【マーケティング】顧客分析とは? 手法や項目、フレームワークや目的などを解説

顧客分析、フレームワーク

売上を上げるには、自社の既存顧客やターゲット層を分析する「顧客分析」が欠かせません。
客層や購買行動を把握することで、より効果的なマーケティング施策や商品開発を行えます。
記事では顧客分析の重要性や分析項目、多様なフレームワークを解説。
いくつものフレームワークの中から、分析の目的にマッチした手法を使うことが大事です。
どのように顧客分析すればよいかわからない、売上が上がらないといった悩みを抱えている人はぜひ最後まで記事を読んでみてください。


この記事を書いた人:受発注ライフ編集部

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顧客分析とは?

顧客分析とは、自社の顧客の属性や購買行動などのさまざまな項目を分析することです。
顧客心理やニーズなどを分析して理解することは、顧客が欲しい商品を揃えたり、適切なマーケティングを行ったりするためのヒントになります。
既存顧客だけでなく潜在顧客の掘り起こしもできるため、顧客分析はさらなる売上向上のための重要な手法といえます。

顧客分析を行う目的

a person sitting at a desk with a calculator and a notebook

顧客分析を行う目的はいくつかあります。
目的を理解したうえで、実際のマーケテイングに活かしてください。

客層やターゲットを知るため

顧客分析を行う目的は、ターゲットとなる客層を理解することです。
一説には、売上の8割は顧客の2割により生み出されると言われています。
このような考え方に沿って、ターゲットとなる客層を適切に絞り込むことが売上向上につながるでしょう。

顧客のニーズを知るため

顧客分析によって、既存顧客のニーズや潜在顧客の掘り起こしが可能です。
顧客ニーズを把握するには、商品が売れた理由、売れなかった理由を適切に分析する必要があります。
日々、顧客のニーズが変化する中で、自社と顧客の間でミスマッチが発生しないように顧客分析を行いニーズのすり合わせをすることが大事です。

顧客分析の分析項目

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顧客分析における分析項目は、業種や商材によって異なりますが、以下のような項目が使われることが多いです。
例えば、性別や年齢といった顧客の基本属性や趣味嗜好、購買履歴や取引履歴など。
商品に興味を持ってもらい購買にいたるまでの意思決定プロセスを把握することも重要です。

・顧客の基本属性(性別、年齢、収入、居住地、世帯構成など)
・過去の購入履歴(購入金額、回数、頻度など)
・顧客満足度
・問い合わせ履歴
・顧客の趣味嗜好、ライフスタイル
・過去に実施したマーケティング施策
・購買経路、意思決定プロセス

顧客分析のフレームワーク、手法

a person is writing on a piece of paper

顧客分析で使う手法やフレームワークにはどのようなものがあるのでしょうか。
顧客動向の分析の際に、覚えておくと役立つフレームワークや分析手法をそれぞれ詳しく解説します。

デシル分析

デシル分析とは、売上データをもとに顧客を購入金額の高い順に並び替え、「購入金額の高さ」で10等分にグループ分けする手法です。
グループごとに購入金額の合計や購入金額比率、累計購入金額比率などを算出することで、売上貢献度を数値化できます。
これにより、貢献度の高い顧客には特別クーポンを送付するなど、購買力の高い客層に効率的にアプローチすることが可能です。

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析とは、顧客を属性やニーズ、購入履歴などでセグメントする分析手法です。
セグメンテーション分析では、欲しい情報によって変数が変わります。
分析により、各セグメントに属する顧客の行動パターンや趣味などが浮き彫りに。
そのデータを活用して、それぞれに合ったマーケティング案の検討や新商品開発などが可能となります。

行動トレンド分析

行動トレンド分析とは、ある時期に購買行動をする顧客に絞り、どの購買層がどの時期にどのような商品を購入しているか分析する手法です。
行動トレンド分析によって、例えば「冬に〇〇をよく購入するのは〇〇歳代の〇〇エリアに住んでいる顧客」といった顧客ニーズを把握できます。
分析結果から、こうした客層に適切なタイミングでフォローアップメールを送ったり、キャンペーンを打ち出したりすることが可能です。

パイプライン分析

パイプライン分析とは、営業プロセスをパイプライン(水道管)に見立て、フェーズごとに分析する手法。
企業によってパイプラインは異なりますが、一般的にアポ取り、提案、見積もり、成約といった段階が考えられます。
各フェーズの経過時間や反応率などを可視化し、どこがボトルネックになっているのか把握することで課題解消につなげられるでしょう。

コホート分析

コホート分析とは、属性などの項目で顧客をコホート(同じ条件を持つグループ)に分類して、購買行動を分析するフレームワークです。
例として、通販サイトの訪問ユーザーを「商品を購入したユーザー」と「商品ページ閲覧後に離脱したユーザー」にグループ分けし、グループの特徴を分析します。
Webマーケティングに有効な手法で、年齢や職種などの属性で分けて分析することが可能です。

RFM分析

RFM分析とは、顧客の購買行動を最新購入日(Recency)、購入頻度(Frequency)、累計購入金額(Monetary)の指標で分類する手法。
金額だけでなく、頻度や最近購入しているかといった分析ができるのがこのフレームワークの特徴です。
3つの指標が高い顧客は優良顧客とされます。
また「購買金額は高いが、購買頻度が減ってきた顧客」に対して再アプローチをかけることも検討できるでしょう。

CTB分析

CTB分析とは、Category(カテゴリー)、Taste(テイスト)、Brand(ブランド)の項目で顧客をグループ化して分析するフレームワークです。
カテゴリーは商品の種類、テイストは形や色、模様など、ブランドは商品ブランドやメーカー、キャラクターを指します。
こうした項目で顧客を分けることで、その属性の顧客の嗜好に合ったマーケティング施策や商品開発を検討することが可能です。

LTV分析

LTV(Life Time Value)分析とは、1人または1社の顧客が生涯で自社にもたらす利益を算出する手法。
LTVは、平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間で計算できます。
ビジネスでは、顧客に継続的に商品を買ってもらうことが大事なので、高いLTVを目指しましょう。
LTVが低下している場合、既存顧客の購入額や購入頻度が減っている、購入額の高い顧客が離反していることなどが考えられます。

定性的な分析

定量分析で分かるのは、顧客全体の傾向にすぎません。
そのため定量分析では測れない、顧客個人の考え、行動を知るためには定性分析も行う必要があります。
商談でヒアリングした内容や、顧客へのインタビュー、アンケートの自由記述を使った調査で、自社の課題や顧客ニーズを汲み取りましょう。
調査では顧客が自社商品を知った動機、購入した動機を把握するのも大事です。

ABC分析

ABC分析とは、コストや在庫数、売上高といった評価軸から一つを決め、多い順にA、B、Cの3つのグループに分けて優先度を決めるフレームワーク。
自社への貢献度が高い顧客を抽出するのが目的で、アプローチすべき優良顧客のグループに注力することができます。
ただしCの下位グループに所属する顧客でも優良顧客になる可能性はあるので、今の時点での優先度であることを覚えておきましょう。

顧客分析のポイント

顧客の動向を分析する手法を見てきましたが、顧客分析を効果的に実施するにはどのような点に注意すればよいのでしょうか。
顧客動向を分析する際は以下のポイントに気をつけてください。

分析対象を明確に設定する

顧客分析では、目標を定めた上で分析対象となる顧客を明確に設定するのがコツ。
例えば、目標が「購入の継続率の向上」の場合、商品を継続購入している顧客の属性や、購入してほしいターゲット客に注目しましょう。
分析範囲が広いと対象外の顧客もデータに入ってしまうため、データ収集前に目的や対象顧客の明確化が必要です。
顧客を把握するにはWebサイトなどで顧客に登録してもらった、性別や職種などの情報が役立ちます。

目的に合ったフレームワークを使う

顧客分析の目標や達成基準を設定した上で、目的に合ったフレームワークを選ぶことが重要です。
多くの分析手法がありますが、目的を考えずにフレームワークを使っていては効果的な分析ができません。
例えば「サブスクリプション解約率を下げる」ことが目標なら、コホート分析でまず顧客の動向を調べることが有効。
基本的に解約率は新規顧客ほど高いため、「契約開始した時期」で顧客を分類して比較すると解約率を把握できます。

定量と定性分析を組み合わせる

顧客分析では、データから読み取れる顧客の属性や購買行動から分析するだけでは不十分なこともあります。
さらに深く顧客を把握するには、定量データだけでなく、アンケートの自由記述やインタビューによる定性分析を組み合わせるのが効果的です。
客観的な数値と顧客の意見の二つの面から、自社の課題や顧客ニーズを深掘りすることができます。

購買プロセスも調べる

顧客の購買プロセス(カスタマージャーニー)を把握することも重要です。
カスタマージャーニーとは、顧客が自社商品を認知してから購買にいたるまでの動向を意味します。
例えば、自社サイトで商品情報を見る、SNSのレビューをチェックする、店舗に来店するなどの行動が考えられるでしょう。
こうした購買プロセスを分析することで、自社が取るべき販売戦略を検討することが可能です。

まとめ

記事では、自社の顧客の動向を分析するさまざまなフレームワークや顧客分析のポイントを解説しました。
オンラインなど販売チャネルが増えるなか、適切な顧客分析を行ってアプローチしたい客層を正しく把握し、マーケティングに活かすことが重要です。
顧客分析の際は、やみくもにフレームワークを使うのではなく、目的によって分析手法を変えたり定性分析と組み合わせたりするなど工夫しましょう。

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