在庫管理は必要?これからは受発注システムで在庫管理をする時代

倉庫内で商品の在庫を確認する様子

受発注業務を行っている方にとっては、在庫管理をどのようにするかは喫緊の課題とも言えるでしょう。
あまりにも在庫が多すぎてもいけないし、かといって少なすぎて欠品を出すようでもいけません。
的確な在庫管理を行うことで業績を上げることができます。

今回は、在庫管理がいかに重要か、またBtoB受発注業務をするにあたってどのような在庫管理をすれば良いのかを解説していきます。


この記事を書いた人:受発注ライフ編集部

『受発注ライフ』は、2024年3月22日に誕生した、株式会社カンナートのWebメディアです。
株式会社カンナートは西新宿にある創業20年目のシステム開発会社です。
このメディアでは、受発注業務物流、通販にお困りごとのある方々に向けて、 業務改善のアイデア業界の新しい動向などを発信していきます。


在庫管理はなぜ必要?

まず在庫管理の重要性について見ていきましょう。
少数の物品しか取り扱っていない企業にとっては在庫管理は比較的楽です。
一方で、多くの商品を取り扱っている企業になればなるほど在庫管理は大変になっていきます。

あの商品は今どのくらい在庫があって、この商品はもうじき欠品しそうだ、といったことをいちいち管理するのはとても難しいです。

そのため、受発注業務を行ったことがある人は、果たしてこんな大変な在庫管理をする必要があるのだろうか、と一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

また、単に商品の在庫を管理するだけが在庫管理ではありません。
在庫を補完するための倉庫代なども管理しておく必要があります。
もちろん1ヶ月だけ在庫を倉庫においておく、というのならば経費は微々たるものです。

しかしながら、一般的な企業なら1年2年と在庫を保管しておくのが当たり前でしょうから、それにつれて倉庫のレンタル代などもかさんでいきます。
この費用をうまくカットできれば、経営も楽になるのではないだろうか、と考えるのも当然です。

こうしたことが背景にある中で、労力もコストもかかる在庫管理をする必要性はどこにあるのでしょうか。

在庫管理がうまくできていれば業務が効率化できる

顧客に対してすばやく商品を提供するのは企業の義務とも言えるでしょう。
にもかかわらず、在庫管理を疎かにした結果商品がどこにあるかわからない、といった事態が起こってしまえば、顧客の信頼を損ねかねません。
一方で、在庫管理をしっかりと行った結果すぐに商品を顧客に届けることができた、という風になればむしろ信頼を得ることにつながります。

このように、在庫管理をすることで受発注業務が効率化でき、結果的に企業の利益につながるという側面は見逃してはいけません。

また、欠品にともなう機会損失を防ぐことができる点で在庫管理は欠かしてはいけません。
欠品したとわかり次第補充すれば良いという考えはもっともなことです。

しかしながら、場合によっては同じ商品の受注がたくさん舞い込んできた、ということもあり得るでしょう。

たとえば、現在1個しか在庫がない商品に、急に2個の受注がかかったとなったら、その時点で一人の顧客を失う可能性もあります。

こうなる前に在庫管理をしっかりと行っておけば、この商品はすでに在庫が切れかけているので、もしもの時のために補充しておこう、といった具合に機会損失を防ぐことができるでしょう。

在庫管理をするメリット、しないデメリット

ここまで在庫管理の重要性を見てきましたが、中には具体的なメリットを教えてくれないといまいちやるべきかどうかわからない、という人もいるでしょう。

先ほど在庫管理をすることである程度のコストがかかるのは避けられない、という話をしました。
在庫管理担当の人件費や管理場所の費用などなど、確かに在庫管理をするにしてもお金はかかります。
一方で、在庫管理をすることで逆にコストカットができる面も見落としてはいけません。

たとえば、なかなか売れない商品の在庫を過剰に抱えてしまいがちといったことは誰もが経験したことがあるでしょう。
もちろん、この商品はなかなか売れないといったことをしっかりと把握していれば問題はありません。
とはいえ、データにもとづいて在庫管理を行っていないと、どの商品がよく受注がかかって、どの商品があまり受注がかからないのかということはなかなかわからないでしょう。

人は思い込みしやすい生き物です。半年前はこの商品がよく売れていたから、在庫を多めに補充しておこうというケースはよくあります。
とはいえ、半年前に売れていた商品が今も売れるとは限りません。
受注が減っているのに気づかないまま補充だけは多いという事態はよく起こり得ることです。
その結果、適切な商品補充ができず余計な在庫にコストをかけることになりかねません。

在庫管理さえしっかりと行っておけばこうした事態は防げ、むしろコストカットにつながるのです。

在庫管理を怠ると商品の質を悪くしてしまう?

続いて、在庫管理を行わないことで生じるデメリットについて見ていきましょう。
たとえば、食品のようなすぐに悪くなってしまいがちな商品を扱っている場合、在庫管理はなおのこと大切な業務になります。
このような業界で在庫管理を怠ってしまったら、どのようなことが起こってしまうでしょうか。

急に受注がやってきて、在庫をチェックしたら賞味期限切れのものしか残っていなかったというのは容易に考えられます。
このため、商品の質を保つという意味でも在庫管理はとても大切なのです。
何もこれは食品に限った話ではありません。

在庫管理を適切に行っていれば、良い品質の商品を顧客に届けられるようになるでしょう。

これからはシステムを使って在庫管理を行う時代

これまで在庫管理は書類などを使ってまとめるのが一般的でした。
もっとも、人間の手で在庫を管理するのはとても労力がかかります。
管理中に集中力が切れて、ミスが起こる可能性も十分にあるでしょう。
在庫管理にまつわるネガティブなイメージは、すべてこうした人力での管理の大変さにもとづいているものです。

一方で、最近では専用のシステムを使って在庫管理ができるようになってきました。
もちろん、こういったシステムを導入するためにはある程度コストがかかります。
とはいえ、導入することで得られる効率化やメリットなども踏まえると、十分にコストをかける価値はあると言えるでしょう。
また、ミスを防ぎやすくなるという利点も見逃せません。

在庫管理システムは基本的に自動で在庫をチェックしてくれるので、手入力で生じがちなミスが一切なくなります。

予測システムにもとづいた在庫管理も可能に

また、こうしたシステムを導入することでしか得られないメリットも存在します。
それは過去の在庫動向の動きを見ながら、どの商品をどれくらい補充すれば適切な管理ができるかを提案してくれる機能です。

在庫管理をするにあたって、どれくらい商品を補充すれば良いのかは常に悩ましい問題でしょう。
もちろん、過去のデータにもとづいて管理することは人間にも可能です。
しかしながら、過去数か月のデータを見るだけでも大変ですし、一つひとつの商品の在庫動向を予測するのも困難でしょう。

一方で、システムに頼りさえすれば、こうしたデータ分析や在庫補充の提案も瞬時に行ってくれます。
こうしたシステムを導入すれば人間の労力を削がずに済み、ほかの仕事に回すことが可能になるでしょう。

まとめ

今回は、在庫管理のメリットやシステムを導入するとどんな恩恵を得られるか、ということを見てきました。
特に物を売り買いするタイプの業界にいるならば、在庫管理は欠かせない業務となります。
在庫管理を徹底すればすぐさま企業の利益に直結するといっても過言ではないでしょう。

適切な在庫管理の体制を整え、営業担当が心置きなく売り込みができるよう、スムーズな運営を目指しましょう。

woman in green long sleeve shirt standing in front of clear glass jars

在庫引当とは? 意味や有効在庫との関係性、システムで管理できるかも解説

物流業務において適切な在庫管理と行うには「在庫引当」の考え方が重要です。しかし引当とは、どのような作業なのかわからない人も多いでしょう。記事では、引当の意味や在庫を引き当てる方法、物流業務におけるメリットをわかりやすく解説します。さらに引当…...
a display in a grocery store filled with lots of food

安全在庫って? 計算式や安全係数、適正在庫との違いについても解説

ネットショップの運営を成功させるために重要なのが在庫管理。在庫量を常に適切に保って欠品による機会損失を防ぐためには、安全在庫の確保は必須です。今回は安全在庫に関する基本的な考え方や計算式、安全係数や適正在庫との違いなどについて解説していきま…...