納期とは、製造や発送業務だけでなく日常生活の中でもよく使われる言葉。
しかし納期と到着日、納入日との違いを問われると、答えられないという人も多いでしょう。
そこでこの記事では納期の意味や、それに関連する概念としてリードタイムや納品日とは何かについても簡単に解説します。
納期への理解を誤ると出荷トラブルにも繋がるので、製造や発送に関わる仕事をしている人は知っておきましょう。
「納期」とは?
納期とは納入期限日の略として、製造や発送業務以外の場面でも一般的に使われる言葉です。
ここでは納期の意味や到着日との違いについて簡単に説明します。
「納期」とは「納入期限日」の略
納期とは納入期限日の略で、社会一般的には商品や税金の納入期限として使われる言葉です。
一方で製造や発送、物流業で使われる納期は、企業が顧客に対して商品を届ける締め切り日としての意味合いを持ちます。
納期はあくまでも「この日までに届けてください」といった締め切りであるため、それよりも早く納入する分には問題ありません。
しかし納期を守ることができないと、顧客からのクレームに繋がります。
「納期」と「到着日」の違い
納期とは納入期限日ですが、到着日は商品が到着する日程を意味しています。
そのため納入期限日と到着日は必ずしも一致せず、到着日が納期より早くなることも。
しかし到着日を正確に把握するのは困難であるため、発送日=納期とする会社もあります。
この場合には、実際の到着日は納期よりも後になることが多いです。
「納入日」とは?
納期と似た言葉で、納入日という表現があります。
ここでは納入日とは何か、納期との違いも踏まえて簡単に説明するので、参考にしてみてください。
「納入日」の意味とは? 簡単に解説
納入日とは商品を納入する日、あるいは実際に納入した日を意味する言葉です。
例えば納入日が2024年4月10日だったとします。
この場合、その商品は必ず2024年4月10日に届けなければならず、その前に届けるのも原則NGです。
「納期」と「納入日」の違いとは
納期とは納入日の期限であり、その期限より早く届けても構いません。
一方で納入日とは商品の到着日であり、その日に届ける必要があります。
中には前倒し納入を可としている会社もありますが、業種によっては不可とされてることが多いです。
「納品日」とは?
納品日とは、相手に品物を届ける日です。
先程説明した納入日とは、意味にほとんど違いはありません。
しいていうなら、納品日のほうが納入日と比べて「品物(商品)」を届けるというニュアンスが強いです。
納入日と同様、それよりも早く届けることは原則不可とされています。
「リードタイム」とは?
ここではリードタイムは何かや、納期とリードタイムの違いを簡単に説明します。
リードタイムとは、納期と密接に関わる概念なのでよく理解しておきましょう。
「リードタイム」の意味とは?
リードタイムとは商品の発注から納品までに掛かる時間のことで、その間には生産や発送など様々な工程が含まれています。
またリードタイムは、各工程を細分化して測定されることも。
例えば、生産工程に掛かる時間を示した生産リードタイムは細分化されたリードタイムの一例です。
その他にも、調達リードタイムや出荷リードタイム、配達リードタイム、開発リードタイムなどがあります。
「リードタイム」と「納期」の違い
リードタイムとは商品の発注から納品までの期間であるため、「○日間」と表記されます。
一方で納期とは納入期限であるため、「○月○日」といったように記載することが多いです。
つまりリードタイムとは期間ですが、納期とは締切日といった点に両者の違いがあります。
リードタイム計算方法
リードタイムの計算方法は、フォワード法とバックフォワード法の2種類です。
ここではそれぞれの計算方法を簡単に説明します。
フォワード法
フォワード法は、リードタイムの起点を「作業に着手した日」としてリードタイムを計算する方法です。
つまりフォワード法でいうリードタイムとは、作業に取り掛かった日から納品までの期間を示しています。
例えば生産リードタイムの場合では、生産を開始した日から終了した日がフォワード法のリードタイムです。
バックフォワード法
バックフォワード法とは「依頼の完了日」を起点として、リードタイムを求める計算方法。
バックフォワード法では依頼完了の時点から納期に合わせて稼働日数や人員数などの計画できるため、スケジュール調整の時に便利です。
納期がかかるデメリットとは? 納期短縮するべき理由
納期がかかるデメリットは、企業の販売機会の損失や顧客満足度の低下に繋がることです。
多くの顧客は購入した商品をできるだけ早く欲しいと思っています。
そのような顧客の期待に応えられない企業は、市場競争で不利な立場となってしまうでしょう。
また納期がかかると在庫を保管する期間も長くなるため、その分在庫管理コストがかさんでしまいます。
リードタイムを短縮するためのポイント
納期短縮は、企業努力により実現可能です。
ここでは、輸送期間などのリードタイムを短縮する方法を紹介します。
製造計画を見直し
在庫に余裕を持った製造計画を組むことで、納期短縮できる可能性があります。
顧客から注文があった際に在庫の用意が無かった場合、その時点から生産や商品の取り寄せを行なわなければなりません。
一方で常に在庫をストックしておくことで、注文後の対応は梱包や出荷など最小限で済みます。
生産体制を可視化
生産体制を可視化して受注・製造に関わる部門全体で共有することで各課が、欠品に備えながら臨機応変に対応できるようになります。
生産体制の可視化には、製造や出荷に関わる状況をデータとして一元化できる生産管理システムの導入や、情報共有体制の見直しが必要です。
人員を再配置、教育
作業員それぞれの適性に合わせた人員の再配置により、全体の作業効率を上げることが可能です。
また教育体制を強化することで、従業員のスキルアップにも繋がります。
その結果として従業員1人1人の生産性が上がり、納期短縮を実現できるでしょう。
製造に使う装置や機器を見直し・効率化
作業に使っている装置や機器が古かったり故障していたりする場合、買い替えや修理を行うことで納期短縮ができる可能性があります。
機材の買い替えにはお金はかかりますが、それにより生産性やリードタイムが改善されれば企業にとって利益となるでしょう。
配送ネットワークを見直し、輸送期間を短縮
配送ネットワークを見直すことで、リードタイムのうち輸送期間の部分を短縮することができます。
例えば納品までに中継する物流センターの数や位置を調整することで、輸送期間の短縮が可能です。
また発送を別の会社に委託している場合は、より輸送期間が短い会社への切り替えも検討してみましょう。
倉庫業務を見直し・効率化
倉庫業務の見直しも、納期短縮において有効な対策です。
例えば出荷頻度が高い商品を取り出しやすい位置に配置することで、出荷作業の効率を上げることができます。
また倉庫内を整理することにより、在庫が見つけやすくなりピッキング作業の時間も短縮できるでしょう。
まとめ
今回は納期とは何かや納期がかかるデメリット、納期短縮の方法について簡単に解説しました。
納期とは商品の納入期限であり、リードタイムや納品日とは意味が違うので注意しましょう。
また納期を必ず守ることや納期短縮は顧客満足度の向上などのメリットがあり、経営者が率先して取り組むべき課題です。
ぜひこの記事を参考に、納期やリードタイムとは何か理解を深めてください。