通関手続中から届くまでの時間は? 手続き中が2~3回表示される理由も解説

通関手続きは、海外から荷物が到着した際に必須の工程です。
スムーズに通関手続きを終わらせたいところですが、手続きに何日もかかる場合や荷物追跡中に手続き中と2回以上表示されてしまうケースも。
この記事では通関業務を行う日本郵便管轄の国際交換局内の流れを紹介しながら、届くまで何日も長い時間がかかってしまう理由について解説します。


この記事を書いた人:受発注ライフ編集部

『受発注ライフ』は、2024年3月22日に誕生した、株式会社カンナートのWebメディアです。
株式会社カンナートは西新宿にある創業20年目のシステム開発会社です。
このメディアでは、受発注業務物流、通販にお困りごとのある方々に向けて、 業務改善のアイデア業界の新しい動向などを発信していきます。


通関手続き中とは?

通関手続き中とは、海外から送られた荷物が日本に到着し税関で検査を受けている段階のこと。
通関手続きを疎かにすると関税法違反みなされるため、発送主は必ず通関手続きを行わなければなりません。
また輸入した商品を追跡するとき通関手続き中と表示されていることがありますが、これは既に商品が日本に到着しているという意味です。

輸入通関手続きにかかる日数は何日?

通関手続き中とは、すでに荷物が日本に到着している状態です。
ここでは輸入通関の流れや、通関手続き中の商品が届くまでには何日ぐらいかかるのかを紹介します。

輸入通関の流れ

外国から送られた貨物はまず保税地域に運ばれ、その後に輸入者は税関に対して輸入申告を行います。
保税地域とは関税や消費税などの税金が留保され、一時的な保管が許可された場所です。
税関は輸入者から提出された書類を基に各種審査を行い、場合によっては貨物の現物検査が実施されます。
審査に合格し輸入者が税関に対して指定された関税額を納付すると、税関から「輸入許可証」を取得。
ここでようやく、輸入者は荷物を保税地域から搬出することが可能となります。

手続きにかかる日数

保税地域に荷物が止まる日数は、輸送手段によって変わります。
海上貨物の場合、入港から輸入許可が下りるまでの期間は1日から3日ほど。
一方で航空貨物では半日から1日ほど、保税地域に貨物が止まることが多いです。
海上貨物のほうが手続きに時間がかかる理由は、船からコンテナを積み下ろす作業に何日もの長い日数を要することが多いからです。
また土日を挟むと、届くまでの時間がさらに遅くなる場合があります。

輸出通関手続きにかかる日数は何日?

続いて、輸出通関の流れや輸出通関の手続きにかかる日数を説明します。
輸出通関にかかる日数は、輸送手段により違うのでその点にも注目しましょう。

輸出通関の流れ

輸出を行う場合、まず船舶会社へ連絡し貨物スペースを予約します。
続いて輸出者は保全地域に送りたい荷物を搬送。
その後、通関業者が輸出者に代行して輸出申告を行います。
税関から輸出許可が下りたら、輸出者は貨物受取書を受領。
そうしたら、所定の運賃を振込み、船荷証券を受け取れば輸出通関は完了します。
輸出通関では、輸入通関とは違い関税額は発生しない代わりに所定の運賃が必要です。
運賃は荷物が飛行機や船に積み込まれる前に支払わなくてはならないので注意しましょう。

手続きにかかる日数

輸出通関にかかる日数は航空貨物が1日〜2日なのに対し、海上貨物は3日〜5日ほどの日数が必要です。
海上貨物は荷物量が多く、世界各地の港でコンテナを降ろす順番や重さを計算しながら積み込むため、航空貨物よりも長い時間がかかります。
輸出にはカット日と呼ばれる期限が設定されていて、期限までに輸出許可をもらっておかなければ飛行機や船に貨物を積み込めなくなります。

通関手続き中の表示から届くまでが長い・止まる理由

追跡画面に通関手続き中と表示されてから、税関で長い期間止まる理由を解説。
繁忙期や日本郵便局が土日休みなど、様々な要因で荷物が何日も税関で止まる場合があります。

土日祝日など休みを挟んでいるから

海外から運ばれた荷物は、日本郵便管轄の国際交換局で通関手続きが行われます。
全国に6か所ある日本郵便の国際交換局は、基本的に平日のみの営業で土日祝日は休みです。
一部荷物を除き土日祝日の通関業務は行われないため、この期間を挟むと届くまで長い日数がかかります。

クリスマスなど繁忙期と重なっているから

年末年始やクリスマスのような繁忙期は、通関業務もかなり忙しくなる時期です。
シーズン中は貨物量も急増し、人手不足と相まって手続きの遅れが生じやすくなります。
通常よりも荷物が届くまでに何日も長い時間がかかることもあるため、通関手続き中の表示が2回以上ある場合は交換局へ問い合わせしてみましょう。

海外から荷物を個人で輸入しているから

個人輸入の場合、法人向け貨物と比べて通関手続きに長い時間がかかることが多いです。
個人輸入では禁止された商品を含むケースが多いため、法人輸入と比べてチェックは厳しくなり審査に時間がかることが長くなる理由。

川崎東郵便局に荷物があるから

川崎東郵便局は、船便で輸入された荷物を扱う日本郵便管轄の交換局。
船便では膨大な荷物量が届くため、その分だけ通関手続きにも長い時間がかかるのです。
また川崎東郵便局は土日は営業していないため、その期間を挟むと通関手続きを長くかかります。

通関手続きに時間がかかる区分だから

NACCSを利用して輸出入手続きを行った貨物は「簡易審査の区分1」「書類審査の区分2」「現物検査の区分3」に分けられます。
区分1に該当していれば迅速に処理されますが、区分2や区分3の場合はより多くの手続きが必要になるため時間もかかります。

通関手続き中が2~3回表示されたら?

荷物の追跡時に「通関手続き中」の表示が2回以上表示されている場合、荷物がなんらかの理由で再検査されている可能性があります。
ここでは手続き中が2回以上表示される主な理由を解説します。

インボイスなど必要書類に不備がある

インボイスや他の必要書類に誤りがあると、税関での手続きが滞り通関手続き中が2回以上表示されることも。
例えばインボイスに商品の数量や価格が正確に記載されていない場合は、書類の訂正や追加情報の入力が必要です。
これにより、通関手続きは一時的に停止しステータスが2回以上「通関手続き中」と表示されてしまいます。

偽ブランド品などの疑い

偽ブランド品やコピー商品は関税法に基づき輸入が禁止されています。
以前は個人利用目的であれば輸入は許可されていましたが、2022年の関税法改正により個人利用でも不可になりました。
例えば海外ECサイトで購入した商品が通関でコピー品だと疑われた場合、確認作業のため手続き中が2回以上表示さている可能性があります。

課税価格を税関が計算している

海外のECサイトで個人利用目的で商品を購入した場合、課税対象合計が20万円以下の場合は簡易税率が適用されます。
簡易税率に関しては一般の関税率とは別の計算が必要なため、税関が計算を完了するまで通関手続き中の2回以上表示がされることも。

通関手続きを早く終わらせるコツ

通関手続きを早く終わらせるには、通関代行会社への依頼を検討してください。
依頼コストはかかりますが、煩雑な書類作成や税関手続きを一任できるため大幅に時間短縮できます。
またクラウド型の貿易販売管理システムでは通関手続きに必要な書類テンプレートも用意されているため、こちらを利用することも一つの方法です。
ただし、テンプレートの入力には通関手続きの知識がある程度必要になります。

まとめ

通関手続きにどれぐらいの日数が必要なのや、「通関手続き中」が追跡画面に2回以上表示される理由を、ケース別に解説しました。
輸入される荷物の種類や輸送手段、税関の混雑状況など、様々な原因により届くまでの日数は変わります。
また土日・繁忙期など日本郵便の国際交換局の営業状況によっては、長い期間手続きが必要になるケースもあるため念頭に入れておきましょう。

輸送中とは? 輸送中から到着までのフローや、来ない時にいつ到着するかについて解説

運送会社を利用する時、1番気がかりなのが「荷物がいつ到着するか」ということ。そんな時、配送状況を確認しても「輸送中」からずっとステータスが変わらないと無事配達されるか心配になりますよね。そこで今回は、輸送中とは何かといったことや、佐川急便の…...

配達中とは? 21時過ぎても来ない場合や本日到着予定はどれくらいで来るのかについ…

本日到着予定の荷物が21時過ぎても来ないと、何時まで待てば良いか悩むことも。そんな時追跡システムを見ると、配達中や持ち出し中と表示されていることがあります。そこで今回この記事では配達中や持ち出し中の意味や、21時過ぎても荷物が来ない時の対処…...