見やすいマニュアルの作り方 レイアウトや手順のデザイン、説明書のデザインの作り方も

組織に所属していると、業務マニュアルなど様々なマニュアルを作る機会があるでしょう。
しかしマニュアル作りに慣れていない場合、マニュアルデザインやレイアウトには苦労することも。
そこでこの記事では、わかりやすいマニュアルの作り方を解説。
レイアウトだけでなく手順デザインや説明書デザインのコツなども紹介するので、マニュアルデザインを極めたい人は必見です。

わかりやすいマニュアルの特徴とは

わかりやすいマニュアルには、マニュアル概要が把握しやすいなどいくつかの共通点があります。
マニュアルの作り方を知る前に、見やすいマニュアルとは何なのかその特徴をを理解しておきましょう。

マニュアル概要・構成が把握しやすい

わかりやすいマニュアルは、マニュアル概要や構成を把握しやすいように工夫されています。
例えば、わかりやすいマニュアルは、タグでマニュアル概要をひと目で理解できるように工夫されていることが多いです。
またマニュアル概要をまとめたページがマニュアルの冒頭か最後に設けられているのも、わかりやすいマニュアルの特徴。

視覚的に見やすい

画像や図表、挿絵・イラストが適度に差し込まれているのも、見やすいマニュアルの特徴。
PC業務のマニュアルでは、PCのキャプチャー画面が挿入されることも多いです。
また機械の手順デザインや説明書デザイン作成時には、操作画面の写真を盛り込む場合もあります。

アクセスしやすい

検索性を高いマニュアルは、使用者にとって使いやすいマニュアルといえます。
例えば、オンライン上で閲覧できるマニュアルの場合、目次から見出しに飛ぶ機能を付けてページ移動の時間を短縮する工夫がよく見受けられます。

マニュアル作成の前準備

マニュアルは準備なしに作成すると、失敗することがあります。
ここではマニュアルを作成する前準備として、3つのポイントを紹介します。

使用目的と対象を明確化する

まずは使用目的と対象を明確にすることが大切です。
例えば、社内プリンターの利用方法を知らせるために操作マニュアルを作るなら、対象はプリンターを使う全社員ということになります。
使用する語彙や説明を決める際にも、マニュアルの利用対象者層を想定することは重要となります。

情報を集める

作業内容が具体的に把握できていなければ、わかりやすいマニュアルを作ることはできません。
そこでマニュアルにどのような情報を盛り込むべきか知るため、情報収集を行います。
例えば、業務マニュアルを作成する場合、上司や同僚から盛り込むべき情報を収集すると良いでしょう。

使うツールを決める

マニュアル作成では文章だけでなく画像、階層構造など様々な機能を使用するため、ツール選びが重要になります。
マニュアル作りによく使われるのは、ワードやエクセル、パワーポイント。
その他にも、Teachme Bizなどのマニュアル作成の専用ツールの使用するのも選択肢の1つです。

マニュアルデザイン・レイアウトのNG例

マニュアル作成では画像に頼りすぎたり情報を過度に伝えたりすると、逆にわかりづらくなることがあります。
ここでは、このようなマニュアルデザインのNG例を3つ紹介しましょう。

画像が貼られているだけ

マニュアルに画像が貼られているだけでは、見た人に作業の具体的なイメージが伝わりません。
また、画像だけでは重要な部分や注意事項がわかりにくいでしょう。
画像はあくまでも言葉の説明を補足する道具と考えて、マニュアルには説明文を盛り込みましょう。

画質が荒くて、画像が見えない

画質が悪くて画像が見えないというのは、典型的なマニュアルデザインのNG例です。
このような失敗は、ページのサイズに合っていない画像を無理やり引き伸ばした場合によく見られます。
他にも、手ブレのあるスマホで撮った画像などには注意しましょう。

文字を詰め込みすぎている

マニュアルに文字を詰め込みすぎてしまうと読みづらい印象になります。
マニュアルに盛り込むべき情報が膨大な場合は、章や見出しを適宜分ける、重要な情報のみを記載するなどの工夫が必要です。
また、できるだけ端的でわかりやすい表現を心掛けることで、余計な文章を減らすことができます。

【レイアウト編】 見やすいマニュアルの作り方

レイアウトはマニュアル全体の印象を左右する重要な要素です。
ここではレイアウトに着目して、わかりやすいマニュアルの作り方を紹介します。

目次とページ番号を入れる

マニュアルの作り方のポイント1つ目は、目次とページ番号を挿入してマニュアル概要を常に把握できる状態にすることです。
現在閲覧しているページが全体のどこにあるのか、目次を見ればすぐにわかるようレイアウトを工夫しましょう。

見出しを整理する

マニュアルの作り方の2つ目のポイントは、見出しを整理してわかりやすくすることです。
大見出し、小見出しとレイアウトに階層を付けて、見出しを整理してみましょう。
また、見出しには番号を振ったり太文字で強調したりすると、一層見やすいマニュアルデザインに仕上がります。

図と文字のレイアウトを決める

図と文字の配置にもこだわると、見やすいマニュアルに仕上がります。
シンプルで見やすいマニュアルを作りたいなら、左側に画像、右側に説明文を載せるのが基本。
またはマニュアルの中でも特に重要な情報や印象的な画像をページ冒頭に配置するのも、マニュアルの作り方のコツです。

説明書デザイン・手順デザインは時系列でまとめる

マニュアルデザインの中には、説明書デザイン・手順デザインのように工程や作業の順番が決まっているものもあります。
その場合、説明書デザイン・手順デザインは時系列でまとめることが原則です。
説明書デザイン・手順デザインを時系列順にしないと、情報が前後で行ったり来たりして読みにくくなります。

Zの法則を活用する

説明書デザイン・手順デザインを含む各種デザインの作成時、Zの法則を使うのも有効です。
人はコンテンツを閲覧する際にZの文字をなぞるように読む傾向があります。
その習性に沿って、レイアウトもZの左上から右上、左下から右下の順番に配置しようというのがZの法則の考え方です。

補足情報はページや段落の最後に配置する

マニュアルは情報の網羅性だけでなく、読みやすさや見やすさも重要です。
そのため、あくまでも追加情報や補完情報はページや段落の最後に配置するようにしましょう。
例えば、概念の定義や注意事項などは文中ではなく、補足や注釈としてページ下部にまとめておくのがおすすめです。

余白を作る

マニュアル内に図や文字が詰まっていると、内容の区切りがわからず見づらくなります。
そこで適度に余白を取り、見やすいようにすることが重要です。
また余白を作ることで、文章中から知りたい情報を見つけやすくするといった効果もあります。

チェックリストや箇条書きを取り入れる

マニュアルにはチェックリストや箇条書きを取り入れると、より読みやすくなります。
特に手順デザインや説明書デザインは情報量が多くなりがちですが、そこに箇条書きを組み合わせることで内容がまとまるでしょう。
また業務マニュアルでは、作業忘れがないかを確認するためのチェックリストを入れると便利です。

【テキスト編】 わかりやすいマニュアルの作り方

マニュアルデザインだけでなく文字や文にも工夫を凝らすことで、マニュアルは飛躍的に読みやすくなります。
ここではフォントサイズや色の選び方など、マニュアルの作り方の具体的なアイデアを紹介します。

見やすいフォントサイズと色を使う

マニュアル作成時は、見やすいフォントサイズや色を選ぶことが大切です。
フォントサイズは8~10ポイントを目安に、極端に小さなフォントは使わないようにしましょう。
また使う文字色は多くても3色におさめると、読みやすくなるといわれています。
強調したい部分には赤や黄など目立つ色を使うのがおすすめです。

一文一義にする

マニュアルにはついついたくさんの情報を詰め込んでしまいがちですが、一文一義を心掛けることが大切です。
一文一義とは、一文には情報を一つだけ入れるということです。
これにより、マニュアル全体がシンプルにまとまり読みやすくなります。

専門用語には注釈を入れる

マニュアルを読む人の知識量には、ばらつきがある場合も少なくありません。
その場合は専門用語に対して注釈を入れ、意味を調べなくても内容を理解できるようにしましょう。
特にIT・マーケティング関連では独特の専門用語が多く、読み手の共通認識にばらつきがある場合があるので注釈が不可欠です。

マニュアルは作成後の運用が重要

マニュアルは作って終わりではなく、使って不便な点や不明点などを改善していくことが重要です。
また情報の訂正や追加が必要な場合にも、その都度更新するようにしましょう。
マニュアルを更新した際は、作業者への共有も忘れてはなりません。
クラウド上での共有であればいちいち配布し直さなくて良いので、作成者にとって効率的です。

まとめ

今回は、わかりやすいマニュアルの特徴やマニュアルの作り方を紹介しました。
マニュアルはただ作れば良いのではなく、作業者が見やすい内容にすることが重要です。
タグを付けてマニュアル概要を把握したり、説明書デザイン・手順デザインは時系列を心掛けたりとマニュアルデザインに工夫を凝らしましょう。
また作成した後は、定期的な更新も忘れないようにしてください。