車上渡しとは? 起こりうるトラブルや詳しいフローについてわかりやすく解説

blue and white van on road during daytime

車上渡しとは荷物の受け取り方法のひとつですが聞きなれない人もいるかもしれません。
この記事を読むことで、車上渡しとともによく使われる用語を理解し、どんな場面でこの配送方法を選択するのが最適か理解できます。
車上渡しの取り決めについて配送側と受け取り側の認識が不足していると、思わぬトラブルに発展するケースもあります。
発生しやすいトラブル事例や対処方法についても確認しましょう。

車上渡しとは?

red freight truck beside building

車上渡しとは荷物の配送や受け取りに関連する用語です。
車上渡しの基本的な意味と、適用される荷物の種類や由来について解説します。

車上渡しの意味

車上渡しとは荷物を運送トラックの荷台から直接受け取る配送方法です。
車上渡しは、大型の荷物を運ぶ場合や荷物が重くて運べない場合、道路が狭くて運び出せないときに使われます。
発送者は運送会社に商品を渡し運送会社のトラックで目的地まで運んだ後、荷受けや荷降ろしに関しては受取人が行います。
車上渡しは、荷物の受け取り主が自ら荷台から荷物を下ろす点が大きな特徴です。

車上渡しの対象となる荷物の種類

車上渡しで扱われる荷物は、手で持ち運ぶのが難しい大型の重量物が中心です。
例えばオイルが詰められたドラム缶、大型機械や工業製品などの金属品も該当します。
小さな物でもパレットにまとめて大量に運ぶ場合は車上渡しが用いられることもあります。

車上渡しの由来

車上渡しは馬車が使われていた時代から存在します。
当時は馬車やリアカーなどむき出しの状態で荷物を積んでいたため、車内ではなく「車上渡し」と呼ばれていました。
現代では荷物は車内に収められるようになりましたが、歴史的な名残から車上渡しという表現が今も使われています。

車上渡しで、ドライバーが荷下ろししない理由

smiling man stands behind delivery truck

車上渡しでドライバーが荷下ろしを行わない理由は、ドライバーの負担軽減のためです。
長距離運転などドライバーの負担は大きく、運転に加えて重い荷物を運び出すことは体への負担を増大させます。
そのため法律上で大型・重量のある荷物の荷下ろしは受取人責任とされました。
ドライバーに荷下ろしを要求することはできないので注意しましょう。

車上渡し以外の荷物の渡し方

a person loading a large truck

車上渡し以外にも荷物の受け渡しにはさまざまな方法が存在します。
荷物の種類や重量、受け取り側が個人か会社かなどの状況に応じて選ばれます。

軒下渡し

軒下渡しとは、ドライバーが荷物を目的地の玄関や入口まで運んで受け渡す方法で、個人で配送を利用する際によく使います。
軽量で運搬しやすい荷物に主に用いられ、宅配便や日用品の配送などで利用されます。
ドライバーは、室内に荷物を入れる作業は行わず、玄関先までの配達となるため、室内搬入を必要とする場合は別途手配が必要です。

置き場渡し

置き場渡しとは、受け取り主の指定した場所にドライバーが荷物を置いて配送する方法です。
この方式では受取人が現場にいなくても良く、ドライバーは指定された場所に荷物を置くだけで配送完了します。
受取人が不在でも荷物を受け取れる点が特徴です。
Amazonで注文した商品をコンビニ受け取りにしたり玄関の置き配を指定したりするのがこれに該当します。

車上渡しのメリット・デメリット

white truck on road during daytime

車上渡しの配送方法は、荷物の取り扱いにおいてメリットとデメリットが存在します。
あらかじめ車上渡しの利点と問題点を理解した上で、うまく活用するようにしましょう。

メリット

車上渡しの大きなメリットは、受取人が自らのタイミングと方法で荷物を降ろして目的の場所まで移動できる点です。
荷物や建物へのダメージリスクを、自己責任で最小限に抑えることができます。
また必要な配送コストは運送費のみのため、輸送コストを安く抑えられる点も利点です。

デメリット

車上渡しのデメリットは、荷降ろしに人手が必要となり、受取人は適切な人員を用意しなくてはならない点です。
基本的に特定の作業免許がないと荷降ろしを行うことはできず、荷物重量に応じたフォークリフトなどの準備も必要です。

車上渡しで起こりうるトラブル

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車上渡しは便利な配送方法ですが、誤解や不明瞭な契約によりトラブルに発展してしまうケースもあります。
車上渡しで起こりやすい典型的なトラブルと対処方法を解説します。

間違えて、車上渡しで契約してしまった

受取人が車上渡しを理解しないまま契約すると、荷物が到着した際にドライバーは荷下ろしを行わずトラブル発生に繋がります。
双方が荷降ろし準備をしないまま商品が到着し、荷物が到着した時点で初めてミスに気づくため対処も困難です。
この事態を避けるためには、契約時に配送方法を明確に確認することが重要です。

重い荷物の荷下ろしができない

車上渡しを選択したものの、重量のある荷物を自力で降ろすことが困難な場合です。
特に大型家電や楽器のような重い物を購入した際に、この問題が発生するケースは増えます。
車上渡しの場合、荷物を降ろす機材を用意したり人員を準備したりする業務は受取人側の責任です。
トラブルを防ぐためには、事前に荷物の重量や必要な機材を確認し、適切な準備を行うことが必要です。

荷下ろし中に荷物が破損する

車上渡しで荷物を受け取る際に、荷降ろしの過程で荷物を破損させてしまうリスクがあります。
もし荷降ろし中に荷物が破損した場合の責任は、ドライバー側ではなく受取人側の責任です。
荷物を受け取る前には、荷物の外観をチェックして傷がないか確認しましょう。
受取前の破損については運送会社など送り主側の責任のため、受取前に荷物の破損がないかをしっかり確認することが大切です。

ドライバーが手伝わないことに、受取人が納得しない

車上渡しは荷物を目的地まで運ぶことがドライバーの役割であり、荷下ろしを行う義務はありません。
このため受取人がドライバーに荷下ろしの手伝いを期待している場合だと誤解が生まれます。
双方が業務に慣れている場合は問題ありませんが、初めて取引を行う受取人には契約内容を理解してもらうため丁寧に説明しましょう。

車上渡しのトラブル予防策

red truck on gray sand during daytime

車上渡しでトラブルを避けるためにはいくつかの予防策が重要です。
ここでは、車上渡しの際に生じやすいトラブルを未然に防ぐためのポイントを解説します。

受け渡し方を事前に確認する

車上渡しのトラブルを避けるためには、契約時に受け渡し方法を正確に確認するようにしましょう。
車上渡しとはドライバーが荷物をトラックの荷台で受け渡す方法であり、荷下ろしは受取人側の業務と責任です。
軒下渡しや置き場渡しと混同されないよう、配送方法を明確にし、必要に応じて文書で確認するようにします。

荷下ろしの前に、荷物の破損が無いかチェック

荷物を受け取る前には、破損状態を念入りにチェックしましょう。
車上渡しでは荷物の受け取り後に発生した破損は受取人側の責任となるため、荷物に傷や破損がないか事前に確認することが不可欠です。
特に荷物が大きくて視認しにくいケースや、包装が厚い場合にも慎重に確認します。

荷下ろしに必要な機材、人員をあらかじめ揃える

重量物や大型の荷物を車上渡しで受け取る場合には、荷下ろしには適切な機材と人員が必要になります。
このため荷物の重量やサイズに応じてフォークリフトやクレーン、必要な人手を事前に準備しておくようにしましょう。

まとめ

車上渡しとは一体どのような配送方法なのか、その他の配送手段と比較しながら解説しました。
主に重量荷物に用いられる車上渡しは、受取人にとって自己管理で荷物を取り扱いやすく配送コストを抑えやすいメリットがあります。
一方で荷下ろしに必要な機材や人員の準備、荷物の状態確認など事前準備やチェックも欠かせません。
車上渡しの利点を上手に活かしながら、スムーズな荷物の受け渡し方法として活用していきましょう。