荷受けとは主に商品を倉庫や物流センターなどで受け取る業務を指しますが、実際の仕事内容は多岐にわたります。
そこでこの記事では、荷受けとは何かや仕事内容、受取人やコンサイニーなどの用語の意味について分かりやすく解説。
さらに荷受け業務を遂行するのに適した人物像やスキル、業務上の注意点もまとめたので、荷受け業務に興味がある人は参考にしてください。
荷受けとは?
荷受けとは、物流や運送業界で荷物を受け入れる作業のこと。
主に物流センターや倉庫で行われる作業で、荷物の積み下ろしや倉庫への入庫といった荷役の他、商品検品や入庫業務を指します。
荷受けの際には、商品が安全かつ効率的に保管場所へと移動できるように準備が必要。
そのため事前に配送される商品を確認したりスムーズな受け入れルートを決定したりすることも、荷受け業務において欠かせません。
荷受人と受取人、荷受人とコンサイニーの違い
輸出入の現場でよく使われる荷受けや受取人、コンサイニーなどの用語の意味を解説します。
それぞれの用語の意味や違いを理解しておきましょう。
荷受人と受取人の違いは?
荷受人とは、荷物の配送先である倉庫や物流センターで商品を受け取る担当者のこと。
一方で、受取人とは荷物の最終的な受け取り人、つまり荷物の所有者を意味します。
輸入業界においては受取人が荷受人になっているケースも多く、同じ意味で使われるケースも多いです。
荷受人とコンサイニーの違いは?
コンサイニーとは荷受人の意味です。
一般的には受取人が荷受人になるため、通関書類上で受取人をコンサイニーと記載する場合が多いです。
ただし会社によっては納入先をコンサイニーと呼ぶケースもあり、コンサイニーの使い方には各社でバラつきがあります。
荷受けは場所によって業務内容が違う
荷受けの業務内容とは、基本的には届いた荷物を受け取り倉庫などに保管する業務です。
ただし受け取る場所によって、荷受けが担う業務範囲には違いがあります。
倉庫業務や物流センター
顧客が商品を注文した後、商品は集荷場所からいったん倉庫や物流センターに荷物が運ばれて荷受けされます。
ここでの荷受け作業とは、届いた荷物を受け取るだけではなく故障や欠品がないかのチェック業務も含まれます。
これら検品作業も含めて荷受け業務とされるケースが多いです。
小売店での荷受け
小売店での荷受けでも、まずは倉庫や物流センターから届いた荷物を受け取ります。
届いた荷物は店舗ごとの売り場に並べられますが、それぞれの売り場に荷物を分配し届ける作業も小売店の荷受け業務に含まれています。
宅配での荷受け
宅配での荷受け業務には、業種の特性上さまざまなものが含まれます。
個人や法人が配送した荷物は宅配業者の物流センターに運ばれます。
これらの貨物をまとめて引き受ける作業が、宅配業者における荷受けです。
さらに、センター内で行われる伝票処理や荷積み補助なども荷受けに含まれる場合があります。
荷受けの例
物流倉庫でどのように荷受け業務を行っているのか事例を紹介します。
まず事前準備として、荷受けを行う前にどの商品が届くのか確認し、荷受けしたものを保管するスペースを決めておきます。
ここでは次々と到着するトラックに手際よく対応できるよう、作業スタッフと密な連携を取ることがポイント。
また大量の荷物を荷受けする際は、フォークリフトなどの機械を使用するのが一般的です。
荷受人が求められるスキル
コンサイニーには、荷物の受け取りから保管までの一連の流れをスムーズに管理するためのスキルが必要です。
以下で紹介する能力は、物流の効率性と正確性を高める上で欠かせない能力となります。
臨機応変な対応能力
荷受け業務では、予期せぬ状況に柔軟に対応する能力が求められます。
例えばトラックの到着時間が変更したり、予定外の荷物が到着したりなど予定外の出来事は日常茶飯事です。
そのため日々刻々と変わる状況に対して、迅速かつ的確に対処する能力が必要です。
コミュニケーション能力
荷受け業務は、荷物を届けるトラック運転手や倉庫作業員との円滑なコミュニケーションも不可欠です。
荷物は次々と届くためスピード感を持って運搬しなくてはいけませんが、担当者と良好な関係であれば協力的に作業できるでしょう。
管理能力
荷受け業務には荷物の仕分けや保管場所の管理、在庫の確認といった複数の管理業務が伴います。
そのためケアレスミスを起こさないよう、丁寧に物事に取り組む能力が荷受け業務には必要です。
ただし最近ではハンディスキャナーなどのシステム導入をする企業が増え、以前よりも管理業務の負担は減っています。
高い集中力・注意力
荷物の受け取りや仕分け作業では、細心の注意を払う必要があります。
届いた荷物に破損や荷崩れが起きていないかチェックする検品業務や、入出荷処理などもミスが許されない業務です。
また大事な業務でミスが発生しないよう業務の流れをマニュアル化し、ルールや手順を明確化することも大切です。
体力・気力
荷受け作業は、体力も気力もいる仕事です。
荷受けではフォークリフトを使うことも多いですが、状況によっては人力で重たい荷物を運ばなければなりません。
また一度に大量の荷物をさばく場合には、作業が長時間にわたってもへこたれないだけの気力が必要となります。
荷受作業で注意するポイント
荷受作業で最も注意すべきポイントは、荷物の状態をしっかりチェックすることです。
荷受人には受け取った商品を、良好な状態で次の行き先に届ける義務があります。
もし不良品を見逃して荷物を受け取った場合、荷受け担当者の責任になってしまうケースもあるため注意しましょう。
見た目の破損だけでなく荷物の重量もこまかく確認し、欠品が発生していないかも確認してください。
荷受人になるための方法
荷受人になるには、倉庫作業員や物流関連の求人情報から直接募集している企業に応募する方法があります。
また製造業などの工場内で働き始めた後、同じ会社内で荷受作業に関わるポジションへの異動を希望できる場合も。
工場での製造作業を経て荷受人になった場合、複数の業務経験があるため管理職に昇進しやすくなる点もメリットです。
まとめ
この記事では荷受け業務の概要や、コンサイニー、荷受人、受取人など荷受けと関連する用語の意味について説明しました。
荷受け業務は、荷物を正しく安全に目的地までに届けるため必要不可欠な仕事。
コンサイニーには、手際よく荷物を運ぶ能力や臨機応変さなどあらゆる能力が求められます。
責任感や個人の能力も求められる一方で、自分自身の力で仕事を進めたい人にとってはやりがいのある仕事となるでしょう。