商品のパッケージや乗車券など、日常生活の中でもよく見かけるバーコード。
スキャンするだけで情報を認識できる便利なシステムですが、どのような仕組みでバーコード名は構成されているのでしょうか。
この記事ではバーコードの必要性や種類の一覧表、読み取る仕組み、13桁の番号が持つ意味などを解説。
さらにJANコードとバーコードの違いやQRコードとの見分け方、JANコードはなくてもいいのかも詳しく説明します。
バーコードとは
バーコードとは、商品や情報を識別するために使用されるコードです。
13桁のバーコードは黒いバーと白いスペースの組み合わせで成り立っていて、スキャナーで読み取ると瞬時に情報をデジタルデータとして認識します。
バーコードの各桁数が表わす情報は、国名や業種、商品名、価格など。
商品管理や販売手続きなどあらゆる業務に、バーコードは役立てられています。
バーコードの仕組み
バーコードの各桁数には、それぞれ意味があります。
ここではバーコード名を構成するいくつかのパーツについて、その仕組みを解説。
1.クワイエットゾーン(マージン)
バーコードのクワイエットゾーンは、バーコードの両端にある空白部分を意味します。
このゾーンの広さが不十分だと、バーコードリーダーがコードを正確に読み取れません。
JANコードのクワイエットゾーンは左右非対称で、左側が広めに取られています。
2. スタート/ストップキャラクタ
バーコードのスタート/ストップキャラクタは、バーコードの読み取り開始と終了を意味する文字です。
バーコードの種類によって異なるスタート/ストップキャラクタが設定されていて、例えばNW-7では「A」から「D」までの桁数を使用。
これにより、どちらの方向からもバーコードを認識できます。
3. データ(メッセージ)
バーコードのデータ(メッセージ)は、商品や情報を識別するための縞模様のコードです。
このコードは太さの異なる線で構成され、番号や文字などの情報を表しています。
データに含まれる情報はメーカーコードや商品コードなど様々です。
4. チェックデジット
チェックデジットはデータ入力や読み取りの際の誤りを防ぐための検査用の数字。
例えば13桁のJANコードにおいてチェックデジットは最後の1桁。
この数字は特定の計算方法によって、前の12桁の番号から導き出されます。
もしデータ認識時に数字が一致しなければ、エラーがあると判断されます。
JANコードの13桁の番号が持つ意味
一般的な生活用品にマークされているJANコード。
JANコードの13桁の番号は、桁数ごとにそれぞれ違う意味を持っています。
まず先頭の2桁が意味するのは国コードで、日本のコード番号は49か45です。
続く7桁の数字は企業コード、その次の3つの桁数は商品アイテムコードを意味します。
最後の1桁は先の見出しで説明した、チェックデジットです。
国コードと企業コードに関しては、GS1という世界中のバーコードを管理している団体が割り振るため、他の事業者と番号が被ることはありません。
一方で商品コードの桁数に関しては、各事業者が独自に設定することができます。
バーコードが読み取られる仕組み
バーコードを認識する際には、バーコードスキャナーでスキャンを行います。
バーコードスキャナーとはバーとスペースのパターンを解析し、そのパターンを特定のデータに変換するための装置。
スキャナーには光源とセンサーが内蔵されています。
バーコードをスキャンすると、反射光の強弱を捉えてデジタル信号に変換し、情報を読み取る仕組みとなっています。
バーコードの白と黒の部分はその太さにより異なる数字や文字を表し、その比率が正確でないとバーコードスキャナーで上手く読み取れません。
JANコードとバーコードの違い
JANコードとバーコードの違いはどこにあるのでしょうか。
JANコードとはバーコードの1つで、日本で最も一般的に使用されているタイプのバーコードです。
実はJANコードは日本国内のみの呼び方で、多くの国々ではEANコードと呼ばれています。
バーコードにはJANコード以外にもQRコードなど様々な種類がありますが、見分け方は後程説明します。
【一次元バーコード】バーコードの種類一覧表
バーコードの種類は、横方向にのみに情報を持つ一次元コードと、横縦両方に情報を持つ二次元バーコードといった種類があります。
ここでは13桁のバーコードなど、一次元バーコードの種類を一覧表にして紹介します。
JANコード/EAN/UPC (JIS規格:JIS-X-0507)
JANコードとは13桁または8桁のバーコードのこと。
国際的なバーコード名はEANで、アメリカやカナダで使われているUPCとも互換性があります。
扱える文字は数字のみで、バーのサイズは4種類で構成されているシンプルな仕組みのバーコードです。
CODE39 (JIS規格:JIS-X-0503)
CODE39は工業分野で広く使われているバーコード規格です。
スタートとストップのキャラクタにはアスタリスク(*)が用いられ、様々な桁数に設定できます。
ただし、他のバーコードに比べてサイズが大きくなるというデメリットもあります。
CODE128 (JIS規格:JIS-X-0504)
CODE128は数字や大文字・小文字のアルファベット、記号、制御コードを含むあらゆる文字で構成できる仕組みのバーコード規格。
特にCODE-Cは2桁の番号を1つのバーパターンで表現できるため、情報密度が高く効率的です。
そのためチェーンストア業界や物流業界、医療材料業界などで利用され始めています。
NW-7 (JIS規格:JIS-X-0506)
NW-7は主に宅配便の配送伝票や図書館の貸し出し管理、会員カードなど、連番が必要なシーンで利用されるバーコード規格。
このコードは狭い(Narrow)と広い(Wide)の2種類のバーの組み合わせと、4本のバー、3本のスペースで構成されています。
ITF (JIS規格: JIS-X-0502)
ITFコードは物流分野で使用されるバーコードの1種で、特に商品がまとめて入っている段ボールなどに印刷されることが多いです。
例えば入荷した商品の内容を確認する際、段ボールを開けずにITFコードをスキャンすることで、中に何がどれだけ入っているかを素早く把握できます。
【二次元バーコード】バーコードの種類一覧表
代表的な二次元バーコードは、QRコードとDataMatrixです。
ここでは二次元バーコードの種類やそれぞれの見分け方を紹介します。
QRコード (JIS規格:JIS-X-0510)
QRコードは、白黒のドットパターンを平面上に配置し、数字や文字を含む多様なデータを二次元で表現できるコードです。
情報量が多く読み取りも速いため、幅広い用途に適しています。
また日本で開発された規格のため、日本語の認識に優れているのが特徴です。
DataMatrix (JIS規格:JIS-X-0512)
DataMatrixは、小さなスペースに多量のデータを格納できる2次元バーコードです。
QRコードとの見分け方のポイントは、QRコードの3つの隅には大きな正方形があるのに対して、DataMatrixには無いこと。
またQRコードよりも面積を抑えられるため、小さい部品に直接貼ることが可能です。
JANコードとQRコードの違い・見分け方
JANコードとQRコードの大きな違いは、読み取れる情報量です。
JANコードは一次元の数字のみから成り立ちますが、QRコードは二次元で数字以外にも文字や記号も含むことが可能。
そのため、QRコードのほうがJANコードよりも多くの情報を格納できます。
見分け方はJANコードは線の集まりなのに対して、QRコードは点のパターンであるという点です。
JANコードの登録方法
JANコードの登録には、まずGS1事業者コードの申請が必要です。
GS1 Japanに登録を行い、9桁または10桁の事業者コードを取得します。
次に、商品ごとに異なる商品アイテムコードを設定し、これにチェックデジットを加えた13桁のJANコードを作成します。
チェックデジットの計算は複雑なため、GS1 Japanのサイトに掲載されている自動計算入力フォームを利用するのがおすすめです。
最後に設定したバーコード名を商品に印刷し、必要な場合はGS1 Japan Data Bankに商品情報を登録します。
JANコードは必要? なくてもいい?
JANコードが必要かなくてもいいかというと、なくてもいいです。
JANコードはあくまでお店側が管理しやすくするために使うもの。
そのため小規模なお店や個人的な取引であれば、JANコードはなくてもいいかもしれません。
JANコードはなくてもいいものですが、取引の信頼性に関わる部分になるので、必要かどうかはお店で判断しましょう。
まとめ
今回はバーコードの仕組みやJANコードとバーコードの違いを紹介。
さらにバーコードの種類の一覧表やJANコードはなくてもいいかも解説しました。
日本で一般的に使われているバーコードは13桁のJANコードで、それ以外にもQRコードなどバーコードの種類は様々です。
バーコードは商品を管理する際に必要ですが、小規模なビジネスではなくてもいい場合もあります。