社会人になると、レポートや日報、会議などで「所感」を求められることがあります。
しかし、所感と感想の違いを知らない、適切な所感の書き方がわからないという人も多いでしょう。
今回の記事ではビジネスシーンで大事な所感の目的や書き方、似た意味を持つ用語との違いのほか、実際の所感に活かせる例文を解説。
研修レポートや営業レポート、日報などを作成するときに役立ててください。
この記事を書いた人:受発注ライフ編集部

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「所感」とは?

「所感(しょかん)」とは、個人がある出来事や情報に対して考えたことや意見、事実に基づいた評価のことを指します。
「どのように思ったか」といった主観的な見方が反映されているのが特徴です。
レポートの作成や研修の受講後、顧客面談などのビジネスシーンでは、所感を求められることもあり、聞き手が理解し判断する材料となります。
そのため所感を述べる際は、自分の意見や提案を明確に相手に伝えることが重要です。
「所感」の類語とその違いは?

社会人にとって重要なツールである「所感」。
しかし、他に似た言葉もあるため、意味を把握していないと間違った使い方や書き方につながることも。
以下で「見解」や「感想」との違いなどを解説していきます。
「感想」との違い
所感は「心に感じたこと」や「感想」も意味するため、「感想」との違いは分かりにくいでしょう。
しかし、多くのビジネスシーンにおいては、所感と感想の持つ意味合いが違います。
感想とは、単に「感じたこと、思ったこと」を表し、例えば「〇〇は難しい、嫌い」などは「感想」です。
しかし、「所感」は感じたことだけでなく、「自分の意見や改善案」を考えて述べる必要があり、意見が加えられているという違いがあります。
「見解」との違い
「見解」とは、「物事に対する客観的な評価や考え方、判断」を意味し、論理的な意見を交換する場で使われることが多いです。
例えば、「〇〇の問題についてA社と見解が一致している」「見解の相違を解消するために事実を再検証する」といった使い方ができます。
感想の意味を含む「所感」とは、使用されるシーンが異なることが多いといえるでしょう。
「所見」との違い
「所見」とは、「見た事柄、見た結果の客観的な判断や意見」を意味する、堅めの言い回しです。
例えば、「医師の所見」は、医療現場で医師が患者に診察結果を伝えることを表します。
個人的な感想ではなく、専門家や組織から見た意見の意味合いが強い点で「所感」と異なります。
個人的な意見を述べたい際は、「私見」「所感」を使うのが適切です。
「講評」との違い
「講評」とは、「指導的な立場から、ある作品や行為に対して理由などを述べながら評価・批評を加える」ことを意味する言葉。
大学の教授が学生の論文や作品に対して助言する際や、上司から部下に評価をする際などに使われます。
例として、「講評を通じて発表を振り返る」「プロジェクトに対する講評をいただく」といった使い方が挙げられます。
日報や研修レポートで書く「所感」の意義や目的は?

日報やレポートなどで所感を書く目的は、業務を通して感じた課題や改善策などを考え、それを仕事に活かしていくためです。
日報では業務の中で工夫した箇所、疑問点や気づき、他者からのアドバイスやそれに対する考えを書くことで自己分析につながるでしょう。
研修受講後は、学んだことや自分の行動の振り返りや改善策を所感に書くことで、研修を無駄にせず今後に活かすことができます。
【社会人必見】所感の書き方のコツやポイント

日報や研修レポートに所感を書く際はどのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか。
感想との違いに気をつけながら、書き方をチェックしましょう。
事実をわかりやすく端的にまとめる
まず事実や情報を伝える際は、冗長な説明にならないように、主要部分を端的にまとめるのがポイントです。
事実がだらだらと記載されていると、所感で伝えたい本質がぼやけてしまいます。
分かりやすく、短時間で読み手が所感の内容を理解できるように、要点を絞って記載してください。
相手にスムーズに事実を伝えるため、難解な用語を使うのも避けるのがよいでしょう。
反省点や改善点をもとに今後の行動について述べる
感想との違いを明確にするためにも、業務や研修を通じて考えた反省点と、それを踏まえて今後の行動について具体的に述べましょう。
ビジネスにおいては、個人的な意見だけでなくどのようにアクションをしていくか計画に落とし込み、共有することが大切です。
今後の行動について記載することで、読み手に自身の決意や目標を伝えることができます。
組織全体を考えた内容を書く
社会人生活にも慣れてきたら、所感を書く際には会社や組織全体のことを考えた内容も検討しましょう。
新社会人の視点からの所感が、上司や先輩にとっては新鮮な意見に映ることも。
個人の小さな気づきが組織を動かすきっかけになることもあります。
業務を行う中で疑問に感じたことや気づきを遠慮せずに書き留めていきましょう。
目標に対する分析や定量的な振り返りを書く
ビジネスにおいては目標に対して定量的に分析し、振り返ることが重要です。
まずは目の前の事象や物事に対して、目標に届かなかった原因の仮説をたて、戦略の定量的な評価を行います。
それを踏まえて、目標達成のための改善案・対策案を検討しましょう。
例文:「今月の契約数は目標50件に対し35件に留まった。原因の一つに問い合わせへの返事に3営業日以上かかったことが考えられる。今後は返事を1営業日以内にする」
ビジネス研修や日報の所感の例文

ここからは、ビジネスマナー研修のレポートや日報に書く所感の例文を紹介します。
所感の書き方がわからない新社会人は必見です。
例文を参考に充実した内容の所感を書きましょう。
【例文】ビジネスマナー研修後の所感
先日の新社会人向けビジネスマナー研修では、名刺の渡し方から電話の掛け方、言葉遣いのほか、日報の書き方や報連相の徹底などを学んだ。
特に顧客との面談時は、自分が会社の顔であるという意識を持ってビジネスマナーを守り、相手に不快感を与えないように気をつけたい。
社内で業務をするときも、自分の行動が部署の士気に関わるため、気を緩ませることなく日々の業務にあたることを意識する。
【例文】日報で書く所感
本日の社内会議では、開発部から新商品の説明が行われた。
提案された新商品は、営業やマーケティングの意見が取り入れられ、顧客ニーズにあった高付加価値な商品であると感じた。
しかし課題として、原価が前の商品よりも15%アップし、高利益を狙うなら大幅な値上げが必要となる。
1ヶ月以内に、競合価格との比較や売上予測をたて、可能なら安い部品に代替してもらえないか提案したい。
【例文】業務目標についての所感
今年度上半期の契約数の目標については、前年度上半期を15%上回る数値を達成した。
これはセミナーの開催を半年に1回から月1回に増やしたことで、潜在顧客との接触回数が増え、自社の認知度が上がったことが要因と考える。
一方、売上については目標を下回り、需要増加による部材の用意が遅れたことが影響した。
調達部門との連絡を密にし、スムーズな納品を目指したい。
【例文】顧客面談後の所感
本日のA社との面談では、競合のB社が新商品を提案していることがわかった。
価格は当社商品と同等の価格で提案しており、A社としては新商品にするか当社商品を継続するか迷っているようだった。
当社の商品を継続的に使っていただけるように、自社商品の強みを再度アピールするほか、来年の値下げなどA社にとってのメリットを提示したい。
まとめ
今回の記事では、所感とは何かや、ビジネスシーンにおける「感想」との違い、所感の書き方、例文などを解説しました。
感想だけでなく自分の意見や改善案を加えた所感を書くことで、自己分析だけでなく、組織の今後に役立つことも。
また定量的な目標と合わせて分析し、目標を立てることで、振り返りがしやすくなります。
所感の書き方がわからない新社会人は、ぜひ記事を参考に成果につながる所感を作成してみてください。