【物流担当者必見】フレキシブルコンテナとは? サイズや種類などフレコンバッグについて解説

農業や工業など幅広い分野で使われている袋状の容器、フレキシブルコンテナ、別名フレコンバッグ。
名前に聞きなじみは無くても、一度は目にしたことがある人も多いでしょう。
この記事ではフレキシブルコンテナとは何かやサイズ、種類、ホームセンターで売ってるかまで解説しています。
この記事を読めばフレキシブルコンテナについての基礎知識が身に付くので、ぜひ参考にしてみてください。

フレキシブルコンテナとは?

フレキシブルコンテナとは、農業、工業などさまざまな業界で使用されている大きな袋型の容器のこと。
フレコンバッグと呼ばれることもあり、ホームセンターなどで購入できます。
またコンテナバックやトンバック、クロスコンテナなど業界ごとに呼び方が違っているのが特徴。
丈夫で軽くポリプロピレンやポリエチレンなどやわらかい素材でできているため、使用しないときは小さく折りたためます。

フレコンバッグの用途

フレキシブルコンテナには農業、工業など業界によってさまざまな用途があります。
どのような使われ方をしているのか、業種別に確認してみましょう。

農業用

フレキシブルコンテナは米や麦、ジャガイモ、人参、青果などの収穫や、出荷、保管の際に使用されます。
フレキシブルコンテナはフォークリフトで持ち運ぶことができるため、活用により農業の負担を軽減することが可能です。

工業用

工業用のフレキシブルコンテナは、ガラスやアルミサッシ、灰、金属などに使用されます。
そのほか、カーボンや苛性ソーダ、粉体の石灰、樹脂ペレットなどを入れるのに使われることも。

食品の原料用

フレキシブルコンテナは砂糖や大豆、米粉などの食品の原料用にも使われます。
フレキシブルコンテナの中には粉末状のものを漏らさない構造の内袋付きタイプがあり、小麦粉などのパウダー類の充填が可能です。

土木建設用

土木建設用のフレキシブルコンテナは、主に砂や土石、セメント、廃材用などで利用。
屋外では 、耐候性を持つ黒いフレコンバッグかフレコンカバーの使用が推奨されています。

フレコンバッグのメリット

フレコンバッグのメリットは、粉や粒など細かい形状のものを一度に大量に運べることです。
また用途によって、形状を変えたりベルトで吊り上げたりできるのもメリット。
フレコンバッグのなかには袋に防水・防湿効果が施されたものもあります。

フレコンバッグの規格やサイズについて

フレコンバッグで一般的なのは1000L容量のサイズ。
また直径と高さはそれぞれ1,100mmです。
とはいえ、サイズについて統一された規格があるわけではありません。
耐久性と使用方法のみ、JIS規格が定められています。

【JIS】フレコンバッグの種類

JIS規格のフレコンバッグには、ランニングI形やクロスシングル形などさまざまな種類があります。
ここでは4種類のフレコンバッグを紹介。

ランニングI形

ランニングI形は、充填と排出が何度でも行えるように設計されたフレコンバッグのこと。
主に海外で使用されており、日本国内では基本的に使用されていません。
袋は樹脂やゴムがラミネートもしくは塗工された織布から製造されています。

ランニングJ形

ランニングJ形はI形と同じように繰り返し使用できるだけでなく、修理が可能で母材強度も保てるのが特徴。
1種と2種があり、原料と接着加工方法が異なります。
耐候性や防水性が高いですが、そのぶん値段も高い傾向です。

クロススタンダード形

クロススタンダード形は、充填と排出が数回または1年以内と限られているもの。
繰り返し使用することは想定されていないため、修理ができません。
そのため、決められた回数や期間内でも袋が破損したら廃棄する必要があります。

クロスシングル形

クロスシングル形は、使用が1回のみの使い捨てフレコンバッグのこと。
織布や紙でできており、製品によりラミネート処理や内装の有無が異なります。
充填後に吊り上げ・吊り下げをする場合は適切な吊り部の設計が不可欠です。

【IEC】フレコンバッグの種類

フレコンバッグには、充填や排出をする際に発生する静電気対策についてのIEC規格というものがあります。
その種類は、次の4つです。

タイプA

タイプAのフレコンバッグは、静電気対策がなされていないものを言います。
タイプAには特別な加工はされていないため、通常のフレコンバッグがこれに該当すると考えておけばいいでしょう。

タイプB

タイプBのフレコンバッグは、紙や樹脂フィルムといった柔らかい素材でできています。
静電気をはじめ、火花放電や沿面放電の発生が抑えられるように設計されているのが特徴です。

タイプC

タイプCのフレコンバッグは、素材に導電性がある織布や樹脂シートか、導電性の糸や繊維が使われているのがポイント。
沿面放電や火花放電、ブラシ放電の発生を抑制します。

タイプD

タイプDのフレコンバッグは、特殊な帯電防止織布で作られています。
静電気を放電することで、静電気災害を防止する仕組みです。
火花放電やブラシ放電はもちろん、沿面放電が防げます。

【形状】フレコンバッグの種類

フレコンバッグは丸型もしくは角型が広く使われています。
角型のフレコンバッグは安全性が高いうえに積みあげた際にも崩れにくいことから、丸型よりもシェアが高いです。
一方で丸型は充填や排出がしやすく、粒状物を運んだり廃棄物をまとめたりする際に使われています。
また工事現場では土砂の運搬や、土のうとして丸型が利用されることも。

【吊りベルト仕様】フレコンバッグの種類

フレコンバッグに付いた吊りベルトは、充填した後にフレコンバッグを持ち運ぶ際に役立ちます。
吊りベルトの種類は、主に半ベルトと反転ベルトの2種類。
反転ベルトは内容物を排出しやすいのが特徴です。
また半ベルトも底を切れば、問題なく排出ができます。

フレコンバッグの選び方

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ホームセンターやネットでは、サイズも形状も様々なフレコンバッグが販売されているため商品選びに迷ってしまうでしょう。
ここではサイズや形状など、フレコンバッグ選びで気を付けておくべきポイントがあります。

入れる容量から決める

フレコンバッグにどのくらいの容量を入れるのかによって選ぶのも一つの方法です。
その際は、中身の重さだけでなく体積にも注意してください。
例えば重さは500kgであっても体積は1000Lの場合、1トンサイズのフレコンバッグが必要です。

内容物から決める

フレコンバッグに充填する内容物から決める方法もあります。
その場合、かさ密度や流動性、形状だけでなくフレコンバッグの構成材料との相性にも注意しましょう。
ものによっては、フレコンバッグに触れることで変質する恐れがあります。

袋の投入口の形状から決める

袋の投入口には、全開タイプと半開タイプがあります。
全開タイプは一気にたくさんの量が投入できるのが特徴。
一方で半開タイプは、投入口を固定するので確実に投入できるのがメリットです。
この形状の違いから決めるのもいいでしょう。

排出口の形から決める

排出口の形には排出なし・半開タイプ・全開タイプがありますが、よく使われるのは半開タイプです。
半開タイプは排出先の状況によって排出口の直径や高さが選べるのがメリット。
全開タイプは一度にたくさんの量を排出できるという特徴があります。

フレコンバッグはホームセンターで売っている?

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フレコンバッグはホームセンターでも売っています。
たとえば全国チェーンのホームセンター、カインズでは角型や丸形、0.5トンや1トン、丸型などさまざまなサイズや種類のフレコンバッグの取り扱いが。
実際に目で見て確かめられるため、気になる人はホームセンターに行ってみてもいいかもしれません。

フレキシブルコンテナを使用する際の注意点

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フレコンバッグを吊り上げるときは、下に人がいないかしっかり確認してから行いましょう。
フックにきちんとかかっているかチェックし、上げ下ろしは慎重に。
横向きに引っ張る、地面をこするのは厳禁です。
また再使用する際は摩耗や打痕、切り傷がないか入念に確認してください。
吊り部や附属品にも注意し、事故につながる危険性を排除することが大切です。

まとめ

フレキシブルコンテナとは農業や工業などの製造業で使われる、袋型の容器のことを指します。
フレコンバッグはサイズや種類が豊富なので、用途にあったものを選びましょう。
フレコンバッグはホームセンターでも手に入れることが可能です。
使用する際は使い方に注意して、事故が起こらないよう十分に気を付けましょう。