按分計算とは? 按分率の意味や計算方法をわかりやすく解説

会計処理や確定申告で用いられる「按分」ですが、按分の意味とは何か詳しく知らない人も多いでしょう。
記事では按分の意味や、「折半」との違い、計算のやり方などを簡単にわかりやすく解説。
計算をしやすいエクセルなどのツールも紹介します。
「按分」を使うシチュエーションごとに分けて、按分率や按分計算方法を例に挙げているのでぜひチェックしてください。


この記事を書いた人:受発注ライフ編集部

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按分(あんぶん)とは? 「折半」との違いは

「按分」(あんぶん)の意味とは何でしょうか。
混同しがちな「折半」「配分」との意味の違いも含めて、わかりやすく解説します。

按分の意味をわかりやすく解説

「按分」(あんぶん)とは、わかりやすくいえば基準値をもとに金銭や物品を割り振ること。
個人事業主の人が確定申告を行う際や企業の会計でよく用いられる用語です。
条件によって基準値の比率が変わり、この構成比率を「按分率」といいます。

簡単な按分計算方法:
4人で100円均一の皿を合計20皿食べて、食事の代金を2,000円とします。
「按分」する場合、4人がそれぞれ食べた皿の枚数に応じて、支払いを割り振ります。

Aさん 4皿 2,000円×(4/20)=400円
Bさん 5皿 2,000円×(5/20)=500円
Cさん 4皿 2,000円×(4/20)=400円
Dさん 7皿 2,000円×(7/20)=700円

「折半」との違いは

「折半(せっぱん)」とは、金銭などを半分ずつに分けることを意味します。
2人で食事をした際に、食事代を折半したことがある人もいるでしょう。
折半は半分ずつに分けることを意味するため、複数人で分ける時には使いません。

「配分」との違いは

「配分(はいぶん)」とは、割り当てて配るという意味。
「公平に配分する」といった場合は、全員に均等に配ることをいいます。
一般的には、物品を分ける際に「配分」を使い、金銭に対しては「分配」を使うことが多いです。

按分の計算方法とは? 按分率を求めよう

按分計算のベースには、「費用収益対応の原則」という考え方があります。
これは、費用と収益は発生原因に応じて分け、損益計算書に対応表示する必要があるというもの。

按分の計算方法については、まず「割合」または「期間」を基準にし、「按分額=費用(利益)×按分割合」と計算されます。
割合を基準にするやり方の場合は「総額×使った割合=按分額」。
「使った割合」とは、モノを1日単位や1ヶ月単位で使用した割合を出したものです。

また、期間を基準とする場合の計算式は「総額×経過した期間=期間按分額」となります。
例えば、保険を2年分、3万円払ったケースでは、1年目に3万円を全額経費にのせると費用収益対応の原則に沿っていないことに。
よって1年目にかかった費用を按分計算し、計算方法は30,000×12ヶ月/24ヶ月=15,000円となります。

按分とはどんな時に使う? 簡単に解説

「按分」とは一部の人には聞きなれない言葉かもしれませんが、どのような場面で使うのでしょうか。
わかりやすく簡単に解説します。

組織における事業経費の費用按分

会社組織が複数の支店を持っている場合は、事業経費を振り分ける必要があります。
振り分けの割合を考える際は、均等に配分するのではなく、支店の規模や売上、成長性などの要素を考慮して、按分比率を決めるやり方も。

個人事業主の家事按分

自分の家で仕事をするフリーランスや個人事業主の場合、生活費と事業費を分ける「家事按分計算」を行って確定申告ができます。
このやり方により光熱費や家賃を按分計算し、経費として計上することが可能です。
例えば、家の面積の3割ほどを仕事場にしているなら、家賃のうち3割を事業費として計上できると考えられます。

按分計算のやり方の例

按分計算の計算方法について例を取り上げながら簡単にわかりやすく解説します。
按分率の求め方や考え方を理解しましょう。

減価償却費を期間按分

減価償却費とは、固定資産を購入した際、その資産の耐用年数に応じて取得価額を期間按分した費用のことです。
基本的に、取得価額が10万円以上、使用可能期間が1年以上の場合は減価償却資産とみなされます。
例えば15万円のキャビネットを購入した場合。
金属製のキャビネットの耐用年数は15年なので、経費計上の際は、以下のように期間按分しなくてはなりません。
150,000円×(1年/15年)=1万円
よって1万円を1年ごとに経費として計上する必要があります。

地代家賃の按分計算例

地代家賃の按分計算の場合は、仕事場として使用する面積か時間の割合で按分するのが一般的。
自宅全体のどれくらいのスペースを仕事に使っているかを考慮して按分率を算出します。
例として床面積で按分するやり方を紹介します。
80平方メートルの自宅のうち40平方メートルを自営業の事務所に使っているなら、按分率は50%。
月々の家賃が16万円ならその50%の8万円を事業用の地代家賃として計上できます。

16万円×(40m2/80m2)=8万円となります。

サブスクリプションの按分計算例

サブスクリプションといえば音楽や映像のストリーミングサービスを思い起こしますが、ビジネスで使うシステムやライセンス費用もサブスクリプション型が増えています。
1ヶ月ごとの契約から複数年で契約するケースなど料金プランはさまざまです。
確定申告などで月々の按分額を算出する場合は、期間按分計算で求めます。
例えば、3年間のサブスクリプションサービスを36,000円で契約している場合、按分率は1ヶ月/36ヶ月(約2.8%)。
按分額の計算方法は36,000円×1ヶ月/36ヶ月=1,000円です。

按分計算を効率化する方法とは?

按分計算をより簡単に計算するやり方はあるのでしょうか。
エクセルなど、手早く按分率を求めて按分計算できるツールを紹介します。

エクセルを使用する

広く使われているOfficeソフトのエクセルを使えば簡単に按分計算ができます。
事前に科目ごとに按分率を求める関数を入力しておけば、按分率をすぐ算出することが可能です。
しかしエクセルは複数人で同時編集することは難しく、誰かが間違えて関数を消してしまう恐れもあります。

販売管理システムや会計システムを導入する

販売管理システムや会計システムなどのツールを導入すれば、エクセルよりも効率よく按分計算ができます。
クラウド型のシステムなら、複数人で同時に編集することも簡単にできます。
ただしシステムを導入する際は、既存システムと連携できるかやコストをよく検討する必要があります。

まとめ

記事では、確定申告や企業の会計で使う「按分」とは何かや「折半」との違い、具体的な計算方法のやり方をわかりやすく解説しました。
按分計算をするには、割合や期間をもとに基準となる按分率を算出することが必要です。
家賃や減価償却費などを経費として計上する際は、適切な按分率を算出しましょう。
簡単に按分計算するには、エクセルのほか会計システムなどのツールも導入も検討してみてください。

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