないことがポイント。
不快な思いをさせたことに謝罪し、「傾聴・事実確認」に入ります。
一通り話を伺ったら、5W1Hを念頭に「質問・要約」し、「解決策・代案の提示」を進めましょう。
「結び」に再度お詫びして、感謝の言葉で締め括る書き方にするのが一般的です。

【メール返信】自社に落ち度がある場合の書き方

次に、自社に落ち度がある場合のメールの書き方を例文と共にチェックしましょう。
挨拶と正面からの謝罪を済ませたうえで、クレームの原因や対応策について簡潔な説明を加え、結びの言葉につなげます。

挨拶

「拝啓」などの頭語や時候の挨拶を省き、すぐに本題を切り出しましょう。
「お世話になっております」といったカジュアルに聞こえるフレーズは避け、より丁寧な表現を心がけることも重要。
また、自分の名前を名乗る場合には、肩書きを正式名称にて記載してください。

例文
平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
株式会社〇〇の〇〇と申します。
この度は弊社の○○をご注文いただきまして、誠にありがとうございます。

お詫び・謝罪

自社に落ち度があってお詫び・謝罪する際は、何に対してのお詫びであるのかを明確にしましょう。
言い訳を挟まず正面から謝罪する書き方にすることが重要です。
言い訳じみた内容が見られると、お客様の怒りを招いてしまうため、十分に気を付けましょう。

例文
・この度は、〇〇様が△年△月△日にご購入くださった〇〇(商品番号△△△△)が破損していたとのこと、大変御迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。
・この度は、〇〇に関しまして、ご不快な思いをさせてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。

商品不良などの原因の説明

クレームの原因や理由については、謝罪の言葉を述べてから、簡潔に説明しましょう。
自社に商品不良などの落ち度があった場合、どこでどのようなミスが起きたのか原因究明します。
この時は、心からお詫び・謝罪することが基本です。

例文
・お客様からお送りいただいた着荷時の製品画像を受けて、破損が生じた原因を調べたところ、工場での工程に、一部不備があったことが判明いたしました。
・ご注文の○○は実店舗との在庫共有商品となっており、実際には商品不足の状態であったにもかかわらず、ネットショップにて販売を続けてしまいました。

対応策の提案

クレームの原因が判明した結果、どのような対応・対策を行うのか、できる限り具体的に記載しましょう。
ミスや損失への対応方法はもちろん、対応予定日や再発防止策まで明記することで、より誠意が伝わります。

例文
在庫がございますので、早急にに交換品をお送りします。
本日、発送が完了しましたので、お届けは△月△日(〇)となる見込みです。
また、△月△日には再発防止のためのシステム導入が完了する運びとなっております。
今後このようなことがないよう、管理を徹底してまいります。

結びの言葉

結びには、改めて今回のクレームに対するお詫びの言葉を加えるのがポイントです。
貴重な意見を頂戴したことについての感謝の気持ちを添えましょう。
自社の印象を良く終わらせるためにも、気持ちの良い文章でメールを締め括ることは重要です。

例文
この度は大変お手数をおかけし、申し訳ございませんでした。
頂いたご意見を真摯に受け止め、改善に努めてまいります。
貴重なご意見ありがとうございます。

【メール返信】自社に落ち度がない・非がない場合の書き方

自社に落ち度がない場合や非がない場合でも、顧客からクレームが寄せられることもあります。
自社に落ち度がないなら、傾聴したうえで、不満を抱かせてしまった点について部分謝罪しましょう。
その際は二次クレームを防ぐために、クッション言葉を活用しつつ、低姿勢の対応を心がけてください。
その一方で、自社に非がない場合には、対応できないことをはっきり伝える必要もあります。
挨拶と謝罪を記したうえでクレームの原因を説明し、対応できない旨を伝え、結びの言葉につなげましょう。

【電話】クレーム対応する時のポイント

電話でクレーム対応する時は、お客様を冷静にさせることが第一です。
まずは相手方の心情を受け止め、落ち着いて話ができる流れに持っていきましょう。
こちらに落ち度がない場合や、お客様の主張が明らかな誤りと分かる場合にも、話の途中で反論せず、耳を傾けます。
その際は適切な対応や後の検証につなげるため、メモを取っておくことが重要です。
また、クレーム対応の電話は可能な限り、録音するようにしましょう。
会話の記録がクレーム対応の証拠として役立ち、クレーマーへの牽制にもなります。

【電話】クレーム対応で使える例文

クレームの電話を受けたら、まずは不快な気持ちにさせたことを謝罪してお客様の主張を聞きます。
その後対策の検討を行い、解決策の提示を進めていきましょう。
各ステップで使える例文をまとめるので、参考にしてください。

謝罪の場面

お客様は商品やサービスに関して、何らかの不便な点があったことから、クレームの電話をかけてきます。
まずはそのことに対して、一言謝罪を述べましょう。
即座に事実を認めるのではなく、あくまでもお客様の心情に寄り添い、怒りに対して謝罪します。

例文
・この度は弊社商品に関してご不便をおかけして申し訳ございません
・ご不安な思いをさせてしまい、申し訳ございません

お客様の主張を聞く場面

謝罪の後は、クレームを引き起こした事実や経緯に関して、詳細に伺います。
5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)が明確になるよう、話を引き出しましょう。
状況が確認できたら、お客様の要望を聞き取ります。
返金や商品の交換を希望しているのか、あるいは不満を聞いてほしかっただけなのか、把握してください。

例文
・具体的には、いつ起きたことでしょうか
・どのようなご不便をおかけしましたでしょうか
・ミスがあったのは、〇〇でお間違いございませんか
・お客様のご要望としましては、〇〇ということでしょうか

事実関係の調査と対策検討

クレームの詳細が把握できたら、次は事実関係を調査し、どのような対応を取るか検討する必要があります。
すぐに調べて回答できるような案件であれば、電話を保留にしたうえで検討しましょう。
一方、調査などに時間を要する場合には、いったん電話を切って折り返します。
検討の際には、次のように伝えてください。

例文
・資料を確認いたしますので、しばらくお待ちください
・頂いた内容を確認いたします。少々お時間がかかりますので、折り返しお電話させていただいてもよろしいでしょうか。△分以内にはご連絡いたします

解決策を伝える場面

クレームの解決策は二案ほど用意して、お客様に選択していただくと良いでしょう。
提案の際にはそれぞれの解決案のメリットとデメリットも伝えます。
商品を返送する場合には送料をどちらが負担するのか、返金を選んだらどれくらいの時間を要するのかといった内容です。
具体的な説明を加えながら、解決策を示しましょう。

例文
当店としましては、新品の同じ商品と交換させていただくか、返金の手続きを取らせていただきたいのですが、いかがでしょうか。
交換品を送付する場合は、お届けまでに△日ほどかかる見込みです

クレーム対応の折り返し・返信はいつがいい?

クレーム対応はなるべく早く、24時間以内に行うことが重要です。
ただし、常識外の時間帯に電話をかけたりメールを返信したりすると、お客様の不満につながる可能性があります。
そのため、折り返しの電話をかける場合には、お客様の都合の良い時間帯を確認しておきましょう。
メールの返信も常識の範囲内の時間帯に行うことが好ましいため、日中に返信してください。

まとめ

自社に落ち度がない場合や非がない場合でも、クレーム対応に失敗すると、更なるトラブルにつながりかねません。
電話対応時のポイントやメールの正しい書き方、タイミングを押さえて、細心の注意を払って対処しましょう。
信頼を得られる可能性もあるので、自社に非がない場合でも真摯な対応が欠かせません。
クレーム対応では、その時々の状況によってベストな対処法を見極めることが重要なのです。