混載便とは? 混載便料金や路線便との違い、混載輸送について詳しく解説

受発注ライフ,混載便

荷物の配送手段の1つとして物流業界で幅広く利用されている混載便。
混載便は、他の配送手段と比べてメリットの多いサービスです。
その名の通り、混載便とは混載して荷物を運ぶサービスですが、路線便やチャーター便と比べてどのような違いがあるのでしょうか。
そこで今回の記事では、混載便の意味や特徴、チャーター便や路線便との違いについて解説します。
混載便の利用を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

混載便とは?

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混載便とは複数の荷主から集めた荷物を1つのトラックやコンテナに積み込んで運ぶサービスです。トラックを1台丸ごとチャーターする場合、その容量を全て埋めるほどの荷物がないとなかなか割に合いません。一方で混載便なら、少量の荷物でもリーズナブルに運ぶことが可能です。また効率よく運送できるため二酸化炭素の排出量が相対的に少なく、近年ではSDGsの観点からも注目を集めています。

路線便とは?

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路線便とはあらかじめ決められたルートと時間に沿って、荷物を運ぶサービスのことです。
路線便でも混載便と同様に複数の荷主の荷物をまとめて運ぶことから、混載便の1つとして位置付けられることもあります。
また路線便を利用する際、業者に集荷に来てもらうこともできるほか、荷主が路線便の拠点に直接荷物を持ち運ぶことも可能です。

混載便と路線便の違い

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混載便と路線便の違いは、主に取り扱う荷物と配送ルート、価格の3点です。
それぞれのポイントをチェックしてきましょう。

取り扱う荷物の種類

混載便と路線便の違いの1つは、取り扱う荷物の種類です。
路線便では一般的に大型荷物や長尺物、梱包が難しいものなどは運べませんが、混載便では幅広い形状の荷物に対応しています。
また路線便は基本的にBtoBを対象にしているのに対し、混載便は個人も対象にしている点にも違いがあります。

配送ルートが固定か、そうでないか

路線便は配送ルートが固定されているのに対して混載便は固定されていない点も、混載便と路線便の違いです。
路線便ではルートや拠点地があらかじめ決められていて、それに沿ってリレー方式で荷物を運んでいきます。
一方混載便ではルートは決められておらず、集荷場所から届け先までを最短ルートで運送するのが特徴です。

価格

混載便と路線便とでは、価格にも違いがあります。
路線便は混載便と比べてより効率を重視した運送方法であるため、その分路線便の方が割安の場合が多いです。
しかしチャーター便と比べれば、路線便・混載便どちらも安くコストパフォーマンスに優れています。

混載便とチャーター便の違い

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チャーター便とは、荷主がトラックを1台貸し切って運送を行うこと。
混載便とは違い、チャーター便では複数の依頼先に立ち寄らずに届け先まで直行します。
そのため、混載便よりも早く荷物を届け先に届けられるのが特徴。
また混載便と比べるとチャーター便は割高となりやすいですが、たくさんの荷物を1度に送りたい際には効率的な手段です。

混載便料金が決まるポイント

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混載便料金は、荷物の重さや運送距離など複数の項目で決まります。
少し複雑なので、契約する前にしっかりと理解しておきましょう。

実重量

実重量とは、量りに載せた時に表示される実際の重さのこと。
鋼材や木材、建築資材などを扱う際には、実重量が混載便の価格の基準の1つとなることが一般的です。
重量が重いほど、混載便料金は高くなります。

容積重量

容積重量とは荷物の縦、横、高さのサイズから換算される重量で、m3の単位が用いられます。
例え実重量が低かったとしても、容積重量が高い場合にはその荷物はトラック内でスペースを取ります。
そのため混載便料金は実重量と容積重量双方を比較して決められることが多いです。

運送距離

混載便料金は運送距離によっても変動します。
届け先が遠方である場合、燃料費や運転手の人件費がかかるため、あわせて運送距離にかかる料金も上がります。
混載料金は送る荷物の内容だけではなく、運送距離によっても異なることを念頭に置いておきましょう。

その他料金

混載便料金には上記のような通常料金の他に、特別料金や追加料金があります。
例えば、急ぎの配送や納品時間の指定、取り扱いが特殊な荷物については特別料金が課せされることがあります。
また返品や納品後のラック回収などの作業も追加料金で対応してもらえることがあるので、希望する場合は問い合わせてみましょう。

混載輸送のメリット

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混載輸送にはチャーター便、路線便どちらと比較してもメリットがあります。
荷物の配送手段を検討中の人は、混載便のメリットを把握しておきましょう。

チャーター便よりも割安になりやすい

混載輸送の大きなメリットは、チャーター便と比べて割安ということです。
場合によっては荷物の容量と同じサイズのチャーター便を借りるよりも、混載便でその容量分を契約した方が安くなることもあります。
できるだけ配送にかかるコストを削減したい事業者にとって、混載便は便利なサービスです。

路線便よりも選べるサイズが多い

路線便と比較すると、混載便は選べる荷物のサイズが多いのがメリットです。
先程も説明した通り、路線便では大型荷物や長尺物など一部の荷物を取り扱うことが基本的にできません。
一方路線便では、小さな荷物から大きな荷物や特殊物まで、運んでもらえる荷物の範囲が広いです。

混載輸送のデメリット

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混載輸送はメリットも多い一方で、デメリットもあります。
混載輸送が自社に合わないようであれば、チャーター便や路線便の利用も検討してみましょう。

細かい時間指定ができない

混載輸送では運送途中に多くの拠点を経由するため、細かい時間指定ができないことが多いです。
荷物の時間指定が必要な場合は、混載便だけでなくチャーター便や宅急便の利用も検討すると良いでしょう。
また混載便業者の中にも別途料金で納品時間を指定できる業者があるので、契約前に確認するのがおすすめです。

運送に時間がかかる

電車を使って例えるなら、混載便は各駅停車、チャーター便は急行くらいの違いがあるといえます。
ダイレクトに荷物を届けられるチャーター便とは違い、混載便は停留する場所が多いぶん配送に時間がかかることもしばしば。
同じ荷物を運ぶだけでも、チャーター便と混載便では数時間の違いが生じることがあるので注意しましょう。

運送中のトラブルが生じやすい

チャーター便ではスペースに余裕を持って荷物を詰めるなどの工夫により、荷物の破損を防ぐことが可能です。
一方、混載便では荷主がそのような調整をするには限界があり、他の荷主の商品と自社商品が衝突するなどの原因で荷物の破損するリスクがあります。
またチャーター便と比べて誤配送が多いのも混載輸送のデメリットでしょう。

混載輸送はどんな時に選ぶべき?

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混載輸送は、配送コストをとにかく抑えたい人におすすめのサービスです。
特に小量の荷物を運びたい際には、チャーター便に比べて大幅にコストダウンできる可能性があります。
またコスト面だけでは路線便も魅力的ですが、路線便と比べて選べる荷物のサイズが多いのが混載便の特徴。
つまり混載輸送は、少量の荷物や路線便では断られてしまうような特殊な荷物を安く配送したい時に選ぶべきです。

混載便の業者を選ぶポイント

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混載便の業者を選ぶ際は、混載便料金だけでなく配送エリアやサービスの充実度も確認することが重要です。
契約を進める前に、以下のポイントはしっかりと確認しておきましょう。

配送エリア

混載便の業者は、エリアを限定してサービスを展開している企業が多いです。
そのため自社の配送エリアに合う混載便業者を探すことが、まず必要となります。
特に北海道や東北など人口密度が低い地域では、混載便業者が少なかったり、割高だったりすることがあるので注意しましょう。

納期を厳守してくれるか

納期を厳守してくれるかどうかも、運送業者選びの上で重要なポイントです。
特に荷物の送り先が顧客の場合、遅延が頻繁に生じるようであれば会社の信用問題に関わります。
混載便業者の中にはそもそも定期便を運行していない業者もあるので、その点も前もって確認しておきましょう。

サービスの充実度

混載便の業者の中には、納期の調整や再配達などのサービスを提供している企業もあります。
複数の混載便業者を比較する際には、そのようなサービスの充実度を選定基準の1つにするのがおすすめ。
ただし各オプションには追加料金が発生することもあるので、無料か有料かどうかもチェックしておきましょう。

まとめ

今回は混載便の特徴や、混載便を利用するメリット・デメリット、混載便料金などについて解説しました。
混載輸送とは様々な荷主から預かった荷物をトラックに混載して、送り先へ運び届けるサービスです。
料金が安い点がメリットですが配送に時間がかかるなどのデメリットもあるので、チャーター便や路線便との違いを理解したうえで選ぶと良いでしょう。