EC担当者が抱える課題の1つがカゴ落ち。
カゴ落ちの理由は様々ですが、しっかりと対策を取ることでその確率を下げることができます。
そこでこの記事では、カゴ落ちの仕組みや商品がカート内に入れたまま放置されてしまう理由について詳しく解説。
またECやShopifyのカゴ落ちを防止する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
カゴ落ちとは?
そもそもカゴ落ちとは何なのでしょうか。
ここではカゴ落ちのメカニズムや、世界的なサイトの離脱率について解説します。
ECやShopify運営者を悩ませるカゴ落ち
カゴ落ちとはオンラインショッピングのユーザーが商品をカートに入れたまま放置し、購入せずにサイトを離脱すること。
別名、「カート放棄」とも呼ばれています。
商品を購入しなかったユーザーですが、一度はカートに商品を入れているため、購買意欲が高いと判断できるでしょう。
また裏を返せば、カゴ落ちを減らすだけで事業の利益を上げることができるということでもあります。
カゴ落ちによるサイト離脱率
Baymard Instituteが発表した調査結果によると、2024年現在、カゴ落ちによるサイトの離脱率は世界平均で約70%。
この結果から、一般的にサイト訪問者のうちカゴ落ちする人は過半数を占めることがわかります。
カゴ落ちの原因を解説
カゴ落ちの理由は、購入プロセスが複雑、発送日が遅いなど様々です。
サイト離脱率を下げる方法を探るため、まずはその原因を確認しましょう。
ただサイトを見ているだけ
カゴ落ちの理由として多いのは、ただサイトを見ているだけというものです。
気に入った商品を見つけた時に、ブックマークをするようにカートに入れる人も多いでしょう。
他にも、商品の比較や検討のために商品をカートに入れている場合はこの理由になります。
会員登録や購入プロセスが煩雑
煩雑な会員登録や購入プロセスも、サイトの離脱率を下げる理由となります。
一般的に、消費者は商品購入のために多くの情報を入力したり、複雑な手順を踏んだりしたくありません。
いざ購入しようと思っても、住所などを入力するのが面倒になり、ユーザーは商品をカートに入れたまま放置してしまうのです。
合計金額が高かった
カートに入れた時点で商品の金額が自分の予算内であっても、最終的な支払い金額は予想以上に高くなることも。
これは商品の金額にプラスして、送料や消費税、手数料が加算されるためです。
このような追加費用は消費者の購入意欲を減退させ、カゴ落ちを発生させてしまう可能性が高まります。
決済手段が少ない
決済手段が少ないと、離脱率が上がると言われています。
例えば、クレジットカードや電子マネーだけしか決済手段が選べないと、コンビニや銀行振込で支払いたい人は購入を諦めてしまうでしょう。
代引きなど主要な支払方法を洗い出し、自分のサイトと照らし合わせてみるのがおすすめです。
発送予定日が遅い・わからない
多くの消費者は商品を早く手に入れたいと思っています。
そのため、発送予定日が明確に表示されていなかったり遅かったりすると、それがサイトの離脱率を高める原因に。
また、競合サイトの方が発送日が早い場合は、ユーザーを奪われてしまうこともあるでしょう。
返品や交換ができるのかわからない
実際に商品を手に取って確認できないのがECのデメリット。
買った商品を返品したり交換したりできるのかは、ユーザーにとって重要なポイントです。
しかし、返品ポリシーが記載されていない場合、ユーザーはリスクを避けるために購入を見送り、結果的にカゴ落ちに繋がってしまいます。
サイトへの不信感
知名度の低い小規模なECサイトほど消費者に警戒心を抱かれやすく、それがカゴ落ちの理由となりえます。
サイトのデザインが簡素だったり、返品ポリシーが表示されていなかったりすると、なおさらサイトへの不信感は高まります。
特にクレジットカードの情報の登録には慎重になる人が多いため、サイトのポリシーやデザインにはある程度凝る必要があるでしょう。
webサイトのエラー
webサイトのエラーとはサイトの表示速度が遅い、ページが正しく表示されないなどの問題を指します。
いざ決済情報を入力しているとページが落ちてしまうといった場合、ユーザーは購入意欲がなくなり、カゴ落ちに繋がってしまいます。
このようなエラーは、ユーザーの不信感や不満を引き起こしてしまい、結果的にサイトの離脱率を高めてしまうでしょう。
ECやShopifyのカゴ落ち対策を解説
ECやShopifyのカゴ落ちはポップアップ表示などの対策で防止できます。
ここではサイトの離脱率を下げるため、EC担当者がやるべきことを紹介します。
ポップアップ表示
「今購入すると10%OFF」や「残り2点」などのポップアップを表示すると、カートに入れたままの商品が放置される確率を下げることができます。
またShopifyではアプリを使うことで、簡単にポップアップ表示を設定することができます。
ゲスト購入やSNSログインを導入する
ユーザーが商品をカートに入れたままの状態になる理由の1つに、諸手続きの面倒さが挙げられます。
この原因に対しては、ゲスト購入やSNSログインを導入することが有効な対策になるでしょう。
ゲスト購入とは、アカウントを作成せずに商品の購入ができる機能。
Shopifyなら基本機能としてゲスト購入が可能です。
税込み表示、送料無料化
税込み表示や送料無料化は、価格の透明性を高め、消費者に信頼感を与える効果があります。
送料無料化ができない場合でも、商品の紹介ページに送料をわかりやすく掲載しておくと効果的です。
もしくはカートに入れた時点で合計金額が表示されるような仕組みを作ると、ユーザーに親切なサイトとして評価されるでしょう。
決済手段を増やす
決済手段を増やすことでお客様のニーズに応えることができるので、カゴ落ちの確率を下げることができます。
クレジットカード払いのほかにも、コンビニ払いや電子マネー、後払いなど多様な選択肢を用意しておきましょう。
発送予定日を早くする
多くの人はできるだけ早く商品が欲しいので、発送予定日を短くすることで消費者の購買意欲を高めることができます。
発送予定日を短くするには在庫管理や物流の効率化などが必要ですが、カゴ落ち対策として十分な効果が見込めるでしょう。
返品・交換サービスの実施
返品・交換サービスを実施することで、購入しようか迷っている消費者に最後の後押しすることができます。
また返品・交換サービスにより販売元への信頼を高める効果が期待できるので、結果的にサイトの離脱率を下げることができるでしょう。
セキュリティ対策の強化
ECサイトで行っているセキュリティ対策についてページ内に明記することで、消費者に信頼感を与えることができます。
具体的なセキュリティ対策としては、SSLサーバー証明書のロゴ表示などが挙げられます。
またサイト上でのエラーが度々発生する際には、サーバーを変更するといった対策も取りましょう。
カゴ落ちメールの配信
カゴ落ちメールとは、商品がカートに入ったままであることをユーザーに知らせるメールのことを指します。
ユーザーの中には、自分で商品をカートに入れたことを忘れている人も。
そんな人にカゴ落ちメールを送信することで、ユーザーの購買意欲を再び高めることが期待できます。
またShopifyには自動でカゴ落ちメールを送信する機能もあります。
カゴ落ちの確率を下げるメール配信のコツとは
カゴ落ちメールはやみくもに送れば良いというものではありません。
ここでは、商品の購入へとECやShopifyのユーザーを促すメールの送り方を紹介します。
最適なタイミングで送る
カゴ落ちメールを送る最適なタイミングは、3回あると言われています。
1回目はカートに入れてから3時間後、2回目は24時間後、最後は7日後です。
あまりにも頻繁に送るとユーザーにブロックされてしまうことがるので、送る頻度にも注意しましょう。
ユーザーのためになる情報を送る
カゴ落ちメールにはセール情報やクーポン、商品の使い方などユーザーのためになる情報を載せると、見てもらいやすくなります。
このような情報は販売元に対する好感度を高め、カートに入れたまま放置されていた商品にユーザーが再び興味を示してくれるかもしれません。
HTMLメールを送る
HTMLメールを送ると、カゴ落ちの確率を下げることができます。
なぜならHTMLメールはテキストメールよりも視覚的に訴求力が高く、ユーザーの興味を引きやすいからです。
またHTMLメールで文字の色やサイズ、フォントなどを自在に変えることで、重要なメッセージを強調することもできます。
還移先をわかりやすく載せる
還移先とは、メールからカートや購入ページに戻るためのリンクやボタンのことです。
カゴ落ちメールを送っても、還移先がわかりづらいとユーザーはカートに戻るのが面倒だと感じてしまうかもしれません。
そのためカゴ落ちメールには、還移先をわかりやすく載せることが肝心です。
まとめ
今回は、カゴ落ちの原因や対策について詳しく解説しました。
カゴ落ちとは、ECサイトやShopifyのユーザーが商品をカートに入れたまま放置する現象です。
カゴ落ちはECサイトの売上に大きな影響を与える問題ですが、対策を講じることでカート内の商品が放置される確率を確実に下げることができます。
カゴ落ちメールの配信などEC担当者にできることはたくさんあるので、できることから慌てずに対処していきましょう。