なぜなぜ分析のやり方を解説 思い込みを避け、吊るし上げやパワハラにならないために

仕事のケアレスミスや事故を減らすのに有効なのが、なぜなぜ分析。
なぜなぜ分析とは、問題に対し「なぜ?」と原因分析をして解決法を見つけるフレームワークです。
今回は、そんななぜなぜ分析のやり方や進め方について解説していきます。
併せて注意点や意味ないと言われる理由についても説明するので参考にしてください。


この記事を書いた人:受発注ライフ編集部

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フレームワークとして有効な「なぜなぜ分析」

フレームワークとして、多くの企業で使われているなぜなぜ分析。
なぜなぜ分析には、トヨタ式、鵜沼式、小倉式と大きく分けて3つのやり方があります。
今回は、その中でも主流とされているトヨタ式のなぜなぜ分析について解説。
トヨタ式(真因追及説)は、起こった事故に対して「5回のなぜ」を繰り返して真因を見つけていく手法です。

なぜなぜ分析のやり方・進め方

ここからは、なぜなぜ分析のやり方と進め方について解説していきます。
これを参考にして、普段の業務のフレームワークに活用してください。

1.課題の具体化、定義化

まずは、課題の具体化と定義化を行っていきましょう。
ミスの内容やチームの課題について、具体的な数値を用いて定義するのがポイント。
「先月の売上が目標額に対して何割達成できていなかった」というようなやり方です。

2.「なぜ?」と問いかけ、原因分析をする

課題の具体化と定義化ができたら、その課題に対する原因分析をしていきます。
原因分析を行う際には、前項で設定した事象の要因をリストアップしていきましょう。
ここでの注意点は、要因が単なる要素の羅列になってしまっていないかということ。
事象と原因の関係がわかるように、論理的な要素分解を心がけましょう。

3.解決策を設定、実施と検証をする

課題に対する原因分析を行ったら、具体的に解決策を設定していきます。
前項で浮かび上がってきたいくつかの要因に対するアプローチを考えていきましょう。
自分の思い込みが入らないように、客観的な設定を心がけるのがポイントです。
解決策を実際に実施・検証をしていくことで、課題の再発防止につながります。

意味ない? なぜなぜ分析の注意点

なぜなぜ分析をフレームワークとして活用する際には、注意点があります。
ここからは、なぜなぜ分析の進め方や書き方のポイントについて解説。
思い込みやパワハラなど、思わぬ落とし穴にはまらないようにしましょう。

パワハラや吊し上げと捉えられやすい

なぜなぜ分析の注意点として、書き方によってはパワハラや吊し上げになりやすいことが挙げられます。
本人はそのつもりが無くても、思い込みによって原因が属人化しやすいのです。
フレームワークとして活用する際には、原因分析を慎重に行いましょう。
言うまでもなく、「~が悪い」などと断罪するやり方はもってのほかです。

個人的な思い込みとの境目が判断しづらい

前項の内容と少し重なりますが、なぜなぜ分析には、個人の思い込みが混ざりやすいです。
原因分析をする際には、1つずつ「これは思い込みではないか?」と立ち止まって考えましょう。
ここでしっかりと熟考することで、パワハラや吊し上げになることを防げます。

分析対象が曖昧になりやすい

なぜなぜ分析のフレームワークに必要なのが「具体性」と「論理性」です。
課題を抽象的で曖昧なまま設定してしまうと、原因分析や解決策も曖昧になってしまいます。
これが、なぜなぜ分析が「意味ない」と言われてしまう書き方。
分析対象を具体的にすることで、課題や解決策も、おのずとクリアになってくるはずです。

複数の要素を混同しやすい

調査対象となる事例を細かく紐解いていくのが、基本的ななぜなぜ分析のやり方です。
そのため、複数の要素を混同してしまうと、原因分析が上手く進まなくなってしまいます。
1つの課題に対する要因をひとまとめにせずに、解決策を考えていきましょう。
例題を作り、具体的なデータや事例について考えるとスムーズに進みます。

現場を想定できていないものになりやすい

なぜなぜ分析の進め方として注意したいのが「解決策が実行可能か」ということ。
せっかく原因分析や課題の設定を行っても、現場で実現できなければ意味ないと言われてしまいます。
チームの状況に合ったリソースの運用や予算設定を行って、説得力を高めていきましょう。

分析の筋が通っていないものになりやすい

なぜなぜ分析の書き方の注意点の一つは、論理性があるかということです。
原因から事象にスムーズに帰結しない場合、ただのブレインストーミングになってしまいます。
「この原因からこの結果が生まれた」という論理構造は崩さないようにしましょう。
一つひとつの要素を慎重に書き出し、条件設定や状況把握に抜け漏れがないようにするのがポイントです。

なぜなぜ分析の書き方事例・例題

ここからは、なぜなぜ分析の書き方の事例や例題について解説します。
チームでのフレームワーク設定の際に参考にしてみてください。

【事例・例題】顧客に誤った商品を発送してしまった。

【Why1】 注文内容をよく確認していなかった

【Why2 】注文内容の確認に関する項目がマニュアルになかった

【Why3】作成したマニュアルの内容を誰も確認していなかった

Why4】完成したマニュアルを誰に確認すればいいかわからない不透明な状態だった

Why5】これまで商品を発送していた担当者は1人だった

【解決策】各作業に2人以上付け、確認ができる体制に変更する。

なぜなぜ分析のチェックポイント

ここまで説明した、なぜなぜ分析の例題や事例を考える際のチェックポイントをまとめて解説。
まずは、対象となる事例や例題の具体性を再考します。
そして、個人的な思い込みや感情が入って、吊し上げやパワハラに繋がっていないかということも重要な注意点。
また、解決策が曖昧で意味ないまま、次の課題設定に進んでいないかどうかも要確認。
その上で、状況や意図が伝わるように、具体性をチェックします。
最後に、結論に対する解決策が実現可能かを確認して、なぜなぜ分析は完了です。

なぜなぜ分析に必要な「ロジカルシンキング」とは?

なぜなぜ分析の進め方として、「ロジカルシンキング」は効果的な手法のひとつです。
ロジカルシンキングとは、物事を結論と根拠に分ける思考法のこと。
「論理的思考法」とも呼ばれ、ビジネスシーンでは良く使われるフレームワークです。
このやり方を実践することで、論理的な因果関係をとらえて事象を理解できます。
思い込みが入りにくく、課題の原因分析や解決策の発案にとても効果的です。
なぜなぜ分析を行う時には、ぜひこのロジカルシンキングを用いてみてください。

まとめ

今回は、なぜなぜ分析のやり方や書き方、進め方や注意点について解説しました。
具体的な事例や例題を用いて原因分析を行うことで、効果的に活用することができます。
一方でやり方を間違えると、思い込みや吊し上げ、パワハラにつながりかねません。
「意味ない」と思われないように、論理的な課題設定と解決策の提示をすることが重要です。
ロジカルシンキングを活用して、いつもの業務になぜなぜ分析を取り入れていきましょう。

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