ビジネスシーンで頻繁に使われる用語の「受注」。
なんとなく意味は分かるけれど、詳しい仕組みについて知らないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、受注というビジネス用語について詳しく解説していきます。
併せて受注と売上の違いや、受注と発注の違い、受注管理業務の流れも紹介。
受注とは何か知りたい人は、ぜひチェックしてみてください。
受注とは? 受注の意味を解説
受注とは、会社や個人から、商品およびサービスの注文を受けることを意味する言葉。
有形商材や無形商材を販売する会社のほとんどが活用する重要なシステムの一つです。
基本的には、顧客から電話やメール、オンラインツールやFAXを通じて注文を受けます。
受注管理ではトラブルも生じやすいので、ミスが無いように作業にあたることが重要です。
受注と売上の違い
受注と売上とは密接に関わっていますが、それぞれに違いがあります。
まず、受注は顧客から商品の注文を受けることを意味する言葉です。
一方売上が意味するのは、顧客に対して商品と引き換えに受け取る代金の総額。
つまり、受注は購入プロセスの一部を指し、売上は取引完了後に計上される項目を指します。
受注後に何らかの理由で注文がキャンセルされた場合は売上が発生しません。
受注と発注の違い
受注と発注は、立場の違いによって使い方が異なる言葉なので、注意が必要です。
受注が商品の注文を受けることを意味するのに対して、発注は商品の注文を意味します。
売り手側が使うことが多いのが受注で、買い手側として使うことが多いのが発注です。
間違って使うことが無いように、受注と発注をシーンごとに分けて使用していきましょう。
受注管理の流れ
受注管理は、商品が受注されたあと、出荷や納品が行われるまでの一連のプロセスのこと。
受注管理には大きく分けて5つのプロセスが存在します。
ここからは受注管理の流れについて説明するので、チェックしてみてください。
見積書依頼・作成
受注管理の最初のプロセスは、見積書の依頼と作成です。
まず、商品を発注する側が受注先に対して、見積書の作成を依頼します。
受注側は、発注された商品の種類や金額、数量を元にして見積書を作成。
見積書を元に、発注先が購入の可否を検討していきます。
発注書の発行
受注管理の次のプロセスである、発注書の発行について解説します。
発注側が見積書を元に発注を決めた場合は、受注先に発注書を発行するのが一般的。
発注書が受注先に届き、確認連絡が済んだら契約完了です。
受注側は発注書の内容を元にして、顧客情報をシステムに入力していきます。
受注状況や在庫確認・納期連絡
契約が完了し、注文情報をシステムに登録したら、商品の受注状況を確認します。
注文された商品数に対して、在庫数が足りるかを受注状況を見て確認し、問題なければ出荷準備です。
受注側は発注先へ、納期に間に合うように準備を進めなければなりません。
準備が出来たら、発注先に商品が届く納期について連絡をします。
受注伝票や注文請書を作成
受注側は、発注先から注文を受けた証拠として受注伝票を作成します。
受注伝票には、商品名や発注先の顧客データなどの受注状況を記録しておく必要があります。
また、受注側が発注先の発行した注文書の内容を受領したら、注文請書を発行することも。
いわば、発注側が受注先へ送付した注文書へのレスポンスのようなもの。
注文書は発行に際して法的な義務は生じないのが特徴です。
受注先へ出荷し納品
受注伝票や注文請書を作成し、受注が確定したら、在庫を確保して商品を出荷します。
ここから先は、運送業者が商品を発注先に運送するケースがほとんどです。
商品が倉庫から取り出されて、ラベルの貼り付けがされた後、運送業者に配送されます。
この時、必要があれば運送業や倉庫の作業者に対して、出荷指示書を作成することもあります。
入金・領収書の発行
受注管理最後のプロセスは、入金と領収書の発行です。
商品が発注側の手元に届き、無事に確認できたら受注先に入金を行います。
期限内に発注先からの入金を確認した受注側は、領収書を発行。
領収書が発注側で受け取れたら取引は完了です。
受注・売上高の関係は?
受注と売上高とは、どのような関係性にあるのでしょうか。
ここからは、受注高と売上高について解説していきます。
まず受注高は、受注側が発注先から注文を受けた金額のこと。
一方売上高は、受注が確定し、納品が完了した際に発生した売上総額を指します。
前述の通り、受注後のキャンセルもあるので、受注高と売上高は必ずしも同じではないのです。
円滑に受注するためのポイント
円滑に受注するためには、しっかりと対策を打っておく必要があります。
ここからは、スムーズな受注管理のためのポイントについて解説。
これから受発注業務に関わる人は要チェックです。
受注から納品の業務フローを可視化
受注管理のフローを正確かつスピーディーに行うためには、業務内容の可視化が必須です。
特に受注管理は業務の範囲が多岐にわたるため、業務内容が混同してしまうことも。
そのため、業務を行う前に業務内容の洗い出しをしましょう。
これを行うことにより、業務の中で無駄な部分や負担が偏っている箇所、課題が見えてきます。
ボトルネックになっている部分を、フローの見直しや業務分担を通して改善することが大切です。
受発注システムを活用
受注管理の効率化のためには、システムを活用したDX化も効果的です。
少人数で受注管理業務を行っている場合、個々への業務負担はどうしても多くなります。
そこで、煩雑なデータ整理やミスが起こりやすい数値管理をシステム化するのもおすすめです。
コストは多少かかりますが、確実に従業員の負担を軽減させることができます。
アウトソーシングの利用
円滑な受注管理を行う方法の一つとして、アウトソーシングもおすすめです。
受注管理では、専門的な知識を持つ企業に外部委託することで、作業の効率化が見込めます。
ただこちらもコストがかかるため、短期間でのコンサルティングの一環として活用するのもいいでしょう。
受注業務のこれからの展望
受注管理業務も近年のテクノロジー進化に伴って、紙でされていた情報の共有方法がデータ化されていくでしょう。
昨今ではAIなどの技術を使った受注予測や、購買傾向のマーケティングも台頭してきています。
今後もさらなるデジタル化が進むことが予測され、様々なデジタルツールも活用されるでしょう。
また、サステナビリティなど環境への配慮も、新しい取り組みとして行われています。
再利用可能な商品の開発や二酸化炭素排出量の削減を目指した業務プロセスもその一つ。
さらに、顧客との関係をさらに高めるためのツールも導入されてきています。
受注管理業務も、SDGsを意識したデジタル化社会の動きに柔軟に対応していく必要があるのです。
まとめ
今回は、「受注とは」という切り口からビジネス用語の意味や発注、売上との違いについて解説しました。
また、受注状況の確認など受注管理業務のプロセスや、受注側・発注側のそれぞれの対応方法も併せて紹介しました。
これから受発注業務に携わる人は、必ず覚えておいてほしい内容です。
今後さらなるDX化が進んでいく受注管理業務に柔軟に対応していけるスキルを身に着けていきましょう。