ネステナーとは? 逆ネステナーと正ネステナーの違いやネステナーラックも解説

high level rack, warehouse, range

ネステナーは物流倉庫で使われることが多いですが、ネステナーとは一体どのようなものなのか知らない人も多いでしょう。
そこでこの記事では、ネステナーの役割や種類、導入のメリット・デメリットなどを詳しく解説します。
さらにネステナーの選び方についても紹介するので、ネステナーのレンタルや購入を検討している人はぜひ参考にしてください。

ネステナーとは

ネステナーはものを載せて置いておく棚のことで、ネスラックとも言われます。
パレットやフォークリフトと併せて使用されることが多く、2段~4段積むことが可能です。
ネステナーの大きな特徴には、空間を立体的に活用して荷物を高く積むことで倉庫の収納力を最大限に高められる点があります。
また自由に移動できる、コンパクトに収納できるなどの利点があります。

ネステナーの種類

yellow and white plastic box lot

ここでは4種類のネステナーを紹介します。
それぞれのネステナーに特徴や利点があるので、比較してみましょう。

逆ネステナー

逆ネステナーとは荷台が上に付いているネステナーで、1台で2段分の荷物が積めるのが特徴です。
また次に紹介する正ネステナーと比べて複数段積んだ時に高くならないため、逆ネステナーは天井の低い倉庫に向いています。

正ネステナー

正ネステナーとは、荷台が下にあるネステナーです。
正ネステナーは荷物を載せたままフォークリフトで移動させることができるのが特徴。
荷物を頻繁に移動させる必要がある倉庫では、正ネステナーを選ぶとよいでしょう。

ステージ付き正ネステナー

ステージ付き正ネステナーとは、正ネステナーの一種で、下部の荷台に加え上部の左右にもパレットを置く台が付いているタイプです。
パレットを活用することで、逆ネステナーのように荷物を2段に分けて積むことが可能です。

正逆両用ネステナー

これは、正ネステナーと逆ネステナーの2通りで利用できるネステナーです。
荷台部分を下にした状態では逆ネステナーとして使えますが、荷台を上にすれば正ネステナーとしても使えます。
正ネステナーと逆ネステナーを臨機応変に使い分けたい場合には、正逆両用ネステナーが便利です。

逆ネステナーと正ネステナーの違いを比較

ここでは逆ネステナーと正ネステナーのどちらを選ぶべきか悩んでいる人に向けて、それぞれの違いを紹介します。
選ぶ際のポイントは倉庫の環境や求めるスペックです。

逆ネステナーと正ネステナーの違い

逆ネステナーと正ネステナーの大きな違いは、パレットが上部にあるか下部にあるかどうかや、フォークリフトで移動できるかどうかです。
また、重量や積んだ時の高さが異なる場合もあり、重量に関しては、逆ネステナーのほうが重い傾向があります。
高さについては、逆ネステナーはパレットを床に直置きするため、数段積み重ねたときに正ネステナーより逆ネステナーの方が高さが低くなります。

逆ネステナーと正ネステナーはどっちがいい?

逆ネステナーと正ネステナーのどちらを選ぶべきかは、倉庫の環境などの条件により変わってきます。
逆ネステナーが向いているのは、少ない台数でできるだけ多くの荷物を積みたい場合や、天井が低い倉庫。
一方で正ネステナーが向いているのは、レイアウトを頻繁に変える必要がある倉庫や、荷物の直置きを避けたい場合です。
また正ネステナーは揺れに強いため、地震や衝突事故に備えたい時にも向いているでしょう。

ネステナーのオプション品

warehouse, gold, gold camp

ここではネステナーに取り付けて使う付属品を紹介。
ネステナーと併せて活用することで、保管スペースを増やしたり、耐震性を上げたりすることができます。

ネストップ

ネストップとは正ネステナーの上部に取り付ける荷台部分です。
ネストップを活用することで、正ネステナーを2段以上積み重ねることが可能となります。

ネスロック

ネスロックとはネステナーの中間部分に取り付けて、ネステナーを2段にするためのオプションアイテム。
ネスロックを取り付けることで、ネステナーの中間にパレットを置くスペースを増設することができます。

ネスバンド

ネスバンドとは両隣にあるネステナーの柱を連結するためのベルトです。
地震や衝突による転倒のリスクを抑える効果があります。

だるま

だるまとはネステナーに載せたパレットが落下したり、飛び出したりするのを防ぐオプションアイテム。
ネステナーに取り付けることで簡単に使用することができます。

コンビ止めバー

コンビ止めバーとはネステナーの側面や背面に設置することで、荷物が落下したり崩れたりする危険に備えるためのアイテム。
バーの本数を増やすことで、より落下リスクを下げることができます。

底板

底板とはネステナーの台に敷いて使う板です。
ネステナーの台にそのまま小さいものを置くと隙間から落ちてしまいますが、底板を活用すればその心配がいりません。

メッキ鋼板

メッキ鋼板とは、ネステナーに錆に強いメッキ鋼板加工を施したものです。
湿気の強い倉庫での活用におすすめ。

連結ブリッジ

連結ブリッジとは、2つの逆エステナーの台に設置することで積載面を増やすことができるオプションです。
連結ブリッジがあれば、連結ブリッジの上と下で2段分保管スペースを増やすことができます。

ネステナーを導入するメリット

a man and a woman in a warehouse

ネステナーを導入する主なメリットは保管効率の向上や移動のしやすさ、収納力の高さです。
ここではネステナーの利点を具体的に解説します。

保管効率が上がる

ネステナーを活用することで、平置きする場合と比べて大幅に保管効率を上げることができます。
もしネステナーに3段積む場合、単純計算で平置きの3倍ほど保管効率を高めることが可能。
特に天井が高い倉庫では、ネステナーの活用はスペースの有効活用に繋がります。

倉庫内のレイアウト変更がしやすい

ネステナーの設置にはアンカー固定など複雑な施工が必要ないため、倉庫のレイアウトが変更しやすいです。
特に正ネステナーはフォークリフトで荷物を積んだままの状態で動かせるため、移動の労力があまりいりません。

コンパクトに収納可能

ネステナーは入れ子上に重ねて保管することが可能です。
そのため倉庫の物量が少ない閑散期には、使わないネステナーを一か所にまとめておくと良いでしょう。
ネステナーは一般的に、5段~8段ほどに重ねることができます。

ネステナーを導入するデメリット

brown wooden shelf on white floor tiles

狭い倉庫でも高く積むことができて使いやすいネステナーですが、デメリットもあります。
購入やレンタルを検討している人は事前に把握しておきましょう。

高さが調整しにくい

ネステナーは一般的に高さ調整ができません。
そのため背丈の高いものを収納するには不向きです。
しかし各段の間に収納できるスペースを増やしたい場合は、前の項目で挙げた「ネスロック」により調整できることも。
高さを柔軟に調整をしたい場合は、ネステナーよりもパレットラックの導入がおすすめです。

高く積むなら、耐震対策が必要

ネステナーは最大で4段ほど積めますが、高積みするほど耐震性は低下します。
特に上段部に重いものを置く場合はバランスが崩れやすく、地震や大きな衝突があった際には危険です。
そのため高く積む場合はネスバンドやネステナー連結金具を使って、十分に耐震対策を取る必要があります。

ネステナーを選ぶポイント

ネステナーのレンタルや購入を検討している人に向けて、ネステナーを選ぶポイントを解説します。
ぜひネステナー選びの参考にしてください。

サイズ

ネステナーは商品によりサイズが異なります。
保管する荷物の大きさから計算して、余裕を持って収納できるサイズのネステナーを選びましょう。
ネステナーは高さ調整が難しいため、購入やレンタル時のサイズ選びのミスは致命的です。

積み重ね段数

ネステナーを選ぶ際は積み重ね段数にも留意しましょう。
一般的には3段まで積めるネステナーが多いですが、ネステナーの背の高さにより2段や4段のタイプもあります。
倉庫のレイアウトや積載物に合わせて、何段に積みたいのかも事前に考えておきましょう。

積み重ね方式

ネステナーの積み重ね方式には上ピン、下ピン、レールタイプがあります。
上ピンはネステナーの上部からピンがはみ出しているのに対して、下ピンタイプはネステナーの下からピンが出ています。
またレールタイプはネステナーの上部と下部それぞれに三角のレールが付いています。

耐荷重

ネステナーは背の高さや幅の広さにより、耐荷重が違います。
ネステナーの耐荷重は1トンのものもあれば、500kg程度ものもあります。
ネステナーに重量物を載せる予定があるなら、耐荷重もしっかり確認しておきましょう。

パレットの形状

ネステナーはパレットの形状にも様々なタイプがあります。
最も一般的なのは井桁というタイプですが、強度の低い部分に重みが集中すると破損しやすいのが難点。
井桁を改良したものが木桁タイプで、井桁よりも破損しにくい丈夫な構造となっています。

ネステナーは色で選ぶのもおすすめです。
膨大な在庫を抱える倉庫なら、ネステナーの色で商品棚を分けると良いでしょう
またネステナーを追加レンタルや購入する場合は、既存のネステナーと合わせると倉庫の雰囲気がまとまります。

ネステナーはレンタルもおすすめ!

lightbulb, concept, cork

初期費用を抑えてネステナーを導入したいなら、レンタルもおすすめです。
ネステナーを購入する場合10,000円以上掛かることが多いですが、レンタルなら1台あたり10円/月~15円/月程度のレンタル料で導入が可能。
また短期間しかネステナーを利用する予定がない場合や、臨時的にネステナーを使いたい場合にはレンタルのほうが安く済む可能性があります。

まとめ

今回はネステナーの概要や、導入のメリット・デメリット、選ぶポイントなどを紹介しました。
ネステナーは保管効率や収納力に優れていますが、一方で高さ調整が難しいなどのデメリットもあります。
また一口にネステナーといっても正ネステナーや逆ネステナーなど種類が様々あるので、それぞれの特徴を踏まえて購入やレンタルを検討しましょう。