経費削減の必要性は分かっていても、良いアイデアが見つからない、ネタ切れしてしまったと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そんなビジネスマンに向けて、この記事ではおすすめの経費削減案のネタや悪いコストダウンの事例、書き方などを解説します。
経費削減案では総務、工場向けのネタを多く紹介しているので、業種に合うネタを見つけてください。
この記事を書いた人:受発注ライフ編集部
『受発注ライフ』は、2024年3月22日に誕生した、株式会社カンナートのWebメディアです。
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経費削減の必要性
経費削減は、企業の利益率を上げるために不可欠です。
無駄な支出を抑えればその分純利益が増えるため、会社の利益を間接的に増やすことができます。
また近年、社会的にSDGsへの取り組みが注目される中、ペーパーレス化、エネルギー効率の向上などの経費削減案は環境への配慮にもつながります。
従業員一人ひとりが節約意識を持ち経費削減に向けた工夫をすることが、企業の未来をより明るくすることができるでしょう。
経費の主な種類
経費の種類は、主に設備費用、エネルギー費用、人件費の3つに分かれます。
それぞれが具体的に含むコストを見ていきましょう。
設備費用
設備費用とは、企業活動に必要な機器やインフラなどの購入・維持にかかるコストを指します。
例えば工場やオフィスの賃料や維持費、機械やコンピュータなどのハードウェア、備品や消耗品の購入費などが設備費用の事例。
設備費用は企業の生産性向上に直結するコストですが、定期的な見直しにより最小限に抑えることができます。
エネルギー費用
エネルギー費用とは電気、ガス、水道代や、自動車のガソリン代、暖房機器の灯油代など、エネルギーに関わるコスト。
節電対策や設備の省エネ化、再生可能エネルギーの導入などの取り組みにより、削減することが可能です。
人件費
人件費は、企業経費の中で大半を占めることが多い項目です。
給与、ボーナス、社会保険料、福利厚生費などが含まれます。
適切な人材の確保と育成は企業の競争力を高めるために不可欠ですが、人件費の過剰な増加は財務負担を引き起こす可能性があります。
【全部門】 経費削減アイデア
総務、製造部門をはじめ全部門に共通する、経費削減案を紹介します。
個人で取り組めるネタも多いので、日々の業務に取り入れてみてください。
ペーパーレス化
ペーパーレス化は、コストダウンだけでなく環境配慮にもつながるアイデアです。
紙の使用を減らすことで、印刷費や紙代だけでなく、書類の保管費や廃棄費用なども削減することが可能。
さらにペーパーレス化の結果、紙のデータをデジタルに置き換えることで、文書の検索・共有が迅速かつ容易になり業務効率も向上します。
エネルギー効率の向上
エネルギー効率の向上は、会社で取り組むべき基本的な経費削減策です。
例えば、オフィスや工場の照明を従来の蛍光灯からLED照明に切り替えることで、省エネにつながります。
またエアコン使用時間の制限、電力会社の見直し、水道の蛇口に節水機器を取り付けるなども、エネルギー費用節約に効果的な事例です。
在宅勤務を取り入れる
在宅勤務を取り入れることにより、社員の交通費、オフィスの水道光熱費など多くの経費を節約できます。
将来的には、出勤する社員を減らすことができれば、オフィスの縮小も視野に入れられるでしょう。
また在宅勤務により社員は多様な働き方ができるようになるため、離職率の低下も見込めます。
非正規雇用、アウトソーシングなどの活用
非正規雇用やアウトソーシングの活用は、人件費のコストダウンに効果的です。
例えば繁忙期だけアウトソーシングを利用することで、常時の社員数を必要最低限に抑えることが可能です。
また非正規社員に任せる業務範囲を拡大することで、正社員はより優先度の高い業務に専念できるようになるでしょう。
【事務・総務】 経費削減アイデア
事務におすすめの経費削減案を紹介します。
総務、経理、庶務、営業事務など、各部門のコストダウンにつながるネタをまとめました。
備品購入経路の見直し
事務の中でも庶務や総務、備品担当者におすすめの、経費削減案です。
定期購入している備品を、より安い代替品に置き換えることで経費のコストダウンを図れます。
また通販サイトによっては一括購入により送料を抑えられる場合もあるので、購入頻度、数量なども見直すと良いでしょう。
中古備品の使用を促す
クリアファイルやバインダーなど再利用可能な備品は、繰り返し使うとコストダウンにつながります。
総務にできる取り組み事例としては、中古備品コーナーを作って社員に使用を促したり、裏紙ボックスを作ったりなどのアイデアがあります。
コピー機の見直し
コピー機を見直すことで、カウンター料金を安くできる場合があります。
コピー機をレンタル、リースすると、印刷枚数に応じてカウンター料金が発生するのが一般的です。
導入コストや月額料金を考慮しても、今使っているコピー機を使い続けるより、カウンター料金が安い機種に変更したほうがお得になるケースがあります。
白黒印刷や両面印刷を推進する
カラー印刷を減らし、白黒印刷や両面印刷を推進するアイデアです。
社内資料や個人的に使うプリントであれば、白黒や両面で十分な場合も多いでしょう。
社員一人ひとりが節約志向を持つことで、会社全体の印刷費を大幅に削減できます。
固定電話、スマホプランの見直し
固定電話やスマホプランの見直しも、事務にできる経費削減案です。
例えば、固定電話からIP電話に切り替えることで月額料金が安くなります。
スマホプランもデータ使用量や契約内容に応じて、より安いプランに変更を検討することで無駄なコストを削減できます。
社用車の廃止
総務や営業事務におすすめの、経費削減案です。
車を所有するためには、駐車場代や燃料費、自動車税など多くのコストがかかってしまいます。
車の利用頻度が低いなら、社内車は廃止してレンタカーの法人契約も検討してみてください。
レンタカーなら車の維持費がかからず、状況に合わせて車両選択も可能です。
請求書の電子化
請求書の電子化は、経理ができるコストダウンの事例です。
電子化により、紙の印刷費用、郵送、保管にかかるコストを一度に削減できます。
また電子化により確認・承認のプロセスが効率化すれば、業務の生産性も向上するでしょう。
法人カードの作成で振込手数料を抑える
法人カードとは、会社や法人に対して発行されるクレジットカードのこと。
法人カードを使うと、指定口座からまとめて自動引き落としできるため、振込手数料の削減につながります。
また出張費、接待費などの費用も法人カードで支払うことで、従業員の仮払い、立て替えの必要がなくなり、経理事務の手間が減ります。
経費精算システムの導入
経理事務の人件費削減につながる事例です。
経費精算システムを導入することで、経費の申請手続き、承認作業の双方が効率化します。
またシステムにより経費精算書や領収書、出金伝票を電子化できるため、ペーパーレス化にもつながります。
接待費の上限を設定する
接待費の上限を設定することで、無駄な支出を防ぐアイデアもおすすめ。
接待交際費には、取引先の人との会食費やお中元やお歳暮などの贈答品費用などが含まれます。
会社の財務が悪化しないよう、接待費は必要最低限に留めることが重要です。
飛行機出張でマイレージを活用する
飛行機搭乗の際に獲得したマイレージを次回の出張に利用することで、航空券のコストを抑えられます。
しかし出張の際には、従業員、個人名義のクレジットカードで航空券を手配する会社が多いでしょう。
その場合は経費精算の際、従業員からマイルの報告をしてもらうことで、会社が各社員のマイル数を把握することができます。
社員が最適な交通経路を使っているかチェック
交通費精算の際には、社員が最適な交通ルートを使っているか確認するのがおすすめです。
まれなケースですが、多く出張費や通勤手当をもらおうとして、遠回りの交通ルートを申請する社員もいます。
そういった不正には、経理事務が常日頃から目を光らせておきましょう。
Web会議の促進で、出張回数を削減する
Web会議を積極的に導入することで、出張に伴う交通費や宿泊費を削減できます。
社内会議であればわざわざ出勤しなくても、オンラインで事足りることも多いでしょう。
オンライン会議なら、書類の印刷代や会議スペースの費用なども削減できます。
【工場】 経費削減アイデア
ここでは、工場の経費削減ネタを紹介。
工場業務では、作業の機械化や省人化が経費削減に大きく寄与します。
生産管理システムの導入
生産管理システムとは、生産計画、在庫、品質管理など、生産に関わるあらゆる業務を一元管理するシステムです。
導入により、これまで紙やExcelで行っていた業務をシステムに置き換え、手作業の手間を減らすことができます。
また適正在庫の把握が容易となり、在庫管理の無駄や人件費の削減につながるのがメリット。
AI、ロボットの導入
AIやロボットによる工場業務の省人化により、人件費の削減が可能です。
産業ロボットを活用することで、在庫管理、仕分け、梱包などの作業が省人化できます。
また工場でのAI活用事例として、機械の故障を事前に予測する故障予測などが実用化されてきました。
廃棄物の処理コスト削減
工場の経費削減案として、廃棄物の処理コスト削減も検討してみましょう。
例えばリサイクルの推進や分別の徹底により、コストの削減と環境保護の両立が可能です。
また廃棄物処理業者にはそれぞれ得意分野があるため、廃棄物の種類ごとに業者を分けることで処理コストを抑えられる可能性があります。
好ましくないコストダウン策
安易なリストラは、会社が最も避けるべきコストダウン策です。
人件費のカットは確かに経費削減に効果的ですが、企業の生産性や競争力の低下を招くリスクが伴います。
業績不振の状況ではやむを得ませんが、リストラは会社の士気まで落としてしまうことも少なくありません。
また福利厚生の大幅カットや無理な残業時間削減要請など、社員の大半が嫌がるようなアイデアは離職率を高める結果になるので避けましょう。
経費削減案の書き方
経費削減案の書き方として、目的と削減方法、目標に分けて書くのがおすすめです。
まず目的では経費削減が必要な理由や、それにより自社にどのようなメリットがあるのかを記載します。
続いて、削減方法では具体的な削減手順、目標では経費削減によってどれだけの経費削減が見込めるのか定量的に明示しましょう。
社内で企画書のテンプレートがある場合、書き方はそれに沿ってください。
まとめ
今回は経費削減案のネタや書き方などを紹介しました。
経費削減は純利益を増加させるだけでなく、環境保全や生産性の向上につながることもあります。
ペーパーレス化や中古備品の使用など個人で取り組みやすいアイデアもたくさんあるので、できることからぜひ取り組んでみてください。
またシステムの導入など大規模な改革を検討する場合、企画書や提案書の書き方に沿ってプロジェクトの概要をまとめてみましょう。