安全衛生委員会のネタ・テーマ20選 工場で使える例や安全活動を紹介

安全衛生委員会、ネタ、テーマ

毎月の開催が義務付けられている安全衛生委員会。
担当者の中には、どのようなネタを取り上げるか、面白いネタはないかなど悩んでいる人も多いでしょう。

記事では安全衛生委員会で話し合うことのポイントや面白いテーマを見つけるコツ、6月や9月などの月別のネタ例などを紹介。
併せて、工場作業のある企業で取り上げたい安全活動の例もピックアップしました。
ぜひ参考にしてください。

安全衛生委員会で話し合うべきこと

労働安全衛生法に基づき、ある一定の規模の事業場では安全衛生委員会を設置することが義務付けられています。
そのような事業者では、安全衛生委員会は月1回以上開催しなければなりません。
安全衛生委員会の目的は、主に労働災害の防止や労働者の健康維持、増進です。
例えば職場での感染症対策、工場業務での事故防止、社用車の安全運転などが委員会のテーマとして挙げられます。

・労働者の健康被害を防止するための対策

・労働者の健康の保持増進を図るための対策

・労働災害の原因及び再発防止対策で、衛生に関することなど


安全衛生委員会で面白いネタを見つけるコツ

労働安全衛生委員会で話し合う面白いネタを見つけるにはどうすればよいでしょうか。
ここからはマンネリ化を防ぐ対策を紹介します。

全社からネタを募集する

委員会内だけでネタを考えていると、新しいアイデアを取り込みづらくなります。
そこで、安全衛生委員会に属さない社員からも議題のネタを募集してみましょう。
自分たちだけでは思いつかなかった新しい視点のネタがあるかもしれません。

ネタの選定を当番制にする

テーマを選ぶ人が毎回同じだと、テーマが偏りやすくなりがちです。
当番制でメンバー全員がネタを選ぶようになると、ネタのマンネリ化を防ぐことができます。
それぞれがネタを考えることで、自分ごととして会議に関わることができるようになるはずです。

時事ネタから探す

世間で話題になっているニュースから面白いネタを探す方法もあります。
例えば、新型コロナウイルスや働き方改革、SDGsなどが時事ネタとしておすすめです。
最近よく聞くニュースに関する議題だと、従業員も関心を持ちやすいでしょう。

業界・自社ネタを探す

自社が属している業界のネタも興味を持たれやすいです。
例えば飲食業界なら食中毒問題、教育業界なら新規採用教員へのメンタルヘルスケアについてなど。
また健康診断結果の分析、テレワークによる健康問題など自社関連のネタも面白いでしょう。
分析することで自社の労働環境の課題が見つかる可能性があります。

【月別】安全衛生委員会のテーマ例12選

person using laptop on white wooden table

安全衛生委員会のテーマ選びでは、年間スケジュールを立てるとテーマの重複を防げます。
以下では月ごとにおすすめのテーマ例をまとめました。

【1月】ワークライフバランス

現代では、仕事も家庭もバランスよく両立させるワーク・ライフ・バランスが重要視されています。
育児介護での離職や長時間労働による健康問題を防ぐには、企業が率先してワーク・ライフ・バランスを整備するべきです。
自社の残業時間の推移や取り組み事例について話し合ってみましょう。

【2月】心の健康

労働者のメンタルヘルス問題は、企業の重要な課題です。
また冬になると、気持ちが落ち込んでやる気がでなくなる冬季うつ病が起こりやすくなります。
労働安全衛生委員会では、個人や企業が行えるメンタルヘルス対策を議論しましょう。


【3月】花粉症対策、労働災害

日本では春頃から花粉症に悩まされる人が多くなります。
花粉症により鼻水や目のかゆみ、発熱などが生じると、業務効率に影響しミスが発生しやすくなる恐れも。
個人および企業でできる花粉症対策を話し合ってみてください。
産業医に相談するのもよいでしょう。

【4月】安全衛生教育

新入社員が入社してくる4月。
労働災害を防止するために、新入社員に安全衛生教育を行うことがあります。
会社によっては、ケータイを歩きながら使わないようにと指導することも。
企業や工場での安全活動の取り組みについて話し合いましょう。

【5月】五月病について

ゴールデンウィーク明け頃から生じる、何となく体調が優れない、会社に行きたくない、だるいといった状態を五月病と呼びます。
毎年4月頃は環境が大きく変わる時期。
その変化によるストレスが関係しているといわれます。
個人や企業で行えるストレス対策について議論しましょう。

【6月】梅雨対策

6月頃から始まる、梅雨。
高温多湿の梅雨の時期は、食中毒が起こりやすくなります。
また雨で濡れた床で滑ったり、視界が悪く車の運転で事故を起こしたりするリスクも。
梅雨に向けて、身の回りで気を付けられる対策を話し合うとよいでしょう。

【7月】熱中症対策

暑くなってくると熱中症のリスクが高まります。
特に屋外での仕事が多い場合や、高温多湿の環境で業務を行う場合は熱中症対策が必須。
空調の効いた室内で仕事をする人も寒暖差などに注意が必要です。
通勤中や普段の生活のなかで気を付けることを議論しましょう。

【8月】健康診断の結果について

従業員が能力を発揮するには心身の健康が重要です。
健康診断の結果から、生活習慣病の発見や病気の早期治療につなげられます。
ネタの例としては、再検査が必要となった従業員への対応や、胃カメラなどのオプション検査の必要性を確認しましょう。

【9月】防災、交通安全

日本では9月前後に増加する台風や地震による被害が身近です。
災害によっては企業や工場の活動がストップしたり、従業員が被災したりする恐れもあります。
災害時の企業の対応、個人が日頃から行える安全活動を考えましょう。
また9月頃になると急に日が短くなるため、夕暮れ時や夜間の交通事故に気を付ける必要があります。

【10月】体力づくり

体力は健康的に生活するために重要です。
毎日デスクワークをしている会社員の場合は、運動不足による体力低下が懸念されます。
また体力不足によって正しい姿勢を維持しづらくなったり、怪我をしやすくなったりすることも。
体力をつけるためにどのような心掛けができるか話し合ってみましょう。

【11月】アルコールとの付き合い方

忘年会や送迎会のシーズンが近づくとアルコールを飲む機会が増えます。
飲みすぎると翌日の業務に支障が出る以外に、転倒による怪我、急性アルコール中毒などの危険性も。
11月頃から従業員に注意喚起をするのがおすすめです。
適切にアルコールと付き合うための安全活動を議論しましょう。

【12月】長時間労働の防止策

長時間労働が続くと、従業員の心身の健康に影響を与える恐れがあります。
職場の活性化や生産性向上のためにも長時間労働の見直しが必要です。
職務の分担や不必要な業務の廃止など、企業が行える防止策を考えましょう。

【ユニーク】安全活動のテーマ例5選

man standing in front of people sitting beside table with laptop computers

安全衛生委員会でのネタの重複に悩んでいる人向けに、ユニークで面白いテーマを紹介します。
最近の時事を取り入れているので、従業員からも面白いと思われるはずです。

新型うつへの対策

非定型うつ病とも呼ばれる新型うつ。
特に若い人に増えている症状です。
仕事の時だけうつになるが、休職中の趣味の活動は楽しめるなどの特徴があります。
本人にあった業務を検討するなど、従来のうつ病の人とは異なる対応を検討してみましょう。

LGBTQの社員の受け入れ方について

LGBTQに配慮し、多様性のある職場環境を目指す動きが進んでいます。
具体策としては、LGBTQのためのトイレを設けたり、差別やセクハラを禁止する規定を作ったりする事例も。
LGBTQに対する会社の取り組みや個人が注意するべきことを話し合いましょう。

シエスタ制度の検討

シエスタとは、午後に休憩時間を長めに取り、昼寝などをしてゆっくり休憩する慣習を取り入れた制度。
スペインなど一部の国で行われています。
シエスタによって午後の業務の生産性向上、ストレス解消の効果が期待できます。
シエスタを導入している企業を調べ、シエスタのメリット・デメリットを議論してみましょう。

寒暖差疲労の防止策

気温差が大きいと起こりやすい寒暖差疲労。
体温を調節する自律神経の働きが乱れ、肩こりや頭痛、倦怠感などさまざまな不調が出ます。
夏場は、冷房の温度設定を低くしすぎないようにして服装で温度調節したり、食生活を見直したりすることが大事です。

仕事のモチベーションを保つには

健康的に活き活きと仕事をするには、仕事へのモチベーションが大切です。
モチベーションが低下していると、作業ミスやメンタルヘルスへの影響、離職などにつながることも。
従業員のモチベーションを維持・向上させるために、企業ができる対策を考えましょう。

【工場ネタ】安全活動のテーマ例3選

ここからは、工場の安全活動のネタとして使える例を紹介します。
従業員の安全意識を高められるテーマを考えましょう。

労働災害の防止策

令和4年の製造業の死亡災害は140人、休業4日以上の死傷災害は26694人でした。
製造業の工場ではさまざまな労災のリスクがあります。
5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を喚起したり、ヒヤリハット活動で安全活動に力を入れたりしましょう。

保護具着用管理責任者・化学物質管理者の選任について

法改正などによる企業の対応も議論しましょう。
例えば2022年の法改正により、化学物質の管理は法令遵守から自律的管理に移行。
リスクアセスメント対象物を扱う事業者は化学物質管理者選任が義務化されています。
さらにリスクアセスメント結果に基づいて保護具を使う場合、保護具着用管理責任者が必要です。

腰痛予防

工場や倉庫の現場作業では、腰痛や背中の痛みが起こりやすいです。
健康問題によって、離職やモチベーションの低下などにもつながります。
腰への負担が少ない作業姿勢や、機械の導入によって工場での作業負荷を軽減できないかなどを議論しましょう。

まとめ

記事では安全衛生委員会で議論するネタやテーマの例、マンネリ化しない面白いテーマを見つけるコツを紹介しました。
年度初めに年間スケジュールを立てるのがおすすめで、6月や11月など季節ごとの安全活動ネタを取り上げると従業員への注意喚起にもなります。
記事を参考に、企業の問題解決や従業員の健康につながる安全衛生委員会を目指してください。

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