物流における付帯作業とは? 付随作業との違いや意味、具体例について解説

受発注ライフ,欠品

付帯や付随は日常的にも良く使われる言葉ですが、物流で言う付帯作業と付随作業にはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では物流業務における付帯作業の意味や具体例について、付随作業との違いにも着目しながら紹介します。
さらに付帯作業を外注するメリットやデメリット、外注先の選び方についても解説。
付帯作業や付随作業の意味や違いを知りたい人、付帯作業の外注を検討している人はぜひ参考にしてください。

物流における付帯作業の意味

付帯作業とはコア業務をするときに発生する補助的作業のこと。
例えば社内会議やメールの確認などが、付帯作業とみなされることが一般的です。
このような付帯作業は物流業務においても存在します。
物流の主要業務とは入出荷作業や検品、ピッキング、梱包など。
それ以外の物流業務の中で直接利益を生み出さないものは、付帯作業と捉えて良いでしょう。

付帯作業と付随作業の違い

付帯作業の類義語として付随作業があります。
付帯作業と付随作業は、どちらも主要な業務ではないという点では違いません。
一方で付随作業には主要作業に付随する作業と言う意味合いがあり、主要作業の補助である付帯作業とは違います。
例えば、ピッキングの効率化を目的とした倉庫レイアウトの変更は付帯作業ではなく付随作業です。

物流の付帯作業の具体例

ここでは物流の付帯作業の具体例を紹介します。
物流・製造工場で行われる付帯作業は、ラベル貼りやラッピングなど様々です。

ラベルの貼り付け

工場や物流の付帯作業の1つは、ラベルの貼り付けです。
物流業務で貼るラベルはバーコードやQRコード、成分表ラベルなど様々。
物流業務の中でも比較的単純な作業ですが、貼り間違えると誤出荷などのトラブルに繋がります。

出荷前の検品

検品も、物流・工場における代表的な付帯作業です。
出荷前の検品では、商品の品質や数量、バーコードなどのラベルが正しいかどうかの確認が行われます。
また異物の混入や破損がないかも検品の時点でチェックすることが一般的です。

サンプルや販促物などの同封

サンプルや販促物の同封も、直接利益を生み出さないため付帯作業と呼ばれます。
同封するものは商品のパンフレットや関連商品のサンプルなど、顧客の興味を惹くものが望ましいです。
また多くの場合、納品書も商品と併せて同封されます。

セット作業

セット作業とは、複数の商品や販促物などを1つにまとめる作業を意味します。
例えばセット作業では、単品で購入された複数の商品を1つの化粧箱にまとめたり、何枚もあるパンフレットを1つのファイルにまとめたりします。

ラッピングやのし付け

ラッピングやのし付けは、商品の見た目や贈り物としての印象を高めるために行われる付帯作業です。
有料の場合が多いですが、サービスの一環として無料で行うことも。
包装やのし付けを顧客が行う場合、包装紙やのしなどの資材を製品に同梱します。

商品の修正や加工

場合によっては、製造した商品の修正や加工が行われることもあります。
例えば、アパレル製品に関してはほつれの修正や、ネーム付けなどが製造工場で行われています。
このような作業は流通加工とも呼ばれ、製造したものの品質を保つために重要な付帯作業です。

タグや値札付け

タグや値札付けとは、商品にメーカーの情報や価格、バーコードなどを記載した紙やプラスチックの札を取り付ける作業です。
タグ付けは商品の管理や販売に必要な情報を提供するだけでなく、消費者に対しても商品の魅力や特徴を伝える役割があります。

付帯作業を行うメリット

付帯作業は、企業の利益に大きく関わります。
ここでは物流の付帯作業から得られるメリットを具体的に見ていきましょう。

付加価値がつけられる

付帯作業により、商品の付加価値高めることができます。
例えば商品の品質を保証するための検品や、商品の見た目を良くするための梱包は、製造した商品の付加価値を高めることにつながります。
このようなサービスには、商品を高品質に見せたり高級感を演出したりする効果があります。

顧客満足度の向上に繋がる

付帯作業は顧客満足度の向上に影響します。
例えば商品を美しくラッピングすることで、上質な贈答品を求めていた顧客の期待に応えることができます。
顧客満足度が上がることはリピートや口コミにもつながり、商品の売上は徐々に上がっていくでしょう。

競合と差別化できる

競合との差別化も付帯作業がもたらす大きなメリットです。
特に類似商品を売る競合が多い場合、ラッピングやおまけの同梱など何らかの付帯作業を加えることで他社との差別化につながります。
価格競争では他社に負けていたとしても、サービスを付与することで商品の価値を高めることができるのです。

付帯作業を行う上での課題

woman in green long sleeve shirt standing in front of clear glass jars

メリットが多い付帯作業ですが、行う上での課題もあります。
付帯作業の導入を検討する前に、以下で紹介する付帯作業のリスクも把握しておきましょう。

作業員に負担が掛かってしまう

付帯作業が多すぎると、作業員が主要な業務に集中できなくなったり、ストレスや疲労が溜まったりする可能性があります。
特に出荷量が増える繁忙期には人手が不足し、残業が増える一因となることも。
そのため、付帯作業は作業員の負担にならない程度に抑えることが重要です。

付帯作業にリソースが割かれてしまう

付帯作業は人手や材料費などの、様々なリソースを要します。
また狭い工場では、付帯作業をするためのスペースを確保するにも工夫が必要です。
付帯作業を増やす場合、製品の製造や出荷作業に支障をきたさないか十分考慮しておきましょう。

全体として生産性が下がってしまう

付帯作業は、業務全体の生産性に悪影響をおよぼす可能性があります。
物流業務の根幹は製品の出荷や在庫の管理ですが、付帯作業に力を入れすぎるとそのような作業が滞ることも。
その結果、商品の出荷遅延や残業が生じるリスクがあります。

付帯作業を減らす方法

woman in white long sleeve shirt and black pants wearing black framed eyeglasses

ここでは付帯作業の負担を減らす方法を紹介します。
付帯作業の負担削減は、生産性のアップに繋がるのでぜひ参考にしてください。

業務全体の無駄を削減する

付帯作業の負担を減らす方法として、業務全体の無駄を削減することが有効です。
まずは、作業員それぞれに仕事内容や時間の使い方をリストにしてもらいましょう。
その上で無駄な仕事の廃止や業務の効率化を図ることで、付帯作業に充てる作業時間を確保することができます。

アウトソーシングを活用する

付帯作業は、時間やコストをかける割には収益に繋がりにくいというデメリットがあります。
そこで、アウトソーシングを活用するというのが選択肢の1つ。
アウトソーシングとは自社で行う必要のない業務を外部の専門業者に委託することを意味します。
また工場内に付帯作業を行うスペースがない際にもアウトソーシングの活用は有効です。

付帯作業を外注するメリット・デメリット

yellow driving forklift

付帯作業を外注する上では、メリット、デメリットの両方が存在します。
付帯作業のアウトソーシングを検討している人はあらかじめ知っておきましょう。

メリット

物流の付帯作業を外注する大きなメリットは、業務の効率化です。
作業員は付帯作業をしなくて良い分、出荷作業などより重要な業務に注力することができるようになります。
また付帯作業を外注することで自社で雇う作業員を減らし、人件費を抑えることも可能です。
さらに外注業者は物流のプロであるため、ミスなく質の高い付帯作業を行ってくれることを期待できます。

デメリット

付帯作業を外注するデメリットは、場合によって割高になってしまうことです。
想定した予算では、外注先では簡易的な作業にしか対応できないということもありえます。
また外注に依存しすぎると、自社に付帯作業のノウハウが蓄積されません。
将来的に自社独自の物流体制を構築したいと考えている場合には、これはデメリットとなるリスクもあるので注意が必要です。

付帯作業の外注先を選ぶポイント

a man and a woman in a warehouse

まず付帯作業の外注先を選ぶ際は、依頼したい業務が委託先の対応範囲に含まれているか確認しましょう。
依頼したい付帯作業が複数ある場合、優先順位の高い付帯作業にマッチした委託先を探していくのが業者選びのコツ。
また倉庫環境を実際に目で見て確認することも重要です。
衛生管理がされているかや、食品などを扱う場合は倉庫の温度が自社商品に合っているかも確認しましょう。

まとめ

今回は付帯作業の意味や付随作業との違い、付帯作業の具体例などを紹介しました。
物流や製造工場で行われている付帯作業は、ラッピングや販促物の同梱など様々。
付帯作業は直接的な利益を生み出しませんが、工夫次第で競合との差別化できたり、物流品質を向上させたりすることも可能です。
外注するなど付帯作業の負担はなるべく軽減し、コア業務に注力できる環境を整備しましょう。