EC市場の拡大に伴い、近年、受発注業務の自動化が注目されています。
受発注システムやAIによる需要予測など、自動化技術の進歩は目まぐるしいですが、今後受発注を取り巻く環境はどのように変化するのでしょうか。
この記事では受発注業務の今後や課題、さらには受発注業務と切っては切り離せないEC市場の動向についても解説します。
受発注業務の今後はどうなる?
ECサイトにおける受発注業務は多岐にわたるため、受発注の効率化・自動化が重要です。
注文数が増えて在庫切れが発生したり、入力ミスが発生したりすると、売上減少や顧客満足度低下の恐れも。
そんな中、2020年からはコロナ渦への対応として受発注システムの導入が進み、市場規模は年々増加。
さらなるEC市場の拡大に対応するため、受発注システムとともにAIやロボットなど高度な技術を活用したサービスが広がるでしょう。
EC市場は成長を続けている
EC市場は、BtoBおよびBtoCの両分野で成長を続けています。
経済産業省が公表した『令和5年度 電子商取引に関する市場調査』によると、2023年のEC市場規模はBtoB領域において前年比10.7%増。
さらに同調査では、2023年のBtoC領域におけるEC市場規模は、前年と比べ9.23%増加したと報告しています。
特に、BtoC領域におけるサービス系分野の市場規模は、前年に比べ22.27%と急激に拡大していました。
過去数年の推移を見ても、BtoB、BtoCのEC市場規模は概ね右肩上がりで拡大しており、今後も成長が続くことが予想されます。
参考資料:令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました
EC市場が成長している理由を解説
EC市場が拡大した背景には、複数の要因があります。
要因の一つは、スマートフォンやパソコンの普及により、消費者が手軽にオンラインショッピングを利用できる環境が整ったことです。
またスマホの普及に伴い、SNSを介して企業が消費者をECサイトへ誘導しやすくなったことも、EC市場拡大を後押ししました。
もう一つの要因は、コロナ禍により非対面での購買活動が広く受け入れられるようになったことです。
コロナ渦以降の世の中では、テレワークなどITを使ったコミュニケーションが当たり前になりました。
そのような時代の流れの中、ECの利用も人々の生活に浸透していったのです。
受発注業務の課題
EC市場の成長に伴い、オンラインショッピングの注文数は今後増えることが予想されます。
しかし少子高齢化により労働力不足が社会問題になる中、受発注業務においても人材を確保することは困難です。
このような状況を放置すれば、注文への対応が遅れ、顧客満足度が低下する恐れがあります。
さらに受発注担当者の負担がますます増大し、業務の属人化も進むでしょう。
EC市場のさらなる拡大を見据え、業務の自動化を進めることが今後の受発注業務の課題です。
受発注業務の最新トレンドとは
慢性的な人手不足や、EC需要の高まりに企業が対応するため、受発注業務の効率化は急務です。
ここでは受発注システムやRPA、AI化など、受発注業務の最新トレンドを詳しく解説します。
自動化
多くの企業では業務の効率化を目的に、受発注業務の自動化を進めています。
しかし一口に自動化といっても、その方法はマクロやVBA、受発注システムなど様々。
以下の見出しでは、受発注業務を自動化する方法を詳しく紹介します。
マクロやVBA
受発注業務では、マクロやVBAを活用した業務の効率化が進んでいます。
マクロとはコンピューターの操作を自動化するプログラムで、主にExcelのルーチンワークを効率化する際に使用するものです。
またVBAとはMicrosoft Office製品内で動作するプログラミング言語で、こちらも業務の自動化に優れています。
マクロやVBAを活用することで、表作成、集計などの作業を自動化し、処理のミスを減らしながら業務の効率化が可能です。
しかしマクロやVBAの活用には専門知識が必要なため、受発注業務が属人化につながる恐れがあります。
RPA(Robotic Process Automation)
RPA(Robotic Process Automation)とは、人間が行う定型業務をソフトウェアロボットで自動化する技術です。
ロボットに指示を出すことで、データ入力、データ収集などのルーチンワークを人の代わりに行ってくれます。
RPA活用のメリットは、ロボットが365日24時間、受発注業務に対応してくれること。
しかしRPAはブラックボックス化しやすく、ロボットが間違った指示を出しても担当者が気付きにくい場合があります。
受発注システム
受発注システムとは、商品やサービスの注文(発注)と、それに対する受注を効率的に管理するためのシステムです。
具体的な機能としては、注文の入力や確認、指示書、納品書、請求書などの作成がシステム上で行えるうえ、データの一元管理が可能。
注文を得意先に直接入力してもらうことも可能で、その場合、FAXや電話注文でありがちな注文書への転写ミスをなくすことができます。
またリアルタイムでのデータ更新や閲覧ができるため、総務、物流、営業など部署間での情報共有もスムーズになります。
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さらに要望に合わせた機能のカスタマイズができることも、「urutto(うるっと)」が選ばれる理由です。
例えば得意先ごとに表示する商品や価格を変えたりなど、細かな部分まで自由自在に設定が可能。
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AI化
近年、受発注業務ではAI化が加速しています。
まだまだ活用事例は少ないものの、今後AI技術が進歩することで、受発注業務を飛躍的に効率化させる可能性を秘めています。
例えば、将来的にAIを使った受発注システムがビックデータの解析できるようになれば、より正確な需要予測が可能になるでしょう。
受発注業務でAIができること
AIはすでに、一部の受注業務に活用されています。
例えば、AIは過去の注文データから今後の需要を予測し、最適な発注数を決めることができます。
従来の需要予測では、データサイエンティストが仮説を基に、複数のモデルと説明変数との関係性を一つずつ確かめていました。
しかし、AIは過去データに基づく機械学習により自動的に予測を行うため、従来の方法よりも格段に効率的です。
AI予測を行うためには大量のデータをAIにインプットする必要がありますが、蓄積データが増えるほど予測精度は高まります。
AIの具体的な活用例
AIを受発注に活用している事例として、伊藤園の取り組みを紹介します。
伊藤園は受注業務の効率化を目的に、「発注書AI-OCR(invox)」とその新機能の「REFAX機能」を導入しました。
伊藤園では両ツールの導入により、FAXやメールで受け取った発注書をAIでデジタル化し、基幹システムに自動でデータを取り込めるようになりました。
その結果、従来1件あたり3分以上かかっていた受注からデータ入力までの作業が30秒ほどで行えるようになり、大幅な業務効率化に成功しています。
参考資料:伊藤園、発注書をAIでデジタル化–受注業務のさらなる効率化へ
受発注業務を自動化・AI化するメリットとデメリット
受発注業務を自動化、AI化するには、メリットとデメリットの両方があります。
導入を検討している人は、以下のポイントを踏まえておきましょう。
メリット
AI発注のメリットは、業務の効率化と精度の向上です。
AIを活用することで、手動入力を減らし、発注処理の時間を大幅に短縮できます。
さらにAIは過去のデータを学習し、需要予測や在庫管理を最適化できるため無駄な発注や在庫不足を防ぎます。
またAI発注では手作業の発注に比べ、エラーの発生率が減少するため、顧客からの信頼を高めることにもつながるでしょう。
デメリット
AI発注のデメリットは、まず初期導入コストが高いことです。
またAIの学習には一定のデータ量が必要で、十分なデータが揃わない場合、予測精度や自動化の効果が限定的になることも。
さらにシステム障害やバグが発生した際には、業務が停止するリスクがあり、従業員の技術的な対応力やトラブルシューティングのスキルも求められます。
まとめ
今回は受発注業務やEC市場の動向や今後の展望について考えていきました。
EC市場の拡大に伴い受発注業務の負担が増える中、最近では受発注システムを導入する企業が増えてきました。
また最新のトレンドとしてロボットやAIを使った受発注も注目を集めています。
しかし受発注業務の自動化には費用や時間が掛かるため、費用対効果を考慮したうえで導入を検討することが重要です。