ECサイトなどのシステム開発の領域でよく耳にする、フルスクラッチ。
ホームページ作成の初心者やITに疎い人にとっては、馴染みにくい概念でしょう。
この記事では、フルスクラッチの意味やフルスクラッチがどのようなビジネスにて適しているのかについて、初心者にもわかりやすく解説。
併せてハーフスクラッチやクラウドソフトについても紹介するので、自社ビジネスに活用したい人は参考にしてください。
この記事を書いた人:受発注ライフ編集部
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フルスクラッチの意味を解説
フルスクラッチとは、英語のスクラッチに由来する言葉です。
ここではフルスクラッチの意味や、システム開発の領域でどのように使われているのか紹介します。
フルスクラッチの意味とは?
フルスクラッチとはすでに存在しているものを使用せずに、何もないゼロの状態で、製造・開発に取り組むことです。
特にシステム開発の領域では、ソフトウェアやシステムを一から新たに構築することをスクラッチ開発と呼びます。
例えば「このアプリはフルスクラッチだ」と言われたら、それは既存コードやプログラムを全く流用せず、完全なオリジナルアプリという意味です。
英語の意味は?
英語でスクラッチは、模型をプラスチック板や粘土などの素材から組み立てることを意味します。
これを元に、完全にゼロの状態からシステムを開発することをフルスクラッチと呼ぶようになりました。
フルスクラッチでホームページを作るメリットとは?
フルスクラッチでホームページを作るメリットは、レイアウトの自由度のほか機能追加や保守のしやすさです。
開発費用や時間はかかっても、納得のいくホームページを作成したい人にはフルスクラッチをおすすめします。
自社のビジネスに適したシステムを構築できる
フルスクラッチでホームページを作る大きなメリットは、自由度の高い開発が可能なことです。
既存のパッケージ製品を使ってホームページを作る場合、カスタマイズに一定の制約や限界があります。
そのため要件次第では希望通りのホームページを作れないことも。
一方フルスクラッチであれば、細部にまでこだわって自由自在にデザインや機能を調整することができます。
機能の追加や保守をしやすい
システムが完成した後は、機能を追加したり保守したりすることが必要です。
保守とはシステム開発終了後に、予期せぬ問題が生じた際に修正したり、調整したりすることを意味します。
法律や制度、追加ニーズが変わることで、機能の追加を望むこともあるでしょう。
フルスクラッチ開発の場合ゼロの状態からシステムを構築しているため、既存システムに比べて機能の追加や保守がしやすい魅力があります。
フルスクラッチのデメリットとは?
フルスクラッチでのホームページ作成は、コストや時間がかかるほか、初心者には対応が難しい点がデメリットです。
ECサイトにフルスクラッチを利用したい人は、以下のデメリットについても把握しておきましょう。
開発コストと時間がかかる
フルスクラッチには、開発コストと時間がかかります。
初期費用に数千万円かかる場合や、保守運用で数十万円の月額費用がかかることも少なくありません。
また、構築は1年程度の時間がかかる場合もあります。
そのため開発コストを支払えるだけの余裕がない企業にとって、フルスクラッチの利用は厳しいでしょう。
初心者には難しく、高い技術力をもった人材が必要
フルスクラッチは初心者には難しく、高い技術力をもった人材が必要になります。
フルスクラッチを行うには、システムエンジニアだけでなくデザイナー、セキュリティ担当者などあらゆるスペシャリストが不可欠。
外部委託する方法もありますが、自社開発と比べコストがかかるのがデメリットです。
フルスクラッチ開発の流れ
フルスクラッチ開発では既存システムを使わずシステム開発に取り組むため、手順や工数が多いです。
開発の流れは、要件定義→設計→開発→テスト→運用。
要件定義とは、システム用途や必要機能の抽出を行うことを意味します。
要件定義で希望事項が曖昧な場合や、制作会社と発注側で認識にズレがある場合、希望通りのシステム構築は困難です。
要件定義した後は、作った仕様書に基づき設計や開発を行います。
・要件定義
・設計
・開発
・テスト
・運用
フルスクラッチとパッケージソフト、クラウドソフトとの違い
フルスクラッチはカスタマイズ性が高い反面、初心者には取り扱いにくい点がデメリットです。
ハーフスクラッチやクラウドソフトの特徴も理解したうえで、フルスクラッチを利用するか検討しましょう。
パッケージソフト(ハーフスクラッチ)とは
パッケージソフトとは既存システムに追加開発や設定の変更を加えることで、クライアントの要件に応じたシステムを開発する手法です。
既にシステムのベースがある状態から開発を行うことから、ハーフスクラッチとも呼ばれています。
フルスクラッチと比べて開発に手間がかからないため、その分人件費をはじめとする初期費用がかかりません。
また要件定義、設計、開発に時間がかからず、初期設定完了後すぐ運用できるのがパッケージソフトのメリットです。
クラウドソフトとは
クラウドソフトとはクラウド上にあるシステムを使いECサイトを構築することを意味します。
クラウドソフトは一般のソフトウェアと違い、サーバーにインストールしたり、細かいカスタマイズをしたりする必要がありません。
コスト面でも、パッケージソフトやフルスクラッチと比較して優れています。
またクラウド上でシステムが自動アップデートされるので、常に最新の機能やセキュリティを保つことが可能。
その反面カスタマイズ性が低く、要件の変更が難しい点がデメリットです。
フルスクラッチはどのような会社やビジネスに適している?
フルスクラッチ開発を検討している人は、どのようなビジネスにフルスクラッチの利用が適しているか理解しておく必要があります。
フルスクラッチが適している会社やビジネスは、以下の通りです。
ECサイトなど独自システムが必要な場合
フルスクラッチはECサイトなど独自システムが必要なビジネスに向いています。
特に複雑なシステム連携が生じる際におすすめです。
大規模のECサイト制作では、膨大なシステムを複数連携する必要があります。
既存パッケージで処理が難しい場合は、フルスクラッチの方がコストがかからない可能性も。
開発に時間をかけられる場合
開発する時間に余裕があるビジネスの場合、フルスクラッチがおすすめです。
開発の規模により変わってきますが、フルスクラッチ開発には最低でも半年、長ければ1年を超える期間が必要になることも。
開発スケジュールに余裕があれば開発に専念することが可能です。
フルスクラッチは内製か外注か?
フルスクラッチは初心者には難しいため、外注を検討している人も多いでしょう。
外注、内製それぞれに以下のようなメリット、デメリットがあります。
外注の場合
外注する場合、開発した後に必要な保守対応でリスクが生じます。
基本的にシステムの保守は外部業者に継続依頼します。
そのため外部業者と取引の途中で関係が悪くなったり、対応に不満があったりした際に、保守対応に影響を及ぼす可能性も。
外注の場合は、依頼予定の業者の過去の実績や将来性といった部分まで考慮し慎重に選ぶようにしましょう。
一方内製であれば自社で保守対応やシステムトラブルへの対応ができるため、そのような心配はありません。
内製の場合
内製の場合、システム開発・デザインなどECサイトの開発に必要となる専門スキルを所有する人材が必要です。
十分な知識や経験を所有する人材がいない場合、望むようなECサイトが制作できず不具合が発生しやすい可能性があります。
すでに専門スキルを所有する人材が自社にいる場合は、開発した後の機能追加や修正などが柔軟に行えます。
しかし自社の担当人材のスキルが劣る場合、何かトラブルが発生した際に対応しきれない可能性もあるため注意しましょう。
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まとめ
フルスクラッチとはすでに存在しているものを使用せずに、何もないゼロの状態で、製造・開発に取り組むことです。
フルスクラッチには、自社ビジネスに適したシステムを構築できるメリットがあります。
その一方、フルスクラッチには専門スキルが必要なため初心者には対応が難しいでしょう。
フルスクラッチの利用を検討する人は、そのメリット・デメリットについて他の開発方法とも比較して正しく理解しておきましょう。