【国際宅急便】クーリエとは? 物流における重要性や意味、EMSとの違いも

blue and red cargo ship on sea during daytime

貿易実務や海外への荷物発送で耳にするクーリエ(国際宅急便)とはどのような意味でしょうか。
記事ではクーリエの物流における役割やEMSとの意味の違いを紹介します。
さらに海外に荷物を送りたいときに、クーリエとEMSのどちらを使うべきか判断のポイントも解説。
貿易・物流に携わる人や海外に荷物発送する機会が多い人はぜひチェックしてみてください。

クーリエとは

brown cardboard boxes on yellow table

ここからはクーリエの意味を説明するとともに、クーリエの有名な企業や特色を紹介。
また貿易業務や国際物流でよく耳にする、フォワーダーとの意味の違いについても説明します。

クーリエの意味とは

クーリエとは国際宅急便・宅配便のことで、海外へ荷物を送りたいときに利用できる配送サービスです。
一般的に、海外へ荷物を送りたいときは通関書類などを準備する必要があります。
しかしクーリエには通関士がいるため、通関業務を代行してもらえるのがポイント。
日本国内に荷物を送るのと同じくらいの手軽さで、海外に荷物を送れるのがクーリエを使うメリットです。

クーリエの有名な物流業者は

FedExやDHL、TNTエクスプレスといった会社などが、クーリエの有名な物流業者として挙げられます。
米国に本社を置くFedEx(フェデックス)は、220以上の国・地域に対応しています。
DHLも220以上の国地域でサービスを提供し、細かい時間指定が可能。
それぞれ料金プランや特徴が違うので確認してみましょう。

クーリエとフォワーダーの違いとは

フォワーダーとは貨物を預かり、他業者の船便や航空機などの手段を組み合わせて輸送する業者を意味します。
クーリエと比べて価格が安い傾向があるため、コストを抑えて貿易をしたいときにはフォワーダーを使うのがおすすめ。
一方のクーリエは、配送が速くサービスが豊富な点が特徴です。

EMSとクーリエ(国際宅配便)の違いとは

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EMS(Express Mail Service)とは、各国の郵便事業体で提供されている国際郵便サービスです。
ここではEMSの意味やクーリエ(国際宅急便)との違いについて紹介します。

運営機関・サービスの内容

EMSとは万国郵便連合に加盟している国ならどこでも利用できる、国際郵便サービス。
日本では、郵便局窓口から荷物を送ることができます。
一方のクーリエは通関手続き業務と輸送業務が一体となった、民間企業による国際配送事業です。
このようにEMSとクーリエは、公的サービスか民間事業かという点で大きく違います。
またクーリエでは荷物を輸出品、EMSでは国際郵便として扱う点も、それぞれの違いです。

通関

EMSでは郵便交換局で荷物の税関検査が行われるため、通関手続きはありません。
郵便局窓口に荷物を預けた後、国際郵便局の交換局で税関職員による検査が行われ発送されます。
例外として、商品が高額の場合、(日本では20万円を超える場合)通関手続きを行います。
EMSを利用する場合は税関への輸出入申告が必要ですが、クーリエでは通関士が発送者の代わりに行います。

料金・関税の支払い

EMSでは送り主が荷物の配送料を負担し、受取人が関税を支払うのが一般的です。
しかしクーリエでは、発送者と受取人どちらが配送料や関税を払っても構いません。
そのため発送者が関税を支払いたい場合には、クーリエが使われます。
EMS、クーリエを選ぶ際は、関税や配送料を誰が払うかも念頭に入れておきましょう。

重量

クーリエの方がEMSと比べて重い荷物も扱うことができます。
EMSでは、多くの国で梱包1つにつき30kgか20kgまでの制限がありますが、クーリエでは70kgまでの重量物を対象とする業者も。
またクーリエでは、例えばUPSのように1梱包当たりの重量に制限はあっても、出荷工数や重量には制限がない物流業者もあります。
事業者を選ぶときはどれくらいの重さの荷物を送るかもポイントになります。

配達スピード

一般的にEMSと比べて、クーリエは配達スピードが速いです。
例えば、アジア地域にものを送る場合、EMSは到着までおよそ3日から6日かかることがあります。
一方でクーリエなら、最短で1日で到着することも。
ただしクーリエはEMSよりも配達スピードが速い分、高額な傾向です。
スピードと料金のどちらを優先するかを考えて選ぶサービスを決めましょう。

運送保険

EMSには損害賠償制度が備わっていますが、クーリエにはほとんどの場合ありません。
EMSの保険では発送するものが2万円を超える場合、荷物が損害を被った際に上限200万円が補償されます。
そのため荷物の破損や紛失にしっかりと備えたいなら、EMSを選ぶと安心です。
クーリエの中には運送保険制度を選べるプランを用意している物流企業もあるのでチェックしてみてください。

クーリエの流れ

pile of cardboard boxes

国際宅急便であるクーリエ(国際宅急便)を利用するときの手順を解説します。
手続きミスによって配達に時間がかかってしまうと、クーリエで貿易するメリットがなくなってしまうのでよくチェックしましょう。

輸出できるか内容を確認する

クーリエでは送れない商品もあるので事前に確認しましょう。
例として現金や生鮮食品、たばこ、パスポート、酒類、貴金属のほか、ワシントン条約に抵触するものは禁止されています。
また日本国内へ通常送ることができない物品は同じように配達できません。
配達先で輸入禁止になっていないかなどもよく確認しておきましょう。

貿易書類の準備

次に送り状を作成します。
事業者ごとにフォーマットや形式が異なるため、指示に沿って必要事項を記入してください。
記入した送り状を荷物に貼るケースもあれば、事業者によってはWebで情報を入力する場合もあります。
書類以外のものを発送する場合は、貿易書類のインボイスを3部準備してください。

集荷を手配

集荷の手配は電話やwebで行うことが一般的です。
電話で集荷依頼する場合は、業者に集荷希望日時だけでなく、送る荷物の大きさや個数を伝えます。
Webで集荷を頼む場合、情報登録時に日時を指定するケースが多いです。
また事業者によってはアプリから集荷を受けている企業もあります。

通関手続き・配達

集荷された後はクーリエの通関士が貨物の通関手続きを行い、完了すると荷物が発送されます。
クーリエを使う場合、発送者や受取人側で輸出入の手続きを行う必要はなく、送り主は送り状やインボイスの準備だけで発送できます。

海外に荷物を発送するならどっち?

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ここまででクーリエとEMSのそれぞれの特徴違いや意味について理解できたでしょうか。
いざ荷物を海外に発送するときにどちらを選べばよいか、ケースごとに解説します。

クーリエがおすすめの場合

荷物をなるべく早く海外に届けたい場合は、国際宅急便のクーリエを使うのがおすすめ。
業者やエリアによって異なりますが、EMSよりもクーリエのほうが配送が速いケースが多いからです。
また関税の高い国に商品を送りたい場合、受取人ではなく発送者側で負担を検討したいときもあるでしょう。
その場合は発送者が送料・関税の支払いをできる、クーリエを検討するとよいでしょう。

EMSがおすすめの場合

送料を安く済ませたい場合はEMSがおすすめです。
また発送先の国の関税が安い・かからない場合もEMSが向いています。
EMSでは関税の支払いを受取人が負担しますが、その負担が少ないと判断すればEMSを選ぶとよいでしょう。
またEMSでは2万円以上のものを送る場合に損害賠償制度が備わっているので、商品の破損リスクに備えるならEMSを選ぶべきです。

まとめ

記事では貿易や国際物流で重要な役割を果たす国際宅急便クーリエとは何かや、EMSとの違い、サービス概要を説明しました。
クーリエの大きなメリットは自分で通関手続きをぜずに海外にものを送れること。
荷物を海外に送る際、EMSを選ぶかクーリエを選ぶか迷った場合は、希望する配送スピードや予算を考えて選択しましょう。
また事前に、発送物がクーリエの対象であるかもよくチェックしてください。