冷蔵倉庫の導入を検討している物流業界の人の中には、冷凍倉庫の費用や選び方などを詳しく知りたいという人も多いでしょう。
そこでこの記事では冷凍倉庫の種類や温度、保管料、さらに選定ポイントについて分かりやすく解説します。
冷凍倉庫の導入にはメリットとデメリット双方があるので、レンタルを検討している人はこの記事を判断材料の1つとして活用してください。
この記事を書いた人:受発注ライフ編集部
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冷凍倉庫とは
冷凍倉庫は、単なる冷凍庫ではありません。
ここでは冷凍倉庫の種類や温度、物流倉庫との違いを紹介します。
冷凍倉庫の種類
冷凍倉庫には、BTS型とマルチテナント型の2種類が存在します。
BTS型とは、商品の保管温度に合わせてオーダーメイドできる賃貸型の物流倉庫。
その一方でマルチテナント型は幅広い商品に対応できる物流倉庫で、テナント入れ替えにも柔軟に対応しています。
冷凍倉庫の温度帯
倉庫業法施行規則等運用方針による温度帯区分では、ー20度以下の倉庫を冷凍倉庫としています。
また物流業務における一般的な温度区分としては、ー18度以下の倉庫が冷凍倉庫に該当。
どちらの区分も一般的に使われるので、物流業界の人は覚えておきましょう。
C2級 -2°C以下〜-10°C未満
C1級 -10°C以下〜-20°C未満
F1級 -20°C以下〜-30°C未満
F2級 -30°C以下〜-40°C未満
F3級 -40°C以下〜-50°C未満
F4級 -50°C以下
冷凍倉庫と物流倉庫の違い
一般的な物流倉庫と冷凍倉庫の違いは、冷凍機能があるかないかです。
物流倉庫とは、商品の保管だけでなく入庫から出荷に至るまでの物流機能を備えた倉庫のこと。
冷凍倉庫も物流倉庫の1種で、単なる冷凍庫ではありません。
物流業界に携わる人であれば、この違いを十分に理解しておきましょう。
冷凍倉庫レンタルにかかる保管料の相場
冷凍倉庫レンタルにかかる保管料の相場は、利用する倉庫会社や地域によって大きく変わってきます。
東京近郊であれば1坪当たり4,000円〜7,000円、それ以外の地域では2,700円~4,500円ほどが相場の目安です。
また冷凍庫の保管料には固定費以外にも、光熱費や送料などの変動費が含まれます。
以下では保管料の内訳について細かく解説しているので、参考にしてください。
【固定費】 冷凍倉庫の保管料の内訳
冷凍倉庫の保管料のうち固定費には、システム利用料、業務管理料、倉庫保管料があります。
それぞれについて細かく解説していきます。
システム利用料
冷凍庫を含む物流倉庫は商品の個数や種類をはじめ、出荷予定日、入荷日時などの情報をシステム上で管理しています。
システム利用料とは、これらのシステムを利用する上でかかる料金のことです。
システム量は契約する際に基本料として計上されるケースが多く、2万円~5万円が価格の相場です。
業務管理料
業務管理料とは倉庫における商品管理全般に発生する手数料で、上記のシステム利用料と別で請求されるケースが多いです。
価格帯は1万円~5万円前後が一般的。
基本的に毎月の出荷件数により決められ、業者によっては利用料に応じてお得な割引のサービスがあります。
倉庫保管料
倉庫保管料とは倉庫の中で商品を保管するスペースの利用にかかる料金です。
1ラックや1パレット、1坪のように貸出しできる単位は利用する物流会社により変わるものの、どのパターンでも3,000~7,000円前後が相場。
首都圏と比べて土地代が安い地方ほど、倉庫保管料は安い傾向があります。
【変動費】 冷凍倉庫の保管料の内訳
冷凍倉庫の保管料のうち変動費には、入庫料やデバンニング料、検品料、出荷料などがあります。
それぞれの相場を確認していきましょう。
入庫料・デバンニング料
入庫料は商品の入庫や仕分けで発生する費用のこと。
入庫料の相場は1個につき10円~30円前後ですが、商品により大きく異なります。
デバンニング料は、コンテナからフォークリフトを使用して荷物を降ろす作業にかかる料金。
相場は約2万円~3万5千円です。
検品料
入庫商品の個数や破損の有無など、商品の検品作業で発生する料金です。
数量の確認をするだけであれば、商品1個につき10円~30円程度が相場です。
電化製品など検品する項目が多い商品の場合、より高額の料金がかかる場合があります。
出荷料 (ピッキング料)
商品を出荷するにあたり、倉庫から保管していた商品を取り出す作業に発生する料金です。
価格は1個につき約10円~30円が相場。
商品と一緒に挨拶状やチラシなどを同封する際、その費用は出荷料に加算されることが多いです。
梱包料
出庫した商品を配送可能な状態にするためにかかる費用で、相場は1個につき150円〜300円ほど。
梱包料には、送り状は納品書の発行に関する費用も含まれます。
物流業者次第では、追加料金でのしやギフトラッピングといった対応をしてくれることも。
配送料
梱包が済んだ商品を指定した方法で送る際に発生する費用です。
1個当たり400円〜1,000円が相場で、配送料は送る商品の重さや大きさ送る場所によって決まります。
大手配送業者と物流業者が個別で契約を結んでいることも多くあり、配送業者によっても料金が変わります。
冷凍倉庫をレンタルするメリット
物流業界の人が冷凍倉庫のレンタルするにあたっては、さまざまなメリットがあります。
納得できる選択をするためにも、冷凍庫をレンタルするメリットを理解しておくことが大切です。
品質を長期間維持できる
常温では鮮度を保つことが難しい食品を保管したい際に、冷凍庫は最適です。
万が一商品がキャンセルや発送不可となった際でも、冷凍倉庫で管理していれば廃棄することなく保管が可能。
常温倉庫の場合は廃棄するしかなくなってしまう食品でも冷凍保存では再保管が可能なため、食品ロス防止にも繋がります。
自社倉庫よりも初期費用が掛からない
自社で倉庫を所有するよりもレンタルした方が、初期投資をかけずに済みます。
倉庫を自社で作るためには倉庫の建築だけでなく土地の購入も必要となるため、数千万以上の費用が必要になることも。
しかし冷凍倉庫をレンタルする場合は、数万円から手軽に契約できます。
物流倉庫の機能付きを選べば、業務の効率化に
物流機能を持っている冷凍庫をレンタルする場合、商品の入出庫やなどの物流業務も委託できるため業務効率化に繋がります。
自社倉庫を持つ場合は人材育成や人件費の負担も自社で行う必要があります。
しかし冷凍倉庫をレンタルすれば、それらのコストも省くことができます。
冷凍倉庫をレンタルする際の注意点
冷凍倉庫をレンタルする際は、倉庫の冷凍温度が自社の商品に対応できる温度かどうかあらかじめ確認するようにしましょう。
また倉庫の場所が配送先から遠すぎると配送料がかさんでしまうので、その点も留意しておくことが重要です。
さらに長期間レンタルしようと考えた場合には、自社で倉庫を持つよりも冷凍倉庫を借りるほうが割高になってしまう可能性があります。
自社倉庫の保有と冷凍倉庫のレンタルではどちらのほうがコストが抑えられるか、長期的な視点で見積もりを立てておきましょう。
冷凍倉庫のレンタルを選ぶポイント
物流業界の方が冷凍倉庫のレンタルを選ぶ際は、いくつかのポイントを抑えておく必要があります。
このポイントを理解しているかどうかで、レンタル後の経営状態も変わってくるはずです。
費用対効果はあるか
冷凍倉庫は温度や湿度管理の必要であるため、一般的な倉庫を運用するよりもコストがかかります。
状況によっては自社倉庫を運用した方が割安になることもあるので、冷凍倉庫の導入に費用対効果はあるのかあらかじめ測定しておきましょう。
立地の良さ
冷凍倉庫を借りる際は、コストだけでなく立地が良さも考慮する必要もあります。
例えば自社商品において出荷先の多くが都市部に集中している場合、都市部より地方の倉庫を利用するほうが委託料金は安く済むでしょう。
その代わりに、運送料はかさんでしまう可能性があるので注意が必要です。
トラブル時のサポート体制があるか
トラブルが発生した際の、サポート体制が整っているかも重要なポイントです。
特に物流業務も一緒に委託する場合、出荷トラブルが生じる可能性があります。
そんな時、平日、土日問わず対応してくれる会社を選ぶといざという時に安心でしょう。
まとめ
冷凍倉庫とは、商品の保管に限らず梱包や荷役といった物流機能を備えた倉庫。
冷凍庫をレンタルする際には固定費と変動費の2種類の費用が発生するため、それぞれの費用を十分理解しておくことが大切です。
今回解説した冷凍倉庫の選定ポイントを意識することでより納得できる選択ができるはずなので、物流業界の人はぜひ参考にしてください。