物流業界で働いている人のなかには、才数計算の意味や何キロ運べるかなどの計算方法がいまいちわからない人も多いでしょう。
トラック業界・倉庫業界では、容積の計算は重要です。
この記事を読めば、才数の計算方法や意味、自動計算サイトやエクセルを使った計算方法を知ることができます。
例題を用いながら、才数計算とは何かについて説明するのでぜひチェックしてください。
この記事を書いた人:受発注ライフ編集部
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容積・体積を表す「才数」とは?
才数は、容積・体積を表す単位であり、1辺1尺(約30.3cm)サイズの立方体(1立方尺)を意味する言葉です。
まず「才」とはどのような意味か確認しましょう。
「才」の意味とは
才とは、尺貫法の単位で、現在でもトラックや船で運ぶ荷物容積を表すために物流業界の単位として使われることが多いです。
1才=1立方尺=30.3cmx30.3cmx30.3cm=27818㎤=0.0278㎥。
1㎥=1000lなので、1才=27.8l。
そのため1辺30cmの立方体が1才、縦30cm×横60cm×高さ30cmのサイズはおよそ2才です。
尺貫法について
尺貫法は、長さと重量、体積における単位であり、古くから日本で使われてきました。
尺は長さ、貫は重さ、升は体積を意味しています。
戦後、計量法が定められ、1959年以降は尺貫法を正式な証明書や取引で使うことが禁じられましたが、内部的に尺貫法を使うことは今も続いています。
なお2tトラックの大きさは10尺と言われることがあります。
小型トラックでは、荷台の寸法が3100mm程度の10尺サイズが代表的です。
単位㎥の意味とは?
単位として使われる㎥(エムスリー)は、体積のことであり、他の表記方法で立米や立方メートルと使われることも少なくありません。
貿易・乙仲や倉庫会社が使うことの多い単位になります。
1m×1m×1mが1㎥サイズであり、サイズ感では1.1の空のパレットが7段あるよりも、若干小さいサイズです。
1立米は1000Lで、縦10m×横1mであれば10平米です。
㎥と才の換算方法
㎥と才の換算方法では、「㎥を才に換算する計算方法」と「才を㎥に換算する計算方法」の2種類があります。
物流業界に勤める上では、どちらも必要になるので必ず理解しておきましょう。
㎥を才に換算する計算方法
容積を才で表すことに慣れている場合、㎥単位で大きさを伝えても伝わらない可能性があります。
そのような場合には㎥を才に換算し伝えることが必要です。
換算は、1㎥×36=36才の計算方法により求められます。
計算する人次第でかける数値が33や35など異なるため、ある程度の数値を求める際に有効です。
1㎥✕36=36才
才を㎥に換算する計算方法
上記で解説した環境と異なり、㎥でのみ計算可能な状況では、相手から才で伝えられても理解に苦しむ可能性があります。
そのような場合は、36才÷36=1㎥で求めます。
この計算方法も、計算する人次第で33や35に変わるため注意しましょう。
36才÷36=1㎥
人によって35か36で違う理由は?
上記2つの計算方法で、計算する人次第で35や36など変わってくるため注意が必要と解説しました。
数字が変わってくる理由は、1㎥=35才か36才と判断するかが違うからです。
1才は縦×横×高さ(それぞれ30.3cm)のため、27,818㎤となります。
単位を変えると0.0278㎥であり、35をかけると0.973、36をかけると1.0008です。
このように見ると、少しだけ35に比べ36の方が数字が近いことが分かります。
そのため、35に比べ36の方が使用されることが多いです。
しかし、それでも35を計算に使用する人もいるので注意しましょう。
L×W×Hから才数を求めてみよう
実際に運ぶ箱には、サイズが記載されていることも多いです。
Lは長さ、Wは幅、Hは高さを意味しています。
例えば、「L=12・W=15・H=16」で単位はmの場合
・12×15×16=2880㎥です。
この数値を才に換算する場合は、36をかければ求められます。
なお、運送会社の場合、重量と容積のいずれか大きい方を用いて運賃を決めることが多いです。
仮にカラーボックス10tと鉄を10t積む状況では、同運賃では済まないはずです。
鉄10tであれば1台のサイズで運べるかも知れませんが、カラーボックス10tを積もうとした場合、1台では足りない可能性が高いです。
換算重量とは? 1才は何キロ?
同じ重量でもトラックの台数などが変わってくる際には、換算重量が行われます。
換算重量は、容積を重量に変換し計算するものです。
1才が何キロに設定されているかご存知でしょうか。
換算重量では、「1才=8kg」、「1㎥=280kg」 を基本の数とします。
運送業界の中でも、路線業者では特に実際の重量である「実重量」と、換算した重量の「換算重量」のいずれか大きい量を用いて運賃が計算されます。
才数をもとにトラックに積載可能な荷物の数を求める
才数を基準にトラックに積載できる荷物の数を求めていきます。
例えば10tトラックの最大積載可能数1,000才の場合
[1,000(才/車)×80(%)[積載率]÷4(才/折りコン)=200(折りコン/車)積載可能]
10tトラックに50リットル折りコンを200個積載可能と求められます。
才数を利用すれば、このようにトラックに積める貨物個数が使えますが、トラックの最大積載重量は何キロかも忘れてはいけません。
最大重量を超えた場合、過積載で法律に違反してしまいます。
そのため、才数はあくまでも積載個数を求めるための目安として利用し、必ず最大積載重量は何キロかについても確認するようにしましょう。
才数計算には自動計算サイトやエクセルを使おう
才数計算には、自動計算サイトやエクセルを使いましょう。
自動計算サイトやエクセルを使わずに実際に荷物を輸送する度に才数計算を行うと、計算ミスが発生してしまう恐れも。
過積載は厳しい罰則の対象となります。
事故や罰則を防止するためにも、才数計算では自動計算サイトやエクセルを使うのがおすすめです。
以下に無料で使える自動計算サイトを掲載しています。
まとめ
才数とは、容積・体積を表す単位であり、1辺1尺(約30.3cm)サイズの立方体(1立方尺)を意味する言葉です。
㎥と才の換算では、1才は何キロか理解しておく必要があります。
才数は物流業界で多く使われるため、計算方法や自動計算サイト・エクセルの使い方について十分理解しておくことが大切です。
今回解説したように、自動計算サイトやエクセルを使うことで、より効率的に業務が行えるのでぜひ検討してみて下さい。