“「As Is / To Be」”とは? フレームワークの意味や使い方、実例などを紹介

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ビジネスフレームワークの一つ、As Is To Be(アズイズトゥービー)。
As Is To Beとは問題解決に有効な分析方法ですが、その意味をよく分かっていないという人も多いでしょう。
そこでこの記事ではAs Is To Beの意味や使い方、活用のメリットについて詳しく解説します。
資料作成や会議進行の場面でも、As Is To Beの使い方を知っていると仕事がはかどるでしょう。

「As Is To Be」フレームワークとは?

As Is To Be(アズイズトゥービー)とはどのようなフレームワークなのでしょうか。
As IsとTo Beに分けて意味を捉えるのがポイントです。

As Isの意味とは?

フレームワーク「As Is To Be」(アズイズトゥービー)において、「As Is」とは現在の状態を意味します。
As Isの対象は、ビジネスにおいてコスト、売上、納期など様々です。
問題解決に向けた議論では、まずAs Is(現状)を把握することが重要なステップとなります。

To Beの意味とは?

「To Be」とは理想の状態、つまりあるべき姿を意味します。
現状の「As Is」と比較することで、目標に向けた改善点や取り組むべき課題が明確に。
To beがどれだけ先かは、1か月後、1年後など自由に設定できます。

「As Is / To Be」のフレームワークはいつ使う?

「As Is To Be」は目標設定やマーケティング、業務プロセスの改善など多岐にわたる領域で活用されています。
例えば製造業では納期の短縮、在庫管理の最適化を目指す際に、As Is To Beのフレームワークが有効です。
As Is To Beの使い方により、効率化やコスト削減、顧客満足度向上など様々な目標を実現することが可能となります。

「As Is / To Be」の使い方とは?

ここではAs Is To Beの使い方を、実際のプロセスに沿って解説します。
使い方の実例も紹介しているので、活用の際は参考にしてください。

理想(To Be)のあるべき姿を考える

As Is / To Beのフレームワークでは、まずTo Be(あるべき姿)を設定します。
例えば売上アップを目標にするなら、「〇ヵ月で売り上げを100万円上げる」といったようにTo Beのあるべき姿を設定しましょう。
また顧客満足度のアップを目指す場合、「1ヵ月のクレーム数を○件削減する」がTo Beの一例となります。

現状(As Is)の問題を確認

To Beが設定できたら、As Is(現状)を確認しましょう。
例えば、カスタマーサポート部門の業務効率化をTo Beとして設定したとします。
その場合、As Is(現状)を知るため、顧客からの問い合わせに対する平均的な応答時間を調べましょう。
最初にAs Isを決め、それを踏まえてTo Beを設定する方法もあります。

現状と理想のギャップから課題を明らかにする

As IsとTo Beのギャップが、取り組むべき課題です。
To Be(あるべき姿)に近づくためには、何を解消すれば良いのか検討しましょう。
例えば全社の売上アップがTo Beで、As Isを調べたところAエリアの売上が特に低いことが分かったとします。
その場合、Aエリアの売上アップがTo Beに向けた課題です。

問題点を解消する行動を検討する

課題が明らかになったら、それを解決するための行動を考えます。
行動は具体的なものに設定することが重要です。
また上層部の独断で決めるのではなく、現場の声も踏まえ実行可能な案を策定するようにしましょう。
例えば倉庫業務の効率化が課題の場合、倉庫管理システムの活用やマテハンの導入が有効なアクションとなります。

それぞれ課題に優先順位をつける

As Is To Be分析を進める中で、課題が複数見つかることもあります。
全てを同時並行で行うことが不可能な場合は、何を先に行うべきか優先順位を付けましょう。
優先順位を決定する際には、緊急性、実現可能性、収益性の指標を使って考えるのが効果的です。
それぞれの指標に点数を振り分けて課題に当てはめることで、課題の優先順位を確認できます。

実行と振り返り

以上のプロセスが済んだら、いよいよ解決策を実行します。
実行の段階では、週ごと、月ごとなど定期的に振り返りや効果検証を行いましょう。
解決策を実践する中でトラブルが生じたら、その都度、実行方法を調整していきます。
また万が一、大規模なトラブルが生じたり効果がマイナスとなってしまったりした場合には、一度アクションを中断する判断も必要です。

「As Is / To Be」のメリットとは

As Is / To Be(アズイズトゥービー)活用の意味やメリットとは一体何でしょうか。
As Is / To Beは問題を論理的かつ迅速に解決したい際に、最適なフレームワークです。

解決策を考えるときにブレにくい

As Is / To Beのフレームワークでは、現状とあるべき姿を明確に設定します。
そのため目標に向けた解決策を策定する際に、ブレが生じることはまずありません。
会議ではいつの間にか議論が脱線することも少なくありませんが、As Is / To Beを活用すれば話し合いも建設的に進むでしょう。

論理的な問題解決が可能

As Is / To Be分析は、あるべき姿と現状、課題を確認し、目標に向けた行動を検討、実践するといったプロセスで進みます。
この手順を踏むことで、論理的に問題解決をすることが可能です。
単純に解決策だけを考えていると、面白そうなこと、簡単にできそうなことなどにアイデアが偏ってしまうことも。
As Is / To Beを使えば、課題解決に直結する策を見つけることができます。

今の問題や解決策を見える化して説明できる

解決策を可視化できるのも、As Is / To Be活用のメリットです。
As Is / To Be分析では今の問題と理想、課題を明確にし、それを解決する策を講じます。
この4つのプロセスを大まかにまとめるだけでも、分かりやすい資料を簡単に作成できるでしょう。
またフレームワークに沿って議論を組み立てることで、プレゼンテーションもしやすくなります。

まとめ

今回はAs Is To Be(アズイズトゥービー)の意味や使い方、活用のメリットについて解説しました。
As Is To Beとは、あるべき姿に向けて、論理的に問題を解決するためのフレームワークです。
建設的な議論が進まない、話し合いが煮詰まっているという時に活用をおすすめします。
As IsとTo Beはできるだけ具体的かつ定量的に設定することで、解決策を導き出すプロセスがスムーズに進むでしょう。

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